見出し画像

野生の感覚を、とりもどす

夏休み中のこと。

台風が接近する中、家族で海水浴を楽しんできました。遊泳禁止にならなかったことが、せめてもの幸い。

何度、スコールのような雨に遭遇したか。
とにかく土砂降りの洗礼。
肩にたたきつける雨足の強さ、半端なし。

思いがけず雲の形をみて、一時間後の天気を予想する楽しみもありました。

眼の前の雲がバンバン入れ替わります。こんなにも空を見上げるなんて、久しぶり。

ゆく雲の流れは爆走中。
雲の流れがとてつもなく速くて、びっくり。


そんなとき、浮き具を貸してくれた人が教えてくれました。
「こっちの方から雲がやってくるからねえ。黒い雲が出てきたら要注意だよ。」

そう言って、南の方を差すのです。
もうひと雨来ると予言した通り、本当に土砂降りになりました。精度の高さにびっくりです。

南方の雲を眺めては、海水浴場の黄旗(遊泳注意)が揚がっているのを確認する一日。もし赤旗(遊泳禁止)になったら、撤収するしかありません。

「まだ黄色だ!(大丈夫だ!)」
何度、子どもの心の声を耳にしたことか。

雷雲が来なかったのは、もっけの幸い。
スコールのような雨が降るたび、大歓声ではしゃぎ続けるよ、子どもたちって。

土砂降りの最中は、波打ち際で雨とたわむれ、
晴れ上がったら、大喜びで遠泳に向かうことの繰り返し。


最初のうちは雨の合間を縫って遊ぼうと思っていたのですが、そのうち雨でも関係なくなりました。

南方に暗雲たちこめても、もはや平常心です。
雨でも、遊ぶのです。

雨だからといって、雨宿りする必要もなかったのですね。
常識が、超越したかの瞬間でした。
すでにびしょ濡れでしたし。

濡れたら困るものは、すでに手元にありません。雨が降ってもやり過ごし、いまこの場を楽しむだけなのです。

この記事が参加している募集

雨の日をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?