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【書評】10アダルト・チルドレン癒しのワークブック グリーフワーク 本当の自分を取りもどす16の方法 西尾和美 「自分に起こった出来事に大きな意味を見つける」

Step14はアビューズによって学んだことを確認する作業です。かなりポジティブシンキングな発想です。いつも怒っている親がいる環境で育った場合、一般的にはマイナス面と受け取りがちになりますが、ここではそういう発想ではなく、こういった環境によって、相手の感情を察知する能力が高まったというようなプラスの面に焦点が当たっています。たとえば、こうした経験によって、看護師や医師、カウンセラーといった気持ちを読み取る必要がある職業などの成功をあげています。また心の傷を受けた体験により、不遇な人に対して優しい気持ちになったり、生命の価値や崇高なものとの触れ合いができるようになる可能性があるとも記載しています。著書では「世界中の偉人と呼ばれる人たちの背景を見ると、逆境乗り越えて何かを成し遂げた人である場合が多いものです。同じ不健全な家族に育っても、それを乗り越えて、新しいより人生を築いていく人もいれば、親と同じような不健全な行動をする人になったり、 各種の障害や問題から抜け出せられなくなっていく人もいます」と書かれています。この違いについて、自分の体験をどのように転換していくかを考えていくのがこのstepのポイントになっています。また著書では「大きなアビューズを受けて育ったあなたは、それだけに大きな人間になる可能性があるのです。自分だけではなく、自分の超越した、より大きなものに触れることができ、周りの人や世界を少しでもより良いものにしていくと言う貢献ができる可能性があるのです。こういう崇高な力を スピリチュアリティーと呼びます。自分だけではない大きな愛を皆に与えていけるような目標に向かって、人間性をひとまわりもふたまわりも大きくしていきたいものです。」とあります。ここでのワークでは「子ども時代から何を学んだか」や「インナーチャイルドからの手紙」ではインナーチャイルドになって今のじぶんの成長した内容を書いていくとうことも実践していきます。そういえばビル・クリントンもかなり過酷な環境で育ってきたということを思い出しました。

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