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FastLabel、パーパスを制定しました。

はじめに

みなさん、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。FastLabel株式会社の上田です。久しぶりの投稿になります。昨年よりこのnoteを出せる日を楽しみにしていました。

この1月でFastLabelを創業してから丸3年が経ちました。このタイミングでFastLabelは、新しくパーパスを制定します。今までのFastLabelのミッションである「AI革命のインフラになる」という土台をもとに、今回アップグレードする形で制定しています。

このnoteでは、パーパス制定に際しての想いを綴ることで、お客様、現在・未来の仲間、投資家の皆様に向けてFastLabelの社会における存在意義を少しでも感じて頂きたいと思っています。

パーパス制定に至る背景

FastLabelの創業時からのミッションは「AI革命のインフラになる」です。これからAIによる産業革命が起こっていく未来において、良質なデータを提供する基盤となることで、企業のAI革命を支援しようという想いを込めて作った、創業時のメンバーとそれなりに考え抜いて作った言葉でした。

しかし、ある日、採用やお客様との商談、社内の雑談、投資家との会話で、「FastLabelが目指している社会ってどんな社会ですか?」「AI革命のインフラになってどういう世界を実現したいのか?」という質問が飛んできました。

そのとき、相手がピンときていないことに初めて気づきました。たしかに、AI革命のインフラになる、と説明しても多くの方にとってAI技術は馴染みのない領域で、日常ではあまり目に見えなかったり、触れなかったりします。そのため、説明をしても共感されなかったり、何を言っているのかの説明が必要になったりすると感じたのが、今回のパーパス制定プロジェクトのきっかけです。

なぜミッションではなくパーパスなのか?

FastLabelは2020年1月に創業し、2022年にはシリーズAで4.6億円の資金調達を実現しました。これから事業規模はどんどん拡大し、2024年にはメンバーは50名を超える組織に進化します。サービスをご利用いただいているお客様も日本を代表する企業様が多く、本当にうれしく思います。

導入企業一覧(一部抜粋)

しかし、先ほどもお伝えした通り、多くのお客様から指示頂いているものの、いまいちFastLabelという会社が提供する価値や目指すべき世界観が伝わっていない、という違和感がありました。

FastLabelの事業領域は、BtoBかつアノテーションと呼ばれるAIの中でもデータに特化をした非常にニッチな領域です。そのため、サービス単体ではエンドユーザーに対する価値提供は難しく、多くの方からみたときには共感を呼びにくいものでした。

2020年にFastLabelを創業して、この3年間事業をやってきた中で、FastLabelの課題に「何をやってるかわかりにくい」、「ニッチな領域のため、エンドユーザーに価値を届けるにはパートナー企業が必要」というものがありました。また、これから急速に成長する発展途上の市場のため、長い時間軸で世の中を変えていく必要があり、腰を据えてしっかりやり、企業や人々に信頼され、愛され、応援される存在でないとこの事業は成り立たないという前提があります。そのため、このような課題を解決するために、FastLabelは社会においてどのような存在意義を出して、どのような貢献をするのかを、多くの方が共感するような言葉で掲げる必要性があると感じました。

Software Ate The World, Now AI Is Eating Software

ここで少し個人的な話になりましたが、私は昨年30歳になりました。私たち日本育ちの20代〜40代は、物覚えをついたときから一度も好景気というものを感じたことがない世代です。1990年前後から、2022年現在まで名目GDPは全くと言っていいほど伸びておらず、アベノミクスのような経済政策もありましたが、経済成長している実感はありません。まさに日本の失われた30年のど真ん中で生きています。ではなぜ、30年で世界とこのような差がついてしまったのでしょうか。

この30年間でもっとも大きな変化は、ソフトウェアの進化です。インターネットの普及によりGoogleやFacebookなどToC向けのアプリケーション、EコマースのAmazonから始まり、2000年代からはクラウドサービスの普及なども進み、ToB向けの領域でSalesforceやSlackなど多くのIT企業が輩出され、平成の30年間で世界の時価総額ランキングも大きく変わりました。

参照:ダイヤモンドオンライン

まさにソフトウェアが世界を席巻した30年間でした。では、これからの30年で世界を席巻する技術は何だろうか。それがFastLabelを創業するきっかけでした。

ブロックチェーン、量子コンピュータ、メタバース、VR・ARなど、さまざまな新しいテクノロジーが存在します。その中で、これからの30年間で、私たちが日々利用するサービス、既存産業でもっとも深く浸透する技術は間違いなくAIだと考えています。

AI技術は、2012年のImageNetを使ったCNNに始まり、革新的な技術進化が次々と起こり、特定の領域では人と同等の性能を発揮しました。2015年にはGoogle DeepMindによって開発されたコンピュータ囲碁プログラムである「AlphaGo」は、人間のプロ囲碁棋士をハンディキャップなしで破っています。

AI関連の論文は年間10,000件以上も執筆されており、さらに急速に進化しています。昨年末はOpenAI社によって、ChatGPTというチャットボットサービスが公開され、その会話精度の高さが話題となり、公開から1週間も立たず100万人のユーザーが登録するという驚異的な成長を遂げています。Microsoft社は、OpenAI社に約1.3兆円の投資を行なっており、同社の技術への期待の高さが伺えます。

2021年までは、テキスト入力や音声書き起こしなど単純作業やルーティンワークの分野でAI技術が使われることが一般的でした。しかし、ChatGPTに代表される近年の大規模言語モデルのAI技術の進化によって、ホワイトカラーが担う知的労働の相当な部分が自動化、リプレイスできる可能性があります。また、Stable Diffusionなどに代表される画像生成や動画生成など生成AI技術の発展により、コンテンツやアニメーションの作成、アート作品の創造などクリエイティブな領域にも進出してきています。

このようなAI技術を使ったソフトウェアが、今後急速に普及していきます。「Software Ate The World, Now AI Is Eating Software」と言われており、これからの30年間であらゆるソフトウェアにAI技術が使われるようになります。AIを中心としたユーザー体験を設計することが、企業が世界で勝ち残る上で必要不可欠になります。(Google Brainの共同設立者のAndrew Ng氏の「AIの好循環」を図示したのが下記です。)

ML中心のプロダクト設計

FastLabelは何のために存在しているのか

しかし、このようなAI技術の急速な発展にも関わらず、世界の企業と比較して、いまだ日本企業、既存の産業ではAIの活用が進んでいない、またはその本来の強力な力が発揮出来ていないのが現状です。

AIはアルゴリズムとデータで構成されていますが、日本でAIの実用化が進んでいない原因は、AIの基礎となるデータが不足していたり、その質が低いためです。どんなに良いエンジンを積んでいる車でも良い燃料がないと動かないのと同じです。最先端のアルゴリズムを搭載したAIを導入したものの結局手作業で処理をしている、そのアウトプットの精度が低いなど、良質なデータが不足していることが、AIの社会実装のボトルネックになっています。

FastLabelは、日本でも数あるAI企業の中でも、アルゴリズムではなくデータに特化した非常にユニークな存在です。私たちは、AIの基礎となる良質なデータを供給し、現実世界とAIの間を埋める基盤になることで、AIの社会実装を促進します。

日本の失われた30年を取り戻すためには、次の大きなテクノロジーの変化に賭ける必要があります。私たちはそれがAI技術だと考えています。FastLabelは、良質なデータを供給するAIインフラを創造することで、日本企業、および産業を再び「世界レベル」へと押し上げるために存在しています。

バリューも新しく制定しました

また、パーパスの制定にあわせて、その実現に向けて、Fastlabelが大切にする根本的な価値観・基準を表す、「バリュー」を定義しました。

Deliver Results, Bet on Technology.
パーパスを実現するために私たちは「成果」と「テクノロジー」にこだわり、3つのバリューを大切にしています。
1)Customer Geek
2)Issue Driven
3)No Buts

FastLabelのバリュー

Customer Geek

私たちの成果が何かを定義しています。FastLabelは、お客様の成功が私たちの成功であると考えており、誰よりもお客様のことを理解し、お客様の信頼に足る存在であり続けるために行動します。

そのためFastLabelでは営業やカスタマーサクセスチームの方だけでなく、開発者も直接お客様とコミュニケーションを取り、お客様の課題や業務理解を深めながら、より便利で愛されるプロダクトの提供に向けて全員でお客様に向き合って行動します。

Issue Driven

私たちは日本を世界レベルへと押し上げるために存在しています。そのためには、まず私たち自身が世界レベルに追いつく必要があります。問題が発生したときに立ち止まらずに、最短最速で成果を出すため、本質的な課題のみを解決していきます。

また、圧倒的な成果を出すためには、テクノロジーによる課題解決が必要不可欠だと考えています。開発だけに留まらず、営業やカスタマーサクセスチームの方も、お客様の課題を解決するために必要な、新しいテクノロジーをキャッチアップし続けます。

No Buts

最後に、AI技術は世界的にみても未成熟で、数年単位でAI元年と呼ばれるほど進化が激しい領域です。そんな中、AIインフラを創るということは、まだ誰も整備していない道をフロントランナーとして走ることを意味しており、前人未到の挑戦に困難はつきものです。

そんなときに、私たちは直面した困難を乗り越えられる壁と捉えて、できない理由を考えるのではなく、できる理由を考え続けます。先が見えない中でも、自分たちで、お客様や私たち自身の可能性の限界を狭めず、成果に向けて行動し続けます。

最後に

FastLabelでは、昨年シリーズAの資金調達や、パーパスとバリューも新しく制定し、まさに今第2創業期を迎えております。そんなFastLabelでは一緒にAIインフラを創造し、日本を世界レベルへと押し上げる仲間を絶賛募集中です。(マーケ、営業、カスタマーサクセス、エンジニア、経理などあらゆる職種で仲間を募集中で、事業の拡大に組織が追いついていない状態です・・!)

採用ページ

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