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心理療法やオンラインカウンセリングを実施しています。心理療法のテクニックや考え方を紹介していこうと思っています。

最近の記事

3.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 デイビッドH.バーロウ

第二章では、統一プロトコルがどのようなものかを学んでいきます。 統一プロトコルではスキルを段階ごとに分けています。 まず最初は「目標を定め、やる気を育む」、次は「感情をわけて前後まで観察する」、「 ありのままの現在に気づく」、「柔らかく考える」、「代わりの行動をとる」、「身体感覚になれる」、「感情エクスポージャー」 となっています。特に順番は決めてられいないようですが、できるだけ順序にそってやっていく方が良いかと思われます。このプログラムでは重複した心理療法については推奨し

    • 2.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 デイビッドH.バーロウ

      このプログラムの最初は「感情にまつわる困難」についてを学んでいきます。 1 頻繁に強い感情が起こる 感情にまつわる困難を抱える人は、とても頻繁に強い感情を体験します。生まれながらに 感情に対して敏感に反応しやすい傾向があるかもしれません。しかし、感情強く体験しても、必ずしも苦しくなるわけではないと言うことを学習していきます。 2 感情を否定的にとらえる 苦しむ人は、自分の感情をネガティブにとらえがちです。「こんなふうに感じるべきではない」「こんなことで動揺するのは自分が弱

      • 【書評】12アダルト・チルドレン癒しのワークブック 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「サバイバーからスライバーへ」

        最後のステップ(16Step)になります。このステップでは機能不全な家族で育ったアダルト・ チルドレンが、自分の心の傷をパワーに変えて、スライバーとして大きく成長し、周りの人より、もっと健全なより良い人格を作り上げていくことを目指しています。しかし、そのプロセスには紆余曲折があります。このステップでは、アダルトチルドレンに対しての サポートグループについて学んでいくことになります。 まずはアダルトチルドレンのミーティングがどこにあるかを調べます。3人集まればできるので、自分た

        • 【書評】11アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「実際に自分の行動を変える」

          Step15では実際に自分の行動を変えると言うことについて検討していく内容になっています。このワークブックを始めたときの自分と、今の自分の問題や障害を比べたとき、どれほど違いが出ているかについて確認していきます。 確認項目としては 怒りの爆発や 憤りが少なくなってきた 他人の目を気にしたり、他人に認められたいと言う行動をしなくなってきた 自分も犠牲にして、他人の世話やおせっかいをしなくなってきた 鬱に落ち込むことが減ってきた 罪の意識に悩まされたり、自分を責めたりしなくなっ

        3.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 デイビッドH.バーロウ

          【書評】10アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「自分に起こった出来事に大きな意味を見つける」

          Step14はアビューズによって学んだことを確認する作業です。かなりポジティブシンキングな発想です。いつも怒っている親がいる環境で育った場合、一般的にはマイナス面と受け取りがちになりますが、ここではそういう発想ではなく、こういった環境によって、相手の感情を察知する能力が高まったというようなプラスの面に焦点が当たっています。たとえば、こうした経験によって、看護師や医師、カウンセラーといった気持ちを読み取る必要がある職業などの成功をあげています。また心の傷を受けた体験により、不遇

          【書評】10アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「自分に起こった出来事に大きな意味を見つける」

          書評】8アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「相手をできるだけ許す」

          Step12は「相手をできるだけ許す」です。このステップでは、自分が受けた心の傷にあまりにもこだわって、からにとじこもったり、傷つけた相手をうらんだり、恨み続けていると、過去にとらわれて前に進めず、自分の成長が止まってしまうとしています。しかし、あまりに酷いアビューズを受けて、心の傷が深く、また相手を許せない人は無理にしないようにすることをすすめています。対象が親の場合多くは、子供を傷つけていこうと持っていることは少ないとしています。むしろ、その時代には当たり前であった躾や、

          書評】8アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「相手をできるだけ許す」

          1.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 デイビッドH.バーロウ

          うつや不安のプログラムは多数開発されています。それぞれにオリジナルティのある良いところがあり、またお互いが重複しているところもあります。この統一プロトコル(UNIFIED PROTOCOL)は、認知行動療法のエッセンスがうまく纏められていて、不安や鬱といった診断にこだわらず幅広く用いることができるのが最大のメリットです。内容としては不安症の治療に役立つ項目が多いように感じます。最も不安症は誰でもなりやすいものなので、多くの方に役立つメソッドだと思います。マインドフルネスやイメ

          1.【書評】「うつと不安への認知行動療法の統一プロトコル」ワークブック改定第2版 デイビッドH.バーロウ

          10【書評】「自分の行動には責任をとらなければならない」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          最後の内容になりました。最後は自閉症に限ったことではないのですが、最後にこのことを強調しているのは、テンプルらしいなと思います。ここで、レオ・カナーが「社会にもっともよく適応している人は、社会にとけ込むためにはじぶんの行動をいくらか変える必要があることを知っている人である」という報告を引用しています。自閉症の人がどれくらい自己洞察できるのかは各個人によって異なってきますが、個人的な感想としては困った感からくる自己洞察は思春期以降によくあることのように思います。しかしこれを認識

          10【書評】「自分の行動には責任をとらなければならない」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          9【書評】「とけ込むとは、おおよそとけ込んでいるように見えること」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          この9番目のルールを見たとき、何の意味かよくわからなかったのですが、内容を読むと、基本的にはマナーの重要性を説いています。テンプルは一貫してマナーの重要性を説いています。ここでテンプルは 1 明るく礼儀正しい人のほうが、世間とうまくつきあえる 2 よいマナーは必需品 3 人と人の交流は、一方通行ではなく双方向的である 4 最低でも一日に一度は仲間に挨拶をすること 5 毎日のように交流のある人とは、積極的に雑談をする 6 自分にしてほしいように、相手に接する こういった

          9【書評】「とけ込むとは、おおよそとけ込んでいるように見えること」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          5【書評】うつ病の反すう焦点化認知行動療法 外的な随伴性を調整する

          外的な随伴性を調整する:翻訳としてちょっと難しい表現になっていますが、シンプルに表現すると、「反すうするきっかけへの対応」といった感じでしょうか。ここであげているのは8項目です。 1 環境の豊かさ  感覚的刺激が少なく、退屈な環境であることが、反すうに関連するとあります。シンプルなほうが良い面もありますが、色々と変化に富むものも必要ということでしょうか。 2 一日の内の時間  一般的に反すうは朝一番と夜眠りにつく前に頻繁に生じるとあります。これについては多くの方が同意する

          5【書評】うつ病の反すう焦点化認知行動療法 外的な随伴性を調整する

          【書評】7アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美

          Step10は「自分を受け入れる」です。これはいたってシンプルで、自分自身に手紙を出すワークをします。自分を労わるのは結構難しいことです。父親がアルコール依存で母親の愚痴を子供の頃からずっと聞かされていた自分自身を労っていくような内容になるかと思います。 Step11は「自尊心をつくる」です。これはかなり分量があります。一つ目はアファメーションです。アファメーションは自分を愛し、認める行為です。子供のころに不健全な家族で育ってきたACは自尊感情が著しく低いことから、自己の存在

          【書評】7アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美

          【書評】6アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美

          Step8は「自分の新しい過去をつくる」です。ここでのワークとしては、まずは辛い時期を思い出して、本当はこうして欲しかったんだということを書き出すワークになります。これはリプロセスになりますので、過去の出来事の書き換えになります。ナラティブを書き換えることによって、過去から自由になることを手助けすることができます。  Step9は「インナーチャイルドを癒す」です。インナーチャイルドはトラウマ治療や催眠療法ではよく登場しますが、A Iに確認してみると以下のような回答でした。 「

          【書評】6アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美

          心理テスト Vineland-Ⅱ

           このテストは適応行動尺度でコミュニケーション能力(受容言語、表出言語、読み書き)、日常生活スキル(身辺自立、家事、地域生活)、社会性(対人関係、遊びと余暇、コーピングスキル)、社会性(粗大運動、微細運動)の状況を確認することができます。このテストの利点は対象者が0歳から92歳11ヶ月と幅が広いこと、状況の確認は対象者をよく知っている人(家族や介護者など)であり、対象者がいなくても実施できること、医療保険で実施できること、診断に直結するものではなく、実生活の状況の把握が主で、

          4【書評】うつ病の反すう焦点化認知行動療法 目標の設定(SMART)

          目標の設定についてはできるだけ具体的で達成可能な目標にしていくことが求められます。なんともCBT的。ポイントとしては以下のSMARTとなります。 具体的(Specific) 目標は具体的に設定されます。実際に取りくむことが可能なスモールステップに細分化されます。いつ、どこで、誰と、どのようになるかを設定していきます。 測定可能な目標(Measurable) 目標は具体的な行動レベルで設定・定義し、達成状況の評価やモニタリングが可能であるようにする。うつ病や反芻に苦しむ人は

          4【書評】うつ病の反すう焦点化認知行動療法 目標の設定(SMART)

          8【書評】「何が人の気分を害するかをわきまえる」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          テンプルによるとこうしたテーマは幼少期の早い時期に獲得した方がよいとしています。 テンプルが工夫したところは 会話を独占してはいけない、相手が興味のない話題で延々と話し続けてはいけない、誰もが安心して話せるような一般的な話題から始める、初対面の人や特に親しくない人と話す時はセックス、政治、宗教の三つは避けた方が良いなどを提案しています。 留意すべきポイントとして 状況の修復のやり方を教えたり、本人の行動が人に影響を指摘したりするときには単刀直入にするのがよいとしています。 知

          8【書評】「何が人の気分を害するかをわきまえる」自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール テンプル・グランディン ショーン・バロン著

          【書評】5 アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美

          Step7はグリークワークです。グリーフワークは嘆きの過程です。ACは幼少期に抑圧的な生活をせざるをえなかったというプロセスがあります。こうした学習が大人になっても影響を残すと考えられます。この嘆きのワークはこうした抑圧からの解放をしてくことを意味していると思います。このワークは誰かに文句を言うわけではなく、個人で泣いたり嘆いたりすることをしていきます。今まで心の奥深くに隠された苦しみ、悲しみ、辛さを今ここで出しても良いのだというメッセージを自己で受け止める作業です。 ワーク

          【書評】5 アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美