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桂離宮 《4》

松琴亭を発ってしばらくは「峠道」が続く。
沼沢を苔むした木橋で渡ったかと思えば、まるで自然の山の中のように樹木が生い茂る道をアップダウン。
「歩き旅」の演出なのだろう。

振り返れば、木の間越しに松琴亭

賞花亭(しょうかてい)にて小休止。
園林堂(おんりんどう)では仏を想う。

賞花亭の軒先にて
リズムと破調が混在した敷石
園林堂は、庭内では異色な瓦葺きの建物

笑意軒(しょういけん)は、松琴亭に勝るとも劣らない、渋い外観のお茶室だ。
しかも、全体の雰囲気づくりや、さりげなく散りばめられた意匠の数々に接すると、実は笑意軒こそ、桂離宮の裏ハイライトではないかと思えてくる。
開け放たれた障子の向こうには、桂の里の鄙びた借景が広がる。

笑意軒の前は船着き場になっている。

桂離宮の中核で、もっとも大規模な建築物である書院は、残念ながら修繕期間中だったため、全容を拝むことは叶わなかった。

書院のうち新御殿と呼ばれる部分

最後に、月波楼(げっぱろう)。
雅な名前の建物の内部からは、池の緑を挟んで、静かに佇む松琴亭の姿を望むことができる。
かつては客人同士、互いに手を振り合ったりして楽しんだのだろうか。

別の窓から外を

今回、初めての経験だった桂離宮探訪。
事前の知識と目の前の実際を照らし合わせるのに夢中で、あっという間に時間が過ぎてしまった。

季節を変えて再訪してみたい。
そのときはきっとまた、新しい気づきに出会えるだろう。

桂離宮の周辺では、景観保全の取り組みがなされている。

(訪問日:2022年10月2日)


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