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しあわせを紡ぐチョコレートの思い出を

先日リンツのお店で、なつかしいチョコレートと出会いました。
青いパッケージに、アルプス山脈の名峰マッターホルンのお写真。

スイスコレクション ナポリタン チョコレートです!


青いパッケージのチョコレート

こちらのスイス生まれのチョコレート。私が小学生のとき、叔母からヨーロッパ土産にもらったお品と同じです。
当時いただいたお土産と、見た目は何も変わりません。

まだ売っていたなんて!
何十年ぶりの再会によろこびもひとしおです。

当時、チョコレートといえば赤い包み紙が主流。
青色なんて見たこともありません。見た目の美しさに驚くばかりでした。
一粒づつ大切に食べたことを思い出します。

お土産をくれた叔母は、私の母の妹です。
ここではMちゃんと呼びますね。

叔母と同居していた小学生時代

Mちゃんは独身だったとき、祖母と私たち家族と一緒に暮らしていました。
いつも優しく言葉をかけてくれるお姉さん的存在。
私はMちゃんが大好きでした。

Mちゃんは、商社にお勤め。
当時お正月明けには振り袖を着て出勤することが、会社の習わしでした。

祖母と母が中心となり、家族総出で着付けして初出勤を見守るのです。
思いがけない大騒動。子ども心にも不思議な光景でした。

私「Mちゃん、お仕事しに行くんでしょ?」
母「そうよ。」
私「……あの着物を着て、お仕事できるの?」
母「今日はごあいさつだけして、帰ってくるんじゃない?」

質問しても何もわかりません。
今思えば職場の花として、はなやかにごあいさつ回りしていたのかもしれません。

そのMちゃんが、夏休みのヨーロッパ旅行土産に買ってくれたのが、このチョコレートなのです。

どの国に行ってきたのかわかりません。
きっとスイスへも行ったのでしょうね。

キラキラ!

そのチョコレートは青いパッケージの中できちんと整列し、美しく並べられていました。包み紙にはスイスの山々や人々が写されています。

ミルク味がとてもおいしく、一粒食べてはキレイな包み紙をとっておくほど愛着がありました。嬉しかった思い出です。

嫁いでいった叔母

大好きなMちゃんは、私が中学生のときに嫁いで実家を出ていきました。

母が手作りした青いワンピースを着て、はじめて参列した結婚式。はなやかで夢のあるお祝いムードいっぱいの挙式でした。挙式自体が心底楽しく、Mちゃんがいなくなる寂しさもどこかへ吹き飛んでしまいました。

その後Mちゃんは女の子を出産。
そして二十数年。生まれた頃から見守ってきた従姉妹も成人して結婚したのです。

思いがけず私はMちゃん家族の結婚式に、二世代にわたって参列することになりました。いまでも感慨深い思い出です。

しかも沖縄で家族全員勢ぞろい!
楽しい時間でした。

大好きな家族と過ごした思い出

子どものとき叔母にもらったお土産がきっかけで、なつかしい子ども時代を思い出すことができました。

にぎやかな大家族。
元気な祖母の姿。
不思議な習わし。
海外旅行のお土産。
はじめての結婚式。
生まれてきた従姉妹との出会い。

お土産が、幸せのバトンをつないでくれました。
それこそ時間も距離もこえ、何度でも絆をつむいでくれたのです。

Mちゃんからお土産にもらったチョコレート。本当に嬉しかったのです。
そのおいしさは、今も心に残っています。

娘にも継がれていく思い

もしかしたら私自身が誰かに手渡したお土産も、同じように誰かの心の片隅に残っているのかもしれません。

それは小学生の娘に対しても同じです。
娘には、より多く経験と楽しい思い出を積み重ねてほしいと願っています。

ふとしたきっかけで、幸せを実感できるように。
私にとって、たまたまお土産にもらったチョコレートがきっかけになったように。

娘の人生において、幸せを感じるきっかけが多い生涯であってほしいと願わずにいられません。

ちょっとしたおやつ。
ちょっとしたほめことば。
日々の出来事。
成長できたこと。
大好きなお土産。
節目にもらったぬいぐるみ。

ふとしたきっかけで幸せになれるように。
母親として種まきを続けていきたいと思うのです。

なにが実るのか、なにが娘の助けになるのか。
いまは私にもわかりません。

いつでも、どこにいても娘の幸せを祈って。
何気ない日常から幸せを感じられるように、これからも種まきをつづけたいと思います。

これからも幸せのバトンが引き継がれますように。
だれしも幸せで優しい世界にいられますように。祈りを込めて。

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