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精神は体の社長

寝つきが悪い。眠りが浅い。そして加齢に伴う確実な身体の衰えに不安をおぼえては、インターネットに解決策を訪ねる。そして「朝のウォーキング」やら「ストレッチ」やら「ヨガ」などを薦められては斜に構えて、チューハイを数本飲んで床につく。私は一体何がしたいのやら。

そんな私がある日、なんか別にお酒いらなくね?と急に思い、宅飲みはやめて、その代わりにウォーキングの記録をしたり、毎日ストレッチと簡単なトレーニングをしたりしはじめた。といっても、まだ2週間ぐらいなんだけど・・・

素直にヘルスケアをしてみるか、と思えたのは、父と母の現在の差を見てのことだった。

私は父の体質を受け継いでいる。そして父はあまり運動をしない。現在父は背中が丸くなって、体はガチガチで動きにくそうだ。40代に入って太極拳を8年続け、また散歩や体操が好きな母は父と同い年だけど後期高齢者の今もシャキシャキと動けている。

今の自分がどういう体の使い方をするかで、20年、30年後の結果が変わってしまうことを親からまざまざと学ぶと同時に、父と似た生活スタイルを送り、街でビルのガラスに父と似た姿勢で歩く自分の姿が映るのを見ると、「今のままだと私も父のようになる。それは嫌だな・・・」と思い、ヘルスケアをし始めたというわけだ。父ごめん。

動機には申し訳なさがあるものの、自発的に行うヘルスケアの気持ちよさを今強く実感している。

私という一人の人間を「会社」として例えるなら、精神は社長であり、体はそれ以外の役職を担っている人材であると言える。

会社が生産するものは心臓の鼓動であり、呼吸であり、血液の循環であり、汗であり、その生産から回収するものは食事ではなかろうか。

現実でストレスを抱えながら仕事をしていた時、私はヘルスケアの効果を舐めていた。「私が求めているのはよお、そういうことじゃねぇんだよ!!」と、健康をテーマにしたパワポのプレゼンを頭の中で見てはデスクを蹴り飛ばす暴君社長であった。

そんな暴君の元で働いてきた内臓、筋肉、細胞たちよ、いままで申し訳なかったな。夜中まで働かされて、デスクでコンビニ弁当を食べて・・・。君たちは私のこころがけひとつで誠実に応えてくれるのに。

会社に何ができ、どこを向いていくのか、ブランディングを決めるのはもちろん社長である。これから体の存在に感謝を忘れず、風通しの良い付き合いをこころがけ、声に注意して、行きたいところを目指したい。

ところで父に「ウォーキングくらいしたら?」と言ったら「そうだな」と言って、ほんとにウォーキングをし始めた。その素直さは真似していかねば、と思った。



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