ビヨンセのツアーが最高すぎた件! 最高峰のプロダクションで、多様性とクィアなコミュニティを賞賛!
ビヨンセの「ルネッサンス」ワールドツアーに行って来ました。
米国内では初のコンサートとなるフィラデルフィアにて参戦!
これが控えめにいっても、最高すぎた!
今まで観たコンサートのなかでも、最高峰を行くプロダクション。
人類はみな観たほうがいいよ! てくらいだったので、ご報告します。
しょっぱなのソロから、すみませんレベル!
ビヨさまのチケット販売は、地域にわけて先行セールがあったのですが、フィラデルフィアでの先行セールに当たり、正規値段でゲットできました。
最近のチケット高騰争奪戦のなかでは、かなりよくできたシステムでした。
始まりは、ビヨさまのソロ。
しょっぱなから歌のクオリティがすばらしすぎる。
子どもの頃からエンタテイナーだっただけあって、緩急のつけ方も、ビブラートも、こぶしもお手のもの。
なんかもう卓球の名人が、ラーメン食いながら、余裕で打ち返しているようなレベルっての?
メイクも衣裳も完璧。
しかもヘアのエクステンションがすばらしい出来で、金髪ロングのふわふわ。
で、舞台のところどころに、扇風機を仕込んでいるらしく、風にヘアがなびくわけですよ。
ほら、シャンプーのCMみたいに。
おかげで大画面のモニターを見ていると、それがそのままMVみたいな完成度で見えるのです。ひょー!
お着替えがあるビヨさま七変化
そして今回の目玉が、ビヨさまの七変化。
これはアメリカのメディアでも話題になって、「another level」と評されるほど、場面ごとに衣裳も替えるし、バックダンサーたちの衣裳も全部替わるんですね。
お着替え場面には、ビデオと幕間の音楽が流れるんですが、このビデオのクオリティがめちゃ高い。
もはや映像作品として成立している!
映画『メトロポリス』を彷彿とさせるシルバーに輝くメタルルック。
文字どおり宇宙に連れていってくれそうなライティングもすごい!
さらにぐいんぐいんと揺れるローライダーのような車の大道具に乗って現れるビヨさま。
ホタテの貝殻から、ビーナスのように現れるビヨさま。
昆虫のようなヘッドピースに、往年のティエリ—・ミュグレーのような甲殻類系コスチュームで現れるビヨさま。
輝く馬に乗り、宙づりになるビヨさま。
ゴージャス、ファビュラス、マーヴェラスとは、このこと!
「はー。すばらしマー!」と感銘を受けたのは、ビヨンセであれば、世界トップの人材を使えるのだなと。
一流の映像作家とか、舞台デザイナーとか、衣裳デザイナーとか、ライティングとか、ダンサーとか、いちばん腕の良い人材を集められて、とんでもないものが作れてしまう!
もうレベチですよ、レベチ。
もちろん音楽だけで勝負をするミュージシャンもすばらしいですが、ビヨさまは、完璧にエンターテイナー。
ひとりサーカスとも、ワンマンブロードウェイともいえる規模で、まさにスペクタクラー。
ガールズや有色人種コミュニティをエンパワーするボス
構成もまたうまい。
出だしでは歌唱力を見せつけ、
「欠点だらけの私を愛してくれる、そんなあなたを愛しているわ〜♪」
なんて歌っていたビヨさま。
そのあとはアルバム『ルネッサンス』からの曲で、どんどこ強い女王の風格を見せていきます。
ひーえー。すいません。女王さま、許してください。
くらいの勢いッスよね。
そして今回、特に目立ったのは、コミュニティを牽引するリーダーシップとしてのパワー。
「レディたち、フォーメイションを組んで」と歌う『フォーメーション』
「世界を回しているのは誰? ガールズよ」と歌う『ラン・ザ・ワールド』
「こぶしを突き上げて、ブラックへの愛を見せて」と歌う『ブラック・パレード』
「誰も私から力を奪えない」と歌う『マイ・パワー』
モニターの映像でも、ストリートカルチャーを生んだブラックコミュニティや、クィアのコミュニティに対するリスペクトが熱い。
この歴史があっての現在なのだ、という意識が伝わります。
娘のブルー・アイビーもダンサーとして登場!
今回のもうひとつの話題は、愛娘のブルー・アイビーちゃん(11歳)が初めてステージに登場したこと。
ダンスじたいは、まあ、まだビギナーな感じですかね。
とはいえ、まわりが上手すぎるので、その分を差し引けば、たいしたもの。
なんたってビヨンセとジェイZの娘という、最強のネポ・ベイビー(Nepo Baby =親の七光りベイビー)。
11歳にしてまったく怖じ気づいたところがなくて、堂々としたふるまいは、じつにご立派。
ジェイZそっくりで、背が高く、すらりとしたアイビーちゃんですが、将来どういうエンタテイナーになるのか楽しみです。
ダンサーたちが超一流! ザ・ツインズに注目
そしてなによりダンサーたちがすばらしい!
ダンサーたちのダンスコーナーも設けられていて、これが体型も、性自認もそれぞれのバラエティあるダンサーたちが個性を発揮するのです。
これがすごい。
お酢飲んでいるんですか、てくらいに柔軟だったり、エロ満載だったり、ヤバ山ヤバぞうだったりして、シビれます。
たとえば屈強のメンズ・ダンサーが、ピンクのフリフリのミニスカで出てきて、かわいいダンスと、パワフルなダンスを繰り広げる。
巨体の女性ダンサーが出てきて、エロい技を繰り広げる。
そこには人種やジェンダーや体型の差を見せながら、そのダンサーしかできないスキルや魅力を見せていました。
ダンス好きのわたしとしてはツボに刺さりまくり。
今回のツアーには、「レ・ツインズ」(Les Twins)というフランス出身の双子ダンサー・デュオが加わっていて、彼らのファンであるわたしにとっては、ツインズのコーナーがあったのは歓喜!
さらにレ・ツインズは高い棒の上に乗って、びよーん、びよーん、としなる、映画「マッドマックス 怒りのデスロード」みたいな芸も見せてくれて、もう体張ってエンタメしてくれています。
またわたしが楽しみにしていたのは、日本人ダンサーの島津藍さん。
とんでもないスキルのを持った、ピンでいけるダンサーたちが、バックダンサーとして脇を固めている。
まさしくエンタメのてんこ盛り、夕張メロンとシャインマスカットととちおとめイチゴを三段盛りにしたパフェ、はたまたトロにキャビアに雲丹乗せ、みたいな勢いでした。
観客もどハデで、ビカビカ。下着すれすれのスタイル。
観客はブラック層が多めでありながら、人種が入り混じり、あとLGBTQ層も多いノリ。
ファッション的には、カウボーイハットが多いのは想定内ですが、さらにビカビカの衣裳のひとたちが多かったです。
とにかくビカビカに光っている!
さらにブルマーというのか? マイクロホットパンツとすらいえない、たんに下着にしか見えないボトムの女性もけっこういて、しかもかなり巨大な方が多いので、色々とパンチありすぎ!
最高峰のプロダクションをぜひ体感して
ひたすらかわいくてキラキラしていたデスチャ時代から、今や堂々の肝ったまクイーンであるビヨンセ。
" I Slay! " (あたしが最高にやってのける)
と歌って、覇者の風格のビヨさま。
ブラックカルチャーを応援し、
LGBTQコミュニティを応援し、
ガールズを応援するパワフルなディーバ。
今まで観たステージのうちでも、ぶっちぎりで最高峰のプロダクションでした。
これはもうエンタメを愛するひとは、全員観たほうがいいよ、というレベル。
機会があれば、ぜひ観てみて下さい。
ニューヨーク近辺では、ニュージャージーのメットライフスタジアムで7月29日、30日に公演あり。
「ゴージャスなエンタメを体験してみたい!」ひとは、ゴー!
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