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大企業からスタートアップへの転身 7つの「喜び」 〜アイデミー上場にあたり、4年の総括〜

2023年6月22日に、約4年前から関与しているアイデミーが東証グロース市場に上場しました。
ビジネス人生の中で初めて経験するイベントでもあるので、久々にポストしてみたいと思い立ちました。
アイデミーの来歴や上場当日に関することは、創業社長の石川が思いのこもったNoteを記載していますので、ぜひご覧いただきたいです。

2019年4月からご縁をいただき、アイデミーに関与することになりました。
当時は、アイデミーとの雇用契約ではなく、業務委託契約を交わして週に半分程度の関与ということで仕事をし始めました。
毎週ブログを書いていたので、その履歴がこちらです。

今読み返してみると、前職(IBM)を退職し、自分の会社である株式会社Eight Arrowsで受けている仕事を軸に、世の中に役に立つことを模索していこうという希望と迷いが見える感じがします。
まだ正式にはIBMの有給休暇を消化している途中でして、アイデミーへの関与については、公式にはリリースはしてない段階だったのを思い出しました。
その後、関与度を増やしていき、1年後にはフルタイムへ。その半年後の2020年秋には取締役COOとしてどっぷり浸かることになります。
投資家やお客様、共に働くメンバーに恵まれ、それまでに経験したことのない急激な成長をメンバーと共に作っていきながら、最初は”できたらいいな”の夢でしかなかった上場にまで至ることができました。
普段は面と向かって直接は言いませんが、この素晴らしい会社を創業してくれた石川には、役員・従業員一同、心から感謝してます。

4年間を振り返ってみて、さまざまなアイデアが去来します。
ただ、現在進行形で考え続けていることもあり、また6月22日からは上場会社でもあり、発信できる内容も限られてしまうため、書いては消し、書いては消しで既にもう描き始めて何時間経ったかww
以前、書籍も書いたことがあるので、文章作成にはそこそこ自信を持ってましたが、言えないことが多いとなると、なかなか難しいものです。

あえて、僕が今発信するとすればこんなことかな、と思います。
40代の大企業サラリーマンであった僕が、スタートアップの世界に足を踏み入れた経験から、一定のキャリアを大組織で積んだ人で、”スタートアップでのキャリアも考えてみたいなあ”とか、”いいなあ、と思ってるけど、現実的には難しいだろうなあ”、と考えている人向けに有効情報を提示すること。

結論:スタートアップ転職は「アリ」です

アイデミーは、「先端技術を、経済実装する。」というミッションを実現するために、伴に走ってくれる人を募集しています。
なので、そのアイデミーを経営する僕としては、当然立場的にはスタートアップでのキャリアを推奨する側です(から、ポジショントークになります)。
実際にこの世界に足を踏み入れてみて、良いことの方が多かった、というのがここまでの結論です。
違う表現をすると、大企業とスタートアップの両方を経験してみて、学んだことが多かった、という言い方もできると思います。
この4年で経験したことたくさんありますが、そのうち7つの「喜び」を挙げるとすると、こんな感じです。

1. 創る喜び

アイデミーに移る前は、IBMという100年以上経った、40万人近い社員を抱える大企業にいたので、正直、なんでも揃ってました。
プロセスも契約書もシステムも、商品やサービスも決められていて全て世界標準。なんなら戦略も決められて降ってきます。
一方でスタートアップって、基本「何もありません」。
契約書もゼロから作ったし、価格も、戦略も、組織も、商品やサービスも作ります。無いのが当たり前。ですが、それがものすごく楽しい。
ああ、仕事ってこういうことか。って思えます。

もし、あなたが「あれが無いこれが無い」「前職と比べてこれがダメ」「会社は何もしてくれない」が口癖だったらおすすめはできませんが、自由に自分で創ることに喜びを見出す人ならば、おすすめです。

2. 自分でやる喜び

「創る」にしても、大企業で部長や課長、役員などのマネジャー職を経験した人だと、「創って」といえば、誰かが創ってくれたでしょう。
「創る」どころか「作る」すらやらなくて良いです。例えば、見積書とか契約書とか。「よろしく」と言えば、できてきます。
ですが、スタートアップはちょっと違います。
見積書も自分で作りますし、プレゼン資料も提案資料も、議事録も商談記録も全部自分で作ります。
僕の場合は、IBMで部長職でしたが、自分でも会社を持っていたので、その辺りはゼロからやる経験を同時並行していました。
このように自分で手を動かすことに抵抗がないとスタートアップには溶け込みやすいです。
スタートアップとして経験者の方を採用する側になって改めて思うのですが、やはり、現実的には一定のキャリアを大企業で積んできた人に対しては、スタートアップ側は、若干の警戒をします。
大企業の論理をそのまま持ち込まれる方が時々いらっしゃるのも事実で、それが組織にマイナスのインパクトを及ぼすことが多いからです。

3. 業績成長の喜び

スタートアップの定義とを簡単に言うと、「急拡大を前提としたベンチャービジネス」として良いと思います。
対前年比二桁成長は当たり前。倍や3倍だってありうるのです。
それまで対前年比数%を目指してしこたま働いてきた環境からすると、右肩上がりの業績グラフを見ると隔世の感があります。
絶対額は小さいですが、この急成長にも喜びを感じるものです。

4. 若い人と対等に働く喜び

大企業にも若い人は毎年たくさん入ってきます。しかしながら多くの場合、部課長ともなると直接は若い人と話す機会はありません。間にミドル層が入るためです。
しかし、スタートアップでは直接、それも対等に世代の違うメンバーが仕事をします。
僕の上司は20歳年下の社長の石川です。
IBMでは僕も20歳年上の部下の方はいたことはあります。お互い特段やりにくさは感じませんでした。
しかし逆の立場は初めてだったので、ちょっと最初は心配しました。気を使わせているんだろうな、と。他のメンバーとの関係も含めて。
最初は、モニターを運んでいるだけで、「大丈夫ですか?お持ちしますよ」と言われて、内心「いや、そこまで体弱ってないです」と思ったり。
連日焼肉の会食が入った時は、ちょっと辛かったり。
でも、そのジェネレーションギャップを楽しみながら、お互い刺激をし合うのは楽しい経験でした。
うまくやるコツは、地味ですが「さん付け」「です・ます、での会話」です。「君づけ」「命令調」にすると、見えない上下関係が成立してしまいます。そうすると、コミュニケーションが一方通行、創造性の無い会話になります。
両方が学び合いながら目標に向かうのです。
若い人の能力や意欲、瞬発力と、ベテランの経験やネットワークが活きるのがスタートアップの良さだと感じます。それが何よりも楽しい。

5. 育てる喜び

これは、上から目線に聞こえてしまうかもしれませんが、人や組織を育てる喜びが、スタートアップにはあります。
「自分でやる喜び」で書いたところから、段階が進むと、スタートアップも組織になってきます。
指示依頼をする人と、実行する人に分かれ始めるのです。
多くの場合、スタートアップは成長と共に、少しずつ大企業化していく宿命にあります。
そのタイミングで、大組織でマネジャーをやったことのある人の知恵や経験、ネットワークが活きるようになります。この能力を人や組織の成長に全集中させると、時々奇跡が起きます。
特にアイデミーでの経験ですが、個人でも組織でも、突然、驚くほど飛躍的に成長する瞬間を経験します。
半年前できなかったことが、別人のようにできるようになっていることが頻発します。
この時ほど、嬉しい瞬間はありません。
これは小さな所帯で急成長を運命づけられた組織の特徴かもしれませんが、大企業ではなかなか任せてもらえないような仕事を”やらざるを得ない”のです。自然、意思決定のレベルも上がり、責任の大きさも、相対的な価値もどんどん高まります。
アイデミーではB2Bも大きく成長しているのですが、30歳前後の社員が誰でも知っている会社の役員と頻繁にやり取りする姿が日常的です。
有名企業の役員が、会社の課題を最初にアイデミーの社員に相談してくるのです。
正直、成長せざるを得ない、のかもしれませんね。
そのサポートができているのは、僕にとっては無上の喜びです。

6. 自己効力感を感じられる喜び

40万分の1の構成員だった過去から、15分の1(今は、80分の1ですが)に変われば、貢献度は全く変わります。
自己効力感という言葉がありますが、何か(誰か)の役に立てている、という感覚は多くの人にとって大切な要素なのではないでしょうか。
IBMは、100年企業。40万人の一人である僕が突然やめてもビクともしません。なんなら、社長が1週間寝込んでも特に変わらないでしょう。そういう風に作り込まれているからです。(もちろん、その良さや意義は十分すぎるほどあります)
ですが、スタートアップは違います。
自分の動きが、会社の命運に直接ヒットする。あの意思決定が今のこの事業につながっている、と思えるのです。
(見方を変えると、一人の動きによっては、会社が吹っ飛びそうになることさえある、という言い方もできます。)

7. 自分が成長する喜び

アイデミーへの関与を決めた頃のブログを先ほど引用しましたが、久々に当時考えていたことに触れてみると、まだ若いなあ、と感じますwww
当時もそれなりに老成していたし、今は若い人と仕事をするのでむしろ若返ったところすらありますが、それを考えても、だいぶ成長している実感はあります。
40代超えても成長してるわけです。
勉強も昔以上にするようになったし、学生時代を含めても今の方が読書量は圧倒的に多いです。2日に一冊くらい!?(文明の利器が使えるからですが)
最近はこんな本を読みました。この本に関する、中国古典の専門家の方の講義も聞きに行きました。

リーダーシップの本と定義されていますが、No.2として皇帝に進言し続けることの価値を唱えた本、とも解釈できます。
実際には、おそらく僕はIBMにいても何らかの形で成長し続けただろう、という自負はあります。
が、No.2の自覚や社長目線というのは、本社のあるNew Yorkから遠く離れた日本ではなかなか持ちづらかった経験があります。
自己効力感の項にも書きましたが、小さな組織ではその気になりさえすれば、常にトップ目線で考えたり行動したりすることが可能です。なんでかというと、トップが見える範囲にいるからです。
自ずと成長速度や最高到達点も変わってきますよね。

(おまけ)スタートアップも給料悪くないらしい

大企業でそこそこキャリアを積んだ人の悩みの一つって、やはり報酬面なのかもしれません。
ちょっと前、こんなデータが出回りました。
諸々条件はあるので、一概にはいえませんが、要するに大企業とスタートアップが普通に選択肢として並んだということだと解釈しました。

だから、一緒に働きましょう。

スタートアップで働くことは、たくさんの喜びがあることがわかってもらえたと思います。
あえて、大企業である程度キャリアを積んだサラリーマンの皆さん向けに書きましたが、全ての世代にも当てはめられる「喜び」でもあると思います。
アイデミーでは、次のステップに向けて、伴に走ってくださるメンバーを大募集中です。
リンク先にもいくつかの募集職種を掲載しています。ここに書いていないポジションでも我こそは、とか「こんな事業やりたい」という方がいらっしゃれば大歓迎です。
是非とも一緒に働いていただけましたら!





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