見出し画像

「自分を変える魔法」は世界でただ一人わたしだけが使えることを知ったとき〜「わたし」が「わたし」を愛せるようになるまでの4015日(3)〜

こんにちは、pieni(ピエニ)です。「わたし」が「わたし」を愛せるようになるまでの4015日シリーズ第3章をお届けいたします。
第1章第2章もぜひ。

生きていると誰しも、大なり小なりなんらかの「壁」と感じるような出来事や状況に遭遇するときがあるのではないかと思っています。
私の場合、はじめて自分ではもうどうしようもできない「壁」を感じたのが2章に書いた、鬱状態から「どんなふうに自分の足で立って、どんな生き方をしたらいいか分からなくなった」という状況でした。

しばらく心の中の暗闇をさまよい、治療だったり、休養によってなんとか脱出したのち思ったことは「二度とあんな、薄暗い居心地の悪いような状態には戻りたくない」でした。

性格を変えなきゃいけない。変わらなきゃ同じことを繰り返してしまう。
今まで以上にそのことを切に考えるようになりました。

今回は自分を愛せるようになったきっかけの時、約11年前、人生立て直しターンが巡ってきた時のお話です。

人生を変えた表現アートセラピストとの出会い

ぐにゃぐにゃになった自分を立て直したい、変わりたい、変わらなければこの先、生きていけない。
それくらい思いつめていた11年前のわたし。
ただ、もう一人では解決策が分からない。突破口が分からない。何をどうしたらいいか分からないという焦りと、怒りの混じった気持ちで過ごす日々でした。
そんな中、当時手伝っていたアルバイトでの出会いが人生を変えてくれることになります。

私は健康で100歳まで生きたいと思っていますが、100歳を超えて死を迎えるとき間違いなく今からお話しする「人生を変えてくれた一人」を思い出すと確信しています。
そんな生き方があったんだ!と私の考え方をまるっと変えてくれた女性との出会いです。

当時アルバイトをしていた場所で「スピリチュアルフェスタ」というイベントが開催されていました。
スピリチュアルというと、なんだか怪しげなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、子育て中のお母さんや女性がキレイになったり楽しめたりする場所を創り、輝かせるという目的を持った、地域活性化の先駆け的なイベントでした。

そのイベントで出会ったのが「表現アートセラピー」を学ばれて実践されていた女性「みとさん」。

はじめは、表現アートセラピーってなんだ?と思ったのですが、説明中に「自分さがし、自分そだて」というキーワードが出てきて、私の体中にビリっと響き渡りました。

ほぼ直感だったかもしれませんが、絶対この人だ、この人のセッションを受けるべきだと感じた瞬間は、いまもありありと思いだすことができます。

今思えば、誰かに魔法のように性格を変えてもらうことはできない、自分で変わるしかないとどこかで分かっていたのかもしれません。なので「自分さがし、自分そだて」のキーワードが響いたのかも。

表現アートセラピーを受けた日のこと

はじめて表現アートセラピーを受けた日のことは、とても鮮明に覚えています。
困っていること、悲しいこと、辛いと思っていることを話していくうちに、だんだん言葉に詰まっていく。
いま、一番深くわだかまりを感じていることが何なのか言葉では表現できなくなった時に、絵を描いたり、粘土などを使って感情の形を表していきます。
感情を目に見える形にし、自分の体の外に出して、じっくり眺めてみる。
そして再びその気持ちを感じてみる。

そんなセッションでした。

この時描いた絵が下記のものです。

画像1

パッと見ただけでは、なんの絵か意味不明ですよね。

振り返ってみると、はじめに真っ黒なコールタールのようなどろりとした質感の暗い気持ちが心の底から湧いてきました。

なので、黒いクレヨンで塗りつぶしてみたのが、最初に描いた部分。

これしか思い浮かばなかったのですが、みとさんより「この黒い部分は何か言ってる?なにか気持ちを感じる?」と質問してもらい、自分の描いた絵に向き合ってみると、だんだん

「嫌な部分というよりも、なんだか一生懸命頑張っている気がする。私を守るために自分は傷ついて汚れても我慢して、なんとか上手くいくように踏ん張ってくれている」と感じました。

それに気がついた瞬間、驚いたことに長年「たった一つでいいから変えてほしい」と願っていた、私の汚い、嫌だと思っていた部分は、精一杯今を生きている、ものすごく頑張って生きている部分だったのだとスッと感じ方が変わりました。
悲しくて、かわいそうで、でもずっと踏ん張ってきてくれたことに感謝を伝えたいという感情が芽生え、ぽろぽろぽろぽろと涙がこぼれ落ちました。

そうしたら、自分を守るために、嫌われないようにしていた私の性格の一部は、一生懸命頑張っている気持ちが崩壊してしまわないように、気持ちを覆い隠しているかさぶたのように感じてきました。それを描いたのが茶色の部分です。

感情を絵で表現することで、だんだん自分への理解が深まり「切り離したかった部分」を認めたり、感謝の気持ちに変化していくのがとても不思議な体験でした。

最後に、「この頑張ってきた気持ち達がもっと居心地がいい、安全な状態になるようにしてあげるとしたらどんなイメージ?」と誘導してもらって描いたのが下記の絵です。

画像2

周りの環境にひたすら合わせようとする黒い気持ちも、嫌われないように自分を守っていたかさぶたのような茶色い気持ちも、全て許容して抱きしめることのできる、温かい気持ちを持つ自分をイメージして描いた記憶があります。

この記事を書くのにあたって、あらためてその時描いた絵を見返してみると、心地の良い絵の状態に、少しずつ近づいていっていると感じています。

たった一つの願いが一つの誇れる自信になったとき

実際に体感してみないと内容はなかなか伝わりにくいところもあるかもしれませんが、このセッションを繰り返し繰り返し受けながら、自分の考えてきたことや、自分が歩んできたときに感じたわだかまりを紐解いていきました。

画像3

いまもまだ自分との向き合い方は修行中ですが、青春時代に魔法で変えたかった大嫌いだった部分は、どんなところが嫌なのか、どうして辛いのかを見つめることに逃げないで向き合っていくことで変えられることを知りました。

これは、他のだれでもない、世界中で自分しか使えないたった一つの変化の魔法なんだと思っています。

今ではセッションを受けていなくても、なにか困ったことに遭遇した時、自分自身で今の気持ちはどんな色している?形している?というのを想像しながら、何に引っかかっているのかを感じ取れるようになってきました。

表現アートセラピーとそれを行ってくれる彼女との出会いによって、もうひとつ得たものがあります。

それは「わたしは、自身の人生を生きることにとことん真剣に向き合っている」という、たった一つ胸を張って誇れる自信。

家族にそこまで深く考えなくてもいいんじゃない?と言われることもありますが、深く考えるからこそ「わたし」が成り立っているんだと思うようになりました。
とても必要なことです。

自分と向き合う勇気と立ち止まる勇気

生きていると、何かしらの不安に襲われることは日常茶飯事かもしれません。
そんな時、漠然と恐れたり怒ったりするのではなく、今自分は何に不安や恐れを抱いているのか、何に気持ちを揺さぶられているのかを認識することが、悩みを解消するために必要なことだと思います。

自分の心情を感じ取ることが得意な方もいれば、周りに合わせ、空気を読まなければと思って過ごしてきた方にとっては、本当の気持ちに気づくことはなかなか難しいことかもしれません。

しかし、私が出会ったような表現アートセラピーであったり、ほかにも自分の心の状態を見つめてみるワークショップやセッションが増えてきているように思います。

もし暗闇に迷い、何とか脱出したい、変わりたい、進みたい…。そう思っていらっしゃる方は、いちど自分自身の気持ちに素直に向き合うことに勇気をもって取り組んでみてはいかがでしょう。

画像4

少し時間がかかっても、長い人生の中でその瞬間を大切にして立ち止まって「自分の内面を知ること」をやってみる。
それは実は、次へ進むための近道なのかもしれません。

次回、最終回は「わたし」を知って愛せるようになってきたpieniの今と未来へ!そんなお話を書きたいと思っています。

Text by  pieni(ピエニ)(丹波フィンランド大使)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?