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若い人たちはファッションのためまたは個性を主張するために茶髪(金髪)にしたりひげを伸ばしていたりします。これは個人が楽しむには別に構わないと思いますが、その人が会社に勤めている場合には話が変わってきます。

東谷山家事件で、「企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまるというべく、具体的な制限行為の内容は、制限の必要性、合理性、手段方法としての相当性を欠くことのないよう特段の配慮が要請される」と判決が出ました。

つまり会社の円滑な運営を妨げるようなこと、たとえばお客様からクレームが出るとか取引先から注意があったとか相手に対して客観的な事実が必要でありそのようなことがあった場合には 茶髪を戻したりひげを剃ってくるように命令することができます。

✅懲戒処分について

会社としては採用の段階から茶髪や服装を禁止にしているということを労働条件として明示してそれでも構わないという人だけ入社させるとトラブルはある程度は防ぐことができます。

入社後に態度が変わり茶髪やひげを生やす従業員が出てくる可能性があります。茶髪やひげは禁止しているのにまだ改善しない従業員に対してはまずは口頭で注意してそれでも改善されない場合には始末書の提出、出勤停止などの処分を行います。このような手続きを取ったとしてもなお改善がみられない場合には解雇を行います。

この場合、会社が業務として茶髪やひげを禁止したことを命令したということ客観的に分かるように文書として保存しておくとトラブルを回避できます。 

✅就業規則の規定について

茶髪やひげを禁止を業務命令として規制するためには就業規則への明記が必要になります。就業規則への記載については

1 茶髪、ひげおよびピアスを禁止する規定
2 誠実に業務を行う規定
3 規定を守らない場合には懲戒処分があるという規定

この3つは最低限必要となってきます。 

✅茶髪やひげの懲戒処分に関する判例

●東谷山家事件(平成9年福岡地裁小倉支部)
労働者の髪の色・型、容姿、服装などといった人の人格や自由に関する事柄について、企業が企業秩序の維持を名目に労働者の自由を制限しようとする場合、その制限行為は無制限に許されるものではなく、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまるものというべく、具体的な制限行為の内容は、制限の必要性、合理性、手段方法としての相当性を欠くことのないよう特段の配慮が要請されるものと解するのが相当である。

●イースタン・エアポートモータース事件(昭和55年東京地裁)
従業員は、労働契約を締結して企業に雇用されることに伴い、労働契約に定められた労働条件を遵守し、その義務を履行することは当然である。従って、企業が、企業経営の必要上から容姿、口ひげ、服装、頭髪等に関して合理的な規律を定めた場合、右規律は、労働条件の一となり、社会的・一般的に是認されるべき口ひげ、服装、頭髪等も労働契約上の規制を受け、従業員は、これに添った労務提供義務を負うこととなる。
「ヒゲをそること」とは、第一義的には右趣旨に反する不快感を伴う「無精ひげ」とか「異様、奇異なひげ」を指しているものと解するのが相当である。

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