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【これは覚えよう】物質量(化学・化学基礎)


「これは覚えようシリーズ」とは

教科書や参考書を見ても、結局何を覚えれば良いのか、これだけで十分なのか不安であるという経験をしたことがある人はいると思います。私もそのような経験をしたため、「これは覚えようシリーズ」として、まとまった情報、知識を記事として書くことにしました。もちろん基本的にはこれだけの知識で良いと考えていますが、さらに高度な知識も応用問題には必要かもしれません。まずは知っている知識かどうか、こちらの記事で確認してみましょう。

物質量とは

物質量とは物質の量を表す単位であり、[mol](読み方:モル)で表す。
最初は聞き慣れないかもしれませんが、りんごなら「個」、鉛筆なら「本」というように、化学では、「水1[mol]」などと、水の量を表します。[mol]は非常に重要な単位であり、化学の中で物質どうしの量を比較する際には物質量[mol]で統一します。様々な物質の様々な形態に対しても、物質量[mol]が使用できるため非常に便利です。
以下の表に物質量との関係を示しました。これらを用いて物質の量を物質量[mol]で統一して問題を解きます。

物質量との関係

具体的には、
原子の数が6.02x 10^23[個]集まれば、その量は1[mol]となります。これは全ての原子や分子で成り立ちます
モル質量は、原子量、分子量、式量と同じで、各原子や分子に固有の値を持ちます。つまり炭素の場合、モル質量(原子量)が12[g/mol]と決められており、炭素12[g]があれば、それは1[mol]の炭素の量であることに相当します。
モル体積は0[℃]、1[気圧]の条件下であらゆる気体に当てはまる、体積の量であり、0[℃]、1[気圧]で酸素が22.4[L]あれば、それは1[mol]の酸素の量であることに相当します。モル質量は各原子等で決まっていますが、モル体積は全ての気体で成り立ちます

下の図で変換の仕方を確認しておきましょう。

単位変換のまとめ

計算例

1) 原子量がH=1、O=16の時、水36[g]の物質量は何[mol]か?
 →水H20のモル質量が1+1+16=18[g/mol]であるから
  36[g]÷18[g/mol]=2[mol]
2)炭素原子1.8 x 10^23[個]の物質量は何[mol]か?ただし、アボガドロ定数は6.0 x 10^23 [個/mol]とする。
 →1.8x10^23[個]÷(6.0x10^23)[個/mol]=3.0x10^-1[mol]
3)0℃、1気圧における2[mol]の酸素の体積は何[L]か?
 →22.4[L/mol]x2[mol]=44.8[L]

応用(密度)

0℃、1気圧における酸素の密度を求めてみます(原子量がO=16)。
0℃、1気圧の1[mol]の酸素の体積は22.4Lであり、この22.4[L]にどれくらいの重さの酸素分子が存在しているかというと、酸素分子の分子量がO2=32[g/mol]であるから、1[mol]の酸素分子の重さは32[g/mol]x1[mol]=32[g]であり、よって密度は
32[g]÷22.4[L]=1.4[g/L]となる。


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