歌詞を読む83 「 直ぐの木 」

「　直(す)ぐの木　」

山の神と海の神に
祈った　まったく　同じことを
幾年も生きたこの木の下で
ぼくはひざを抱える

「もう少し、涙の青をうすくしてください」

たくさんのかくの実抱え　たくさんの赤貝ささげ
祈った涙の分だけ　この木は育ちました
何ひとつ変わらない空の下

泣けと言われて泣くになけず
泣くなと言われて　もっと泣けず
噛み締めた唇　赤く染まる
一人になれば泣いてた

「もう少し、唇の赤うすくしてください」

たくさんのかくの実抱え　たくさんの赤貝ささげ
祈った涙の分だけ　この木は育ちました
何ひとつ変わらない空の下

山の神と海の神に
祈った　いつも　同じことを
心に浮かぶのも同じ景色
母とみてた夕暮れ

「あと少し、目に映る色忘れませんように」

たくさんのかくの実抱え　たくさんの赤貝ささげ
祈った涙の分だけ　この木は育ちました
何ひとつ変わらない空の下