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「オープンイノベーションを活用すれば、観光資源のない地方でも新たな事業が創出できる」―自治体支援を担う野田の”地方創生にかける思い”

eiiconではたらく様々なメンバーにインタビューする#eiiconなひとびと 。今回は、自治体・公共支援チームのリーダー・野田慎介が登場。

以前はIT企業でビッグデータを活用し中央省庁や地方自治体の観光動態分析などに携わっていたという野田。そんな彼が、eiiconというスタートアップで働こうと思った理由とは?さらに、自治体・公共領域のセールス/コンサルタントという職種のやりがいや、一貫して「地方創生に貢献したい」という野田の思いについても語ってもらいました。

エンタープライズ事業部 自治体・公共支援グループ セールス/コンサルタント野田 慎介
新卒で広告代理店に入社後はTV、新聞、雑誌のメディア営業に従事。転職後は、ポイントカードの会員基盤やID₋POSデータを用いたDBマーケティング会社にて、広告営業・プロモーションプランニング・アライアンス営業・コンサルティング等あらゆる職に従事。その後、事業会社の新規事業部門にて広告事業の立ち上げや、中央省庁・地方自治体向けに位置情報ビッグデータを活用した観光動態調査レポートのセールスマネージャーを経験。2021年にeiiconに参画、エンタープライズ事業部インキュベーションセールスとして自治体・公共向けにオープンイノベーションの企画・実行支援に従事。また、リーダーとしてチームをけん引している。

地域に貢献する仕事に挑戦したい

――まずは、野田さんのキャリアについてお聞かせください。

小さな広告代理店に入ったことがキャリアのスタートです。その後は規模の大きな広告代理店、そしてポイント事業を展開する企業や、IT企業に在籍していました。IT企業では位置情報を使って人の動きを分析し、そのデータを活用した新規事業の立ち上げを経験しました。その会社には4年ほど在籍し、その後別の会社で新規事業に携わるなどしてeiiconに転職しました。

――なぜ、転職先としてeiiconを選んだのでしょうか?

eiiconを選んだきっかけの一つは、以前在籍していたIT企業で地方創生に関わる新規事業を経験したからですね。地域に貢献することに自分の仕事の価値を見出していたんです。eiiconでも、そのような仕事を手がけられると思いました。

――なぜ、地域に貢献する仕事に携わりたいと考えたのでしょうか。

それは、幼少期までさかのぼります。生まれは神奈川ですが、育ったのは千葉県の沿岸エリア。海が近くて住みやすい地域が、この20年で綺麗に整備されたんです。街が成長する姿を見て、「将来、人が集まるような街づくりに携わりたい」と考えるようになりました。また、父方の実家は宮崎県で、そこにはいわゆる田舎らしい風景があり、その良さを社会に伝えていきたいと漠然と考えていました。そのような思いを以前勤めていたIT企業で新規事業という形で仕事にすることができたんです。

実際に、その新規事業では位置情報マーケティングを行い、観光客の滞在時間を延ばして、現地でお金を使ってもらうための施策支援ができ、街づくりの喜びを実感できました。高知市、沖縄県うるま市、岩手の三陸地方、神奈川県の小田原市など、さまざまな地域に貢献する仕事を手がけましたね。

観光資源がなくても、オープンイノベーションの力で新たな事業・産業を生み出せる

――転職活動をするなかで、eiiconを選んだ決め手をお聞かせください。転職における譲れない「軸」があったのでしょうか?

eiiconを選んだ決め手は、いろんな意味での「会社の若さ」。率先して動けるかどうか、一定の裁量権を与えてくれるかどうか。このあたりがまず応募の基準でした。

また、先ほどお話ししたように地方創生に携わる仕事ができるかどうかも、大切な軸でした。観光で地域を盛り上げたいと思っていても、それはあくまでも観光資源を持っている地域に限られます。しかし、eiiconはオープンイノベーションを通じて、観光資源を持っていなくても、新たな事業や産業を生み出していくことができる。つまり、観光資源の有無を問わず、全国どこでもeiiconのサービスを提案することは可能です。それは、地方創生に携わりたいという自分に、新たな気付きと可能性を与えてくれるものでした。

――eiiconの他にも転職先の候補となる企業はあったのですか?

いくつか受けましたが、条件が合わなかった企業もあります。他の企業と比較して、eiiconの採用は意思決定が迅速でした。さらに、代表の中村は若いし、eiiconのHPでメンバーの顔ぶれを見てもみんな私よりも若い(笑)。そんな雰囲気から勢いのある組織だということが伝わってきました。

実際、私の個人的な要望として、なるべくはやく採用の合否を判断してほしいと伝えたら、本当にスピーディーだったんです。応募から内定まで2週間程度だったと思います。面接における意思決定が遅い会社は、業務スピードにも反映すると思っていたので、そういう意味では決定を後押しするのに十分なスピード感でした。また面接を通じて、eiiconの経営陣と同じ目線で話せたのも大きかったと思います。

――eiiconに転職後、印象的な仕事についてお聞かせください。

2021年度に実施されたスポーツ庁の「スポーツオープンイノベーション推進事業(地域版SOIPの先進事例形成)」や、宮崎県の「デジタル・イノベーションフィールド構築事業」を支援したことは印象に残っています。

宮崎県の事業においては、全国のパートナー企業と宮崎に根差した企業によるビジネス創出を目指すプログラム「MIYAZAKI DIGITAL INNOVATION BUSINESS BUILD」を実施しました。その中で、地元企業であるテレビ宮崎さんと東京の教育系スタートアップであるStudy Valleyさんによる「地域に根差した探求学習を用いた新しい地域価値創造」という共創プロジェクトを支援し、成果発表会では参加者の支持をもっとも集めた『オーディエンス賞』を受賞することができました。

この共創プロジェクトでは、マネタイズができるかの実証実験も行い、それが可能だということも検証した上で事業化に向けて進んでいます。そうした取り組みがきっかけとなり、6月にはテレビ宮崎さんとStudy Valleyさんの業務提携が発表されました。

このように、宮崎県にとっても新たな試みに関わることができたのは、大きなやりがいになりましたね。eiiconに転職後、こうした経験を通してオープンイノベーションは地方創生に有効な手法だということを実感しています。

▲2022年3月に開催された「MIYAZAKI DIGITAL INNOVATION BUSINESS BUILD」成果発表会の様子(※プレスリリースより引用)。野田が支援した共創プロジェクトが『オーディエンス賞』を受賞した。

――仕事を通じて、オープンイノベーションの可能性を実感する場面もあったのではないでしょうか。

そうですね。自治体にはそれぞれの課題があり、宮崎県の場合は県内の企業数が減っているという現状がありました。県内外の企業を繋ぎ、新規事業を創出することは地域課題解決のための選択肢の一つとして有効だと感じています。オープンイノベーションが地域活性のための手段として、ひとつの選択肢になると思います。

―― 一方で、官公庁や自治体が運営するオープンイノベーション事業の支援を通して見えてきた課題点などはありましたか。

各地域の取り組み自体はとても素晴らしい。ただ、それをどうマネタイズして、安定的に持続できるかはこれからだと思いました。

オープンイノベーションという手法を用いて地方から新しい事業を創出するという社会的価値は重要ですが、それをお金に変えないと、新規事業の継続はできません。オープンイノベーションによって生まれた新規事業を安定運営させること。まさにそれこそが自分のやるべき仕事だと実感しています。そして、それができるポジションにいることがとてもありがたいと感じていますね。

長期的視点を持ち、自立的に行動できる方と一緒に働きたい

――野田さんが見据える今後のビジョンやチャレンジしたいことについてお聞かせください。

2022年度に入り、神戸市のオープンイノベーション・マッチング事業を受託しました。政令指定都市である神戸市のように大きな自治体を支援する体制を、私たちが主導しながら構築し、推進しています。

神戸市の事業に限らず、全国各地の大手企業から地元の企業までが当社のサービス(AUBA)を利用してくれるようになれば、オープンイノベーションを通じてより大きな事業創出が実現できるでしょう。AUBAの利用価値を広めながら、地域に貢献する仕事に挑戦していきたいですね。

――それでは最後の質問です。野田さんがリーダーを務める自治体・公共支援グループでは、どのような方が活躍できますか?

待ちの姿勢ではなく自分から動ける方ですね。人数が少ないので状況に合わせて考え、自立的に動いてほしいと思います。

また、自治体案件は受託するまでが長い。アプローチしてから予算を取るまでに1年半の時間がかかる場合もあるので、長期的視点でビジネスに取り組めることがマストになります。もちろん、プロポーザル経験があれば嬉しいですが、ある程度の知識があれば問題ないと思います。ぜひ、私たちと共にオープンイノベーションを通じて地方に貢献する仕事を手がけていきましょう。

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