eiten5921

ハードボイルドの映画、小説が大好きな初老の男です。 最初に見た映画は、小学校5年生の時に、父親に連れて行ってもらった「七人の侍」でした。あのラストの戦闘シーンが忘れられず、その後ずっとハードボイルドの物語の虜になりました。そんな思い出の物語を、書いて行きたいと思います。

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ハードボイルドの映画、小説が大好きな初老の男です。 最初に見た映画は、小学校5年生の時に、父親に連れて行ってもらった「七人の侍」でした。あのラストの戦闘シーンが忘れられず、その後ずっとハードボイルドの物語の虜になりました。そんな思い出の物語を、書いて行きたいと思います。

最近の記事

俺は、くたばらねぇぞ!

夏になると見たくなる映画がある。 それは、映画「パピヨン」。1973年に公開されたスティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが共演した映画で、フランスの作家アンリ・シャリエールの実体験をもとにした同名の小説を原作の伝記犯罪映画だ。 物語は、無実の罪で終身刑を言い渡された金庫破りの男アンリ・シャリエール(通称「パピヨン」)が、南米ギアナの孤島にある過酷な刑務所からの脱獄を試みる姿を描いている。パピヨンは、偽札作りの天才ルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)と出会い、彼との友情を

    • ダーティーハリーは監督になってもハリーなのだ。

      パリオリンピック開幕前の高速列車TGVの大規模破壊行為のニュースを見て、思い出した映画がある。 イーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」である。 この作品は、クリント・イーストウッド監督が2018年3月1日に公開した実話に基づく映画で、2015年8月21日にアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリス車内で起きた銃乱射テロ事件を題材にしている。イーストウッド監督は、この映画で事件のほんとうの当事者を使い、3人の若者 に自分たち自身の役を演じさせたので話題になった。 映画は、

      • 君は、ジャッカルの日を見たことがあるか。

        先日、トランプ元大統領の銃撃事件の報道を見ていたら、SPシークレットサービスは、ライフルをかついで行動している犯人に気づいていたにもかかわらず。見失ってしまった。と報道されていた。 「ジャッカルの日」を見てないのじゃないか…。とつぶやく私に、妻は古すぎて知らないから…と笑っていた。そうだ古すぎる。 1971年創刊のフレデリック・フォーサイス原作「ジャッカルの日」今から53年前のフランスドゴール大統領暗殺未遂事件を小説化した物語である。 当時、テレビでも何度も再放送したから

        • 道後温泉営業再開のニュースを見て、思い出したこと。

          今の日本は、失われた30年といえども、めしは美味い。そして、食うに困るかといえば、社会保障もあるから、ほんとに困れば、役場に相談にいけばなんとかしてくれる。そんな贅沢をしなければ、なんとか生きていける世の中では、いいクリエイティブな作品が生まれにくいことも事実だ思う。 そんな時代にあって、NHKが15年前に、司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」を足掛け3年に渡って年末に放送するドラマを作った。 そのドラマは、こんな語りから始まる。 まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。

          映画館を出ても、チッパーベースが後をついて来る。

          皆さんも覚えがあると思うが、映画を出ると、つい主人公に成りきってしまう映画がある。それが、今日、ご紹介する「パリ警視J」だ。アラン・ドロンと二人、人気を二分してきたフランス映画俳優ジャンポール・ベルモンドのポリスアクション映画である。 パリ警視庁のジョルダン警視は、フランス最大の犯罪シンジケートの親分メカチを追っていた。マルセイユ沖で大規模な麻薬取引があるとの情報を得た彼は、ヘリで組織の船を追い、押収した麻薬を全て海に投げ捨てる。さらに危険地帯へと乗り込んで捜査を進めていく

          映画館を出ても、チッパーベースが後をついて来る。

          007は必死の番号

          007は、2021年に公開された007/ノ・タイム・トゥ・ダイで一区切りした。ダニエル・グレイグもハードボイルドとは…いま一つと正直思うが、カジノロワイヤルから何年も、よく頑張ったと思う。 しかし、私は007は小説で読んだほうがおもしろいと思う。歴代の007の主演俳優は、ショーン・コネリーしかり、ダニエル・グレイグしかり、強さと色気を非常に強調するストーリーになっているが、小説のジェームス・ボンドはハッキリいって、ドンくさい。読んでいて、え〜!ボンド何してんの?ダメじゃん。

          007は必死の番号

          コスパ・タイパはハードボイルドには関係ない。

          昔、笑い話で、友達が自転車の鍵をなくしてしまい、工具箱にあった頼りがいのない糸のこぎりで、ジミに鍵のつがいを切っていたら、映画好きの友達がよって来て、「なんだ…アルカトラズからの脱出、みてぇ〜じゃねぇ〜か?」と言われ、大笑いをしたのを覚えている。 クリント・イーストウッドの映画は駄作がない。しかも、ハードボイルドの巨匠。ドン・シーゲルとのコンビとあれば、もう何もいうことのない映画に、この「アルカトラズからの脱出」がある。 ストーリーは、サンフランシスコ湾内の島にあるアルカトラ

          コスパ・タイパはハードボイルドには関係ない。

          君よ、この憤懣した世の河を渉れ!

          世界のハードボイルドヒーローを書いてきたが、忘れてならないのは、日本のハードボイルド俳優である。昭和の頃の俳優は、青春時代を終戦後の動乱の時期を過ごしたせいか、腹が座っている人が多かった。中でも健さんこと高倉健は、男が惚れる、憧れのスーパーヒーローだった。 中学生のころだったと記憶している。なぜか忘れてしまっまが、早く部活が終わり、家に帰ってテレビをつけると、ちょうど健さん主役の「君よ憤怒の河を渉れ」をやっていた。ストーリーはこんな感じではなかったと記憶している。 健さんは

          君よ、この憤懣した世の河を渉れ!

          マインドコントロールは、あなたのすぐ側にある。

          第二次世界大戦終結後は、西側と東側に別れ、共産国家と資本主義国家の戦いになった。それは、兵と兵、武器と兵器を戦わせる肉弾戦ではなく、インテリジェンス。情報と情報を戦わせる冷戦となった。60年代から80年代初頭は、この冷戦を題材にしたスパイ映画がたくさん作られて、私の好きなハードボイルドヒーローは、スパイ、カウンタースパイを渋く演じて、魅了してくれた。 中でも、映画「テレフォン」はチャールズ・ブロンソンが、ソ連のKGB秘密捜査官を演じ、ハラハラ、ドキドキ、スリル満点の映画になっ

          マインドコントロールは、あなたのすぐ側にある。

          枯れた男の哀愁が漂う

          映画「スティルウォーター」はまったく知らない映画だった。しかし、ハードボイルド好きのユーチューバー、横道逸太郎さんが、2022年の見た映画ベスト10に、この映画を選んでいて、どんなものかと見る気になった作品である。 昨今では珍しい、枯れた男のハードボイルド役をマット・デイモンが見事に演じていて、思わず2回繰り返し見てしまった。 マット・デイモンというと、グッド・ウィル・ハンティングがあまりにも良すぎて、ボーンシリーズなど、彼にとっては、2塁打クラスの映画が多かったが、このス

          枯れた男の哀愁が漂う

          あなたはきっと、ん〜マンダムと言いたくなる。

          今はあまり見られなくなってしまったが、男と男の一騎打ちも、ハードボイルドとしては、欠かせないコンテンツだと思う。 またまた古い映画だが「デスハント」を見たことがあるだろうか?男くさい、チャールズ・ブロンソンと、いぶし銀のような俳優。リーン・マービンの一騎打ちを描いた映画なのだが、これも何度もリピートとして見たくなる映画の一つである。 闘犬で傷ついた犬を助けて、もらい受けた漁師のジョンソン(チャールズ・ブロンソン)は、犬を治療し命を助けるが、もとの飼い主が因縁をつけて、カナダ

          あなたはきっと、ん〜マンダムと言いたくなる。

          不撓不屈の精神が、ハードボイルドの原点だ。

          しばらく見ないでいると、また引っ張りだしてきて、見たくなる映画がある。それがこの映画「ナバロンの要塞」である。古い映画だが、スペクタクルの面では、今見ても十分見応えのある映画である。 原作はアリスティア・マックリーンの小説を元に描かれていて、見る者はハラハラ、ドキドキの連続の冒険活劇であるが、特筆すべきは、映画「その男ゾルバ」で有名はアンソニー・クイーン扮するアンドレアの演技が、この映画のハイライトといってもいい。 もうダメか…。と思わせる場面で、アンドレアは、歌舞伎の勧

          不撓不屈の精神が、ハードボイルドの原点だ。

          人は人を縛れない。

          第二次世界大戦は、自由と独裁体制との戦いだった。人はどんなに追い詰められても、必ず自由を勝ち取ろうとする。そんな共産国家へのプロパガンダ映画を、当時の西側諸国のオールキャストで制作したのが、映画「大脱走」である。 そして、この映画にはもう一つのテーマがある。 それは、組織の統制を守り、任務を遂行する人間と、突拍子もない自己のアイデアもち、独自の道を模索する特異な人間も潰さず、育てる伎倆がアメリカにはある。と示したのもこの映画の特徴である。 スティーブ・マックイーン扮するヒル

          人は人を縛れない。

          俺は息子に誇れるものは何もない…とダンは語った。

          若い頃、参禅をしたことがある。 趙州和尚、「無字の公案」という 最初にして、最大の難関である。 この公案に取り組んでいたところ、師家は、「自己本来の面目を考えよ。」とだけ言われた。 いま、考えても、この公案は、人生を左右する大命題だと思う。 映画「3時10分、決断のとき」は、まさしく、この自己本来の面目を描いた映画である。 主人公のダン・エヴァンスは、南北戦争に参加し、南部の人間にもかかわらず、勝ち馬に乗ろうと北軍に着き、退却戦で仲間の流れ玉に合い、片足を失ってしまう。しか

          俺は息子に誇れるものは何もない…とダンは語った。

          男は女の告白に、「お幸せに…」とだけ告げた

          ハードボイルド俳優が、メロドラマを演じたらどうなるか? 考えてみれば、ハードボイルド映画にパートナーはつきものである。だからそんな括りこそ、ナンセンスと言えるかも知れない。また、時代は更に進んで、ジェンダー平等があたりまえの社会だ。歳を重ねた者こそ、時代の変化に気づき、若い人達を応援したいと常に思う。 そんな時代の流れとは逆行して、古い「カサブランカ」のハンフリー・ボガートのように、彼女の幸せを願い、潔く身を引く男を描いたのが、この映画「プルーフ・オブ・ライフ」である。 夫を

          男は女の告白に、「お幸せに…」とだけ告げた

          生き方を見直すと、人生のホントに大切なものが見えてくる

          ハードボイルド俳優がメロドラマを演じたらどうなるか? 第4段は、ラッセル・クロウの「プロバンスの贈り物」である。 私は、人生に憂いを感じたとき、必ずこの映画を見る。 地中海性気候の乾いた空気と、南フランスの慕情感あふれる古城の屋敷。ワインをめぐる、謎めいたストーリーが大好きだからだ。 ラッセル・クロウは、「グラディエーター」「ロビンフッド」「レ・ミゼラブル」などの史劇のハードボイルドスターと言ってもいい俳優である。 そのラッセル・クロウが、休暇を取り、南プロバンスに遊びに行

          生き方を見直すと、人生のホントに大切なものが見えてくる