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ポッドキャスト番組「本そばポッドキャスト休憩室」と「翻訳文学試食会」の感想を投稿してい…

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ポッドキャスト番組「本そばポッドキャスト休憩室」と「翻訳文学試食会」の感想を投稿しています。 ブログはこちら https://em-em000.hatenablog.com/

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  • 「翻訳文学試食会」の感想

    ポッドキャスト番組【翻訳文学試食会】の感想まとめです https://open.spotify.com/show/2HHp4JBHtqBf6ziqgKo6Rj

  • 「本そば ポッドキャスト休憩室」の感想

    ポッドキャスト番組【本そば ポッドキャスト休憩室】の感想まとめです https://open.spotify.com/show/4zvpAGWZBnaSkm3i6kOvt3

最近の記事

#76 ジーン・リース「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」〜迷惑おばさんの怒りと悲しみ の感想

※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード いつ頃の話かよくわからない 若いか歳をとっているかもわからない 若い女の人とは思わなかった、「若い女の子と一緒になった」という記述があるから(主人公は)はあまり若くないはず 典型的な中年女性。行為だけを切り取ったら「迷惑おばさん」でしかない 助けてもらえる才能、甘えられる才能 完全なアルイー 熊本の水道水と東京の水道水はどっちかわからない イギリス版林芙美子 滲み出るよう

    • #130 書店員の転職とセカンドキャリア【ゲスト 鈴木正太郎さん】 の感想

      この回のキーワード 自分のタイミングで引っ越しできる生活がしたい 21年で6回引っ越し セコムのカギ、自販機強盗、雪で誰も来られない 渓流で釣りしてる最中に電話かかってきた 書店の給料、版元の給料 給料が安くても心地よい場所で好きな仕事をする、給料は半ば諦め 仕事が楽しいか、給料が良いかの二者択一 「延勘(のべかん)」を読める人はあまりいない アイデンティティとしての書店員 敬われてても、その方のほうが給料高いんだろうなって思って接してた めっちゃドンキ

      • #131 教科書の思い出と学参のはなし の感想

        この回のキーワード 不安定なモチベーションでやっている配信 たーぼーとなべやん 卒業アルバムに『三笘の1ミリ』が載る時代 マンスリー・ムー is my best wife やっぱり学びは紙 武者小路実篤『友情』の三角関係にクラス中がざわつく 世界史の教科書ばかり読んで偏差値が78に 偏差値40からの大学受験 歴史は通史でも知っておくと物事の解像度が上がる 学参買いに行くっていう大義名分で漫画買ってもいいしね 大宮アルシェの書店の思い出 学参に絡め取ら

        • #16 イーユン・リー「千年の祈り」 〜この不自然な中国人像はアリか の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード べらべら喋ることは社会主義国家では命取り。かなりうっかりなお父さん 職場はひとつの単位なので、お父さんが下働きになったことを知られていないわけがない 娘に濡れ落ち葉、なぜ娘がアメリカで働いているか理解していない、善意の押し付け 典型的なモラハラな構図。誰々のために、と言い出すやつには近づくな 娘の最初の夫は中国語を話す人なのでは? 伝わっていないのに、伝わっていると思う=祈り

        #76 ジーン・リース「あいつらにはジャズって呼ばせておけ」〜迷惑おばさんの怒りと悲しみ の感想

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        • #131 教科書の思い出と学参のはなし の感想

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        • 「翻訳文学試食会」の感想
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        • 「本そば ポッドキャスト休憩室」の感想
          6本

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          #12 キム・エラン「立冬」 日本人は「セウォル号以後文学」をどう読むか の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 夜中になにかがあると怪しい、やばそう 殺人事件かと思ったら木イチゴ、大そそう ヨンウは息子か娘か? 自分も泣きながら醒めた目で書いている 外国の小説という感じがしない、違和感がない 韓国の家賃システム(※チョンセのこと) セウォル号以後文学と社会的トラウマ 窒息するような空気感 時間の経過が蓄積されている感覚があった、それが止まってしまう 「この小説は私のことを書いてい

          #12 キム・エラン「立冬」 日本人は「セウォル号以後文学」をどう読むか の感想

          #3 アニー・エルノー「シンプルな情熱」 2022年度ノーベル文学賞記念企画「♪制服の胸のボタンを」 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 小林明子とテレサ・テンが頭の中で流れる 高級な姦通小説、すごく読ませる訳、読後感悪くない ありふれた不倫、普通すぎて渡辺淳一なら許さない 恋愛小説の見本帖のような小説 他者に欲望する、欲望される究極の形、純愛の極北 ルソー『告白』、フローベール『ボヴァリー夫人』フランス文学の正当な流れの中で書かれている 社会が書かれていない、物足りない、必然性が描かれていない、感情のスイッチ

          #3 アニー・エルノー「シンプルな情熱」 2022年度ノーベル文学賞記念企画「♪制服の胸のボタンを」 の感想

          #27 リング・ラードナー「弁解屋(アリバイ)アイク」〜ふたたびクリエイティブライティングを考える の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 新潮文庫を読んで選んだわけではない、というアリバイ(弁解)、あえての福武文庫 漫才の台本のような小説。エンタツ・アチャコ なぜアイクはこうなったのか?不要なことまで言い訳する悲哀 アメリカ人、フロンティアスピリット、アメリカンドリーム、フレンドリー 自意識過剰な言い訳、人間関係をうまく築けない自信のなさ、過剰に相手の顔色を伺う アイクとバートルビーは非常に似ている、不気味さ、孤

          #27 リング・ラードナー「弁解屋(アリバイ)アイク」〜ふたたびクリエイティブライティングを考える の感想

          #29 ブッツァーティ「神を見た犬」〜見た目は怖いがとんだ良い人だった件 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード イタリアの信仰心が土壌にある 一言でいうと生ぬるい、とらえどころがない 神様はいないけどいる、いるけどいない 見ようとすれば信じようとすれば神はいる=神が持ついかがわしさ、まやかし 「虚像であっても神という存在は必要」と言いたかった? メッセージがあるんだか、ないんだか、意図をくみとっていいのか 孤独の影がないから物足りない? 一見コワモテ、人懐こい良い人、親しみやすい鬼才

          #29 ブッツァーティ「神を見た犬」〜見た目は怖いがとんだ良い人だった件 の感想

          #60 リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」〜生々しくないとダメですか? の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 全編これ心象風景。現代芸術。因果関係はない 学生の頃に読んだときは嫌悪と苛立ちしか感じなかった(干場さん) 30年ぶりに読んだら「これはええもんやな」 青春時代の終わりは小さな死 もっといろんな葛藤あるやろ。欺瞞 目をそむけたくなるものを生々しく伝えるのは伝わらない 抽象化して伝えれば伝わるのか? 西瓜糖って何? この小説の題名自体は以前から知っていて、「西瓜糖」っていう

          #60 リチャード・ブローティガン「西瓜糖の日々」〜生々しくないとダメですか? の感想

          #56 E・M・フォースター「アーサー・スナッチフォールド」〜ジャニーズ性加害問題を考えるテキストとして の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード カナリア色のシャツ「おはようさん、ええ天気やね」 「得たりやおう」 ノブレス・オブリージ=高潔な振る舞いをしたのはアーサー・スナッチフォールドの方だった これを読んだらその時代のイギリスの社会のメカニズムがわかる。読ませる短編。指折りの作品 コンウェイ卿は魅力的 フォースターの表現が上手なせいか、コンウェイ卿が魅力的に感じる。 現代風に言うと紛うことなき「リア充」じゃないです

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          #61 パトリック・ジュースキント「ゾマーさんのこと」〜加害の記憶という問題 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 共同体の絆を確認する ゾマーさんは戦争加害者? ヴァイツゼッカー元大統領の演説 帰還兵の苦しさ 日本の戦争の物語は被害者側から描いている 罪の意識、加害の記憶に自分が傷つけられる 葛藤の物語が好き 「ぼく」の成長 ゾマーさんのことが主題ではあるのだが、主人公「ぼく」の物語としてもものすごく素敵なお話だと思う。自転車のサドルとペダルに同時に足が届かないから、しばらく立ち漕ぎ

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          #6 ハーマン・メルヴィル「書写人バートルビー」 ジンジャーナッツと配達不能郵便 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 一言でいうと「衝撃」 古めかしくて面白い始まりから不気味な話へ 絶対的消極主義、アクティブ主義への反抗 日常生活がないバートルビー 「菜食主義者」のヨンヘは「バートルビー」を下敷きにしている? 「自分がバートルビーになるかもしれない」という恐れ 覗き込める中身がない、空虚さ バートルビー以外の人物 私:「最も摩擦の少ない生き方こそ最良の生き方だと堅く信じてきた人間」 ター

          #6 ハーマン・メルヴィル「書写人バートルビー」 ジンジャーナッツと配達不能郵便 の感想

          #44 ホーソーン「ウェイクフィールド」〜承認欲求モンスター爆誕!の巻 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 夫婦間の義務不履行(結婚は契約) 義務の中には何が含まれているのか? 経済的に困窮させてないのであれば義務を果たしているのでは? 奥さんは途中で気づいていたのではないか? 破滅願望と蒸発願望 夫婦間の義務とは何か?(日本の民法の場合) というように、日本の民法はまず「同居」っていうのが義務なんだということを知らなかった。(もちろん単身赴任等の事情は除く) となると、現代の日本

          #44 ホーソーン「ウェイクフィールド」〜承認欲求モンスター爆誕!の巻 の感想

          #4 ラッタウット・ラープチャルーンサップ「ガイジン」 クリエイティブ・ライティングを考える の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード タイ人という感じがしない。アメリカ人の視点 『クリエイティブ・ライティング』の手法、情報を小出しにしていく 誰が読んでも面白いし、誰が読んでも理解できる、全部わかる 別にタイが舞台じゃなくてもいいよね(タイは小道具) ウェルメイドの何が問題なのか? チャレンジがない、小さく完成されている物足りなさ 「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」 感想 「翻訳文学試食会」を聞いてい

          #4 ラッタウット・ラープチャルーンサップ「ガイジン」 クリエイティブ・ライティングを考える の感想

          #16 出版社を将棋の駒に喩えると の感想

          王将 すずきさん:福音館 わたなべさん:三笠書房→岩波書店 『業界で実はかなりどっしりとして、不動な感じ』で福音館っていうのはすごくよくわかる。『ISBNの出版社記号ゼロゼロといえば岩波書店』というのもなるほど。わたなべさんの三笠書房の理由が「王様文庫」っていうの、何度聞いても笑ってしまう。最初から大喜利の予感。 金 すずきさん:文藝春秋、新潮社 わたなべさん:金の星社、金園社  「金両サイドの文春・新潮はいいんじゃないですか。お互い仲悪そうなところもあって」という

          #16 出版社を将棋の駒に喩えると の感想

          #64 カーソン・マッカラーズ「家庭の事情」〜アルイーとの向き合い方 の感想

          ※これはポッドキャスト番組「翻訳文学試食会」の感想です 今回の本 今回のキーワード 断酒して人生の後半を素面で生きていく干場さん 「家庭の事情」は絶品のつけあわせ 人間は環境の変化に弱い。アラバマからニューヨーク、共同体を失ってバランスを崩すエミリー 南部作家、カポーティー、フォークナーの面白さ どこに行っても特に臆しない大東先生 ほっこりするユーモア派と感じ悪いユーモア派(マッカラーズvsオコナー) 夫があかん。ケアできてない。妻はもともと他人、奥さんの危

          #64 カーソン・マッカラーズ「家庭の事情」〜アルイーとの向き合い方 の感想