ゲーム依存
コロナ禍ということもあって、子どもたちはゲームをするくらいしか楽しみがない状況が続いているようです。一方でゲーム依存の相談が多くくるようになりました。ダニエル・キングらの研究(The Cognitive Psychopathology of Internet Gaming Disorder in Adolescence)によると、ゲーム障害に該当する子どもたちが1週間におこなっているゲーム時間の平均は、27.8時間でした。だいたい1日4時間となります。これを多いとみるか少ないとみるかの判断は難しいところですが、一日4時間もやっていると日常生活に支障がでてしまうのは容易に推測できます。また診断までは当てはまらないが、ハイリスクの群についても1週間で一日3時間プレイしています。どちらの群も鬱・不安傾向が問題のない群と比較して有意に高い結果となっていました。またストレスも高い値となっています。この研究で興味深いのはハイリスクは臨床群ではゲームによって自尊感情を高める傾向があるようです。逆に考えるれば、普段の生活に自尊感情を高めるものがないのかもしれません。またあともう少しで課題をクリアできるような場面では、それを終えることができず、継続してしまうといった不適応的なルールを持ち合わせている傾向も臨床群やハイリスク群では高いようです。ADHDやASDでは行為の切り換えが困難な子どもも少なくなく、こうした傾向がゲームへの依存を強めているように思いました。
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