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緑の風に吹かれて【日常エッセイ】

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自由気ままに書いたココロのエッセイです。
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2019年7月の記事一覧

死後とその幸せと。

死後とその幸せと。

これは昔のことだけど、妻の親戚のおじさんが、入院先の病院で亡くなったとの知らせを受けたことがあった。

癌だったそうだ。

本人は知ってたかどうか知らないけれど、亡くなるその数カ月前に、ある機会があって、妻が久しぶりにおじさんに会ったとき、ご馳走になったり、お土産をくれたりと、いろいろと良くしてもらったらしく、妻は「そんなにしてくれなくても・・・」と遠慮がちに言ったのだそうだけど「いやぁ、でも、会

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写真日記とその出会いと。

写真日記とその出会いと。

街で見かけた綺麗な花を、私がカメラで撮っていたとき、一人の美しい少女が家の庭に現れた。どうやらその花の持ち主のようだった。少女は少し驚いて、それでも小さなかわいい声で「こんにちは」とかすかに頬を染めながら、私に挨拶をした。思えばそれが初めての二人の小さな出会いだった。

・・・と、書きたかったのだけど、
現実は違っていた。

出会った相手はおっさんだ。しかも強面の。

しまった。空き地に咲いている

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遠慮のない彼女と同じ数の笑顔と。

遠慮のない彼女と同じ数の笑顔と。

「スーパーで接客してきたよ!」

買い物から帰るなり、奥さんは元気よく私に言った。もちろん彼女は客として買い物に行ったのであって、店員としてではない。けれども彼女は、売場でよく知らない人に声を掛けられる。

「これはいくらなの?」おばあさんが、彼女にそう尋ねたそうだ。

「はいはーい!」と彼女はいつものことなので元気よく応え「えーとですね、これは98円ですねー」と教えてあげる。その他にもいろいろと

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はじまりはいつも雨。

はじまりはいつも雨。

昔、飛鳥さんが歌っていた「はじまりはいつも雨」を聞いてると、なんだか甘酸っぱい想いに駆られる。私の中で忘れた記憶が(淡い恋心か何かか?)がどこかに潜んでいるんだろうか。

もうカラオケには10年以上も行ってないけど、決まって私は「そして僕は途方に暮れる」(大沢誉志幸さんの歌。作詞は私の好きな銀色夏生さん。)とこの「はじまりはいつも雨」を、あの頃よく歌ってた。

長いタイトルが好きなのか?なんてこと

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