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心のnote|エッセイ・創作

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「きっと、誰にも、聞こえない。」 そんな心をふと、垣間見る。
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#ショートストーリー

堂々巡り

堂々巡り

うだるような灼熱の日差し、喉を焼き切らんとする真紅のスープ

それらはまるで延々と続くかのように錯覚させ、人の手を一掬いの水へと誘なってゆく

その一杯が、さらなる業火を自ら招き入れるものだとしても

24時45分

24時45分

なんとなく時計を見た。

日時で言えば、今日は昨日になったあと。

そういえば何も食べていないなと気付いた途端、お腹が鳴った。
誰が聞いているわけでもないと、頭ではわかっていても気恥ずかしさがするすると詰め寄ってくる。

少しばかりの元気を糧に、何かないかと冷蔵庫を漁る。

最近、定番と化しているローソンの冷凍チャーハンをレンジにかけている間、500Wで4分半。

この前、実家に帰った時に元自室か

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いま、残業の気分です。

いま、残業の気分です。

「おつかれさまです」

いつもなら18時ごろのセリフも
今日は19時過ぎまでおあずけだ。

もう一人が早上がりしたとわかって
あと一仕事しようと心に決めた。

今日はあの人ももう上がりそう。

「おわったー」の声が聞こえるや否や
パタリのノートを閉じる。

いそいそと片付けをする私に
日常モードの彼からの誘い。

「このあと、ごはん行かない?」