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産後女性を支える「ナーシングドゥーラ」さんが来てくれてから、妻の笑顔が増えて僕は嬉しい!

中編では、妻と僕がご近所さんやベビーシッターさん、家事代行さんなど家族以外の人たちの手を借り、「チームで子育て」を実践してきたことについて書きました。

子育てに関わる人の数を増やそうと思ったのは、夫婦が家事と育児を「やらない時間」を定期的につくることで、お互いの心のゆとりを持つためです。

好きで結婚して、大好きなパートナーとの間に子どもを望んだのに、毎日の忙しさで「結婚して人生をともに歩もうとした想い」を忘れてしまうのが嫌だったんだ。

次男が生まれた後も、引き続きいろんな人を頼る子育てを続けていくつもりだったのだけど、3歳の長男と違って新生児の次男のケアをできる人の数は相当に限られていました。

生まれたばかりの赤ちゃんには、うつぶせ寝や突然死などのリスクが高いので、お世話をするにはスキルが求められるんだ。

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赤ちゃんの沐浴(お風呂)やオムツ変え、ミルクといったケアのほか、産後の妻の体調の相談にも乗れて、料理や掃除といった家事もサポートしてくれる。「そんな人がいないかな…」と思いながらネットで検索していたところ、まさに僕が理想とするサポートを行ってくれる人を見つけました!!

それが、「ナーシングドゥーラ」(nursing doula)と呼ばれる職業に就いている人たちです。

ナーシングドゥーラとは、産後の女性の自宅に行き、家事や育児を含め家族全員の生活をサポートする看護職のこと。

「産院の退院=無理してOK」ではありません。産後の女性の心身はデリケートだし、体の回復には時間がかかります。この状態で家事と育児をひとりで引き受けて無理を続ければ、心身のバランスは瞬く間に崩れてしまう。

長男が新生児だったとき、僕は「妻は退院すればもう大丈夫だろう」と思い込み、本来ならたくさんのケアが必要な時期にもかかわらず、妻にいろんなことを任せきりにして無理をさせてしまいました。結果、妻は完全に疲弊してしまったんです。

当時の行動の反省もあって、次男出産後には妻が休める環境づくりは僕のミッションでした。だからナーシングドゥーラを知ったときには、「僕が求めていたのはこれだ!!」と思って、嬉しかったよ。

そうそう、ドゥーラ(doula)はね、産後の女性の身の回りのことをサポートする女性のことを言うんだ。海外で発達した職業なのだけど、日本でもドゥーラとして活動する女性はいるんですよ。ネットで「ドゥーラ」や「産後ドゥーラ」と入力して検索すると、さまざまなサイトがヒットします。

通常のドゥーラと異なり、ナーシングドゥーラは看護師の資格を持った女性がサポートを行ってくれます。後から詳しく話すんだけどね、薗部家のサポートをしてくださっている奈良雅子さんによると、「特にナーシングドゥーラをする女性には産科やNICU(新生児集中治療室)での勤務経験がある方が多い」とのことなんだ。赤ちゃんやお母さんのケアのプロなわけで、新生児のお世話を任せたいと思うパパとママからすれば安心できるよね。

ここからは、いよいよ本題!

ナーシングドゥーラがどんな形で薗部夫妻を支えてくれるかについてお話しします。

今回僕ら夫婦が依頼をしたのは、相模原市や町田市で訪問型産後ケアを行う、奈良雅子さん。

ホームページを読むと、奈良さんは産科の看護師としての経験があるほか、私生活では3人のお子さんを育てるお母さんだとか。医療現場での実績と子育て経験の両方をお持ちなんて、プロフィールを読む限りすっごく頼りになりそう…。

とはいえ、自宅に来てもらってサポートを受けるので、人としての相性は大切!どんなに高いスキルを持っていても、「なんだか合わないなぁ」と感じるような人だったら、来ていただくのがストレスになってしまうかもしれないし。

なので実際にサポートしていただく前に、事前面談の場を設けていただきました!ホームページで申し込みをして、約束の時間になると…。

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(玄関がちょっと雑然としていて、失礼…。僕は片付けがかなり苦手でして)

「こんにちは、失礼します」と奈良さんが朗らかに登場です。よかった。感じがいいし、話しやすそうな方だ。

僕はフレンドリーな人が好きなので、奈良さんとはとっても相性がよかった!美容院では黙って髪を切る美容師さんより、話好きな美容師さんの方が好きだからね。

奈良さんをリビングにお通しし、妻と僕がこれまで行ってきた育児のやり方のほか、なぜナーシングドゥーラを頼ろうとしたのかについて僕の考えをお伝えしました。

その後は奈良さんからサポート内容や料金など詳しいことをご説明いただき、「ナーシングドゥーラを利用したいし、会話をした感じや経験から、この方なら任せられる!」と思った僕は、すぐに申し込みと入金をしました!

事前面談にかかった時間は、40分くらいだったかな。ナーシングドゥーラの利用は初めてだから、わからないことを直接聞けてよかったです。

サポート料金は、このような感じです。

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時間当たりの依頼料金は、1時間あたり2,600円~3,000円くらい。単発ではなく継続で依頼をすると、けっこうなお金はかかります。

でも新生児と妻のケアを看護師資格を持った方から自宅で受けられるのは安心に繋がるし、信頼できる方に赤ちゃんのケアだけでなく、家事もサポートいただけると家族の負担は確実に減ります。

なので、産後の生活を快適に過ごすために必要な投資だと僕は思いました。長男のときは夫婦だけで頑張りすぎてバテたから、次男が新生児のときには家族以外の人の手を積極的に借りようと決めていたんだ。

薗部夫妻の場合、奈良さんに来ていただく頻度は週に3回ほど。サポートの時間は試行錯誤した結果、午後2時から午後5時の3時間を選択しました。

その時間帯を選んだ理由は、妻に昼寝をしてもらい、体力を回復してもらいたいから。次男誕生前から子育ての役割分担について妻と話していて、僕が長男のケアをメインで行い、次男の夜間対応は妻が担うことにしていました。

夫婦ふたりして次男に付きっ切りになると、長男が「パパとママが僕に愛情をくれなくなったのかな」と感じてしまうかもしれないと思った。上の子が赤ちゃんかえりするって、よくあることだし。長男の心情に配慮した結論でした。

3歳の長男と新生児の次男では睡眠のリズムが違うので、長男と僕、次男と妻と別々の部屋で寝ています。なので夜の授乳は妻がひとりで担うことになってしまうんです。新生児のうちは頻繁にミルクを求めるので、寝不足は仕方ないと割り切り、お昼寝をして夜の寝不足を埋め合わせようという作戦を採用!

もちろん日中は僕が時間を抱っこしたり、粉ミルクをあげたりできるので妻をひとりで寝かせることはできますが、そうすると僕の仕事時間が取りにくくなってしまう。でも奈良さんが来てくださっているときは、妻は次男の様子を気にすることなくお昼寝ができるし、僕は仕事に集中できます。僕ら夫婦にとって、メリットしかありません。

それでは、いま薗部夫妻がナーシングドゥーラさんから受けたサポート内容を紹介していきます。

おっぱいマッサージ

出産後の女性のおっぱいからは母乳が出ますが、赤ちゃんに飲ませるか搾乳するかして体外に出さないと古い母乳が溜まってしまい、おっぱいの痛みを引き起こしてしまいます。

おっぱいのトラブルを防いで、産後の暮らしを快適にするために、専門資格を持つナーシングドゥーラさんに妻のおっぱいケアをお願いできたらと僕は思っていました。

次男の場合は母乳を与えることが多いので、心地よく授乳をするにはおっぱいのメンテナンスが大切だと思ったんだ。

奈良さんは「母乳マッサージは、産科ナースであれば教育されますからね。看護師は母乳ができるメカニズムを学んでいますし、産後のおっぱいが日々変化することも知っています。お母さんの状態に合わせて適切なケアを行うことができます」と話していました。

ナーシングドゥーラさん、めちゃめちゃ心強い!!!

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奈良さんにおっぱいマッサージをしてもらい、古い母乳をちゃんと体外に出すことで、妻は「胸が楽になった」と嬉しそうに話していました。


沐浴

赤ちゃんは清潔にすることが大切なので、大人みたいに「今日は疲れたからお風呂は明日でいいか」というわけにはいかないんだよね。赤ちゃんは汗をたくさんかくし、むちむちしているので、皮膚のくびれに汚れがたまります。毎日ちゃんとお風呂に入れて、体を綺麗にしないといけない。

新生児のお風呂では、ベビーバスに適温のお湯を入れ、体を洗うガーゼを用意し、寒くないようにバスタオルを近くに置いてと、けっこうやることが多いんですよ。時間がないときにはバタバタします。

だからナーシングドゥーラさんに沐浴をサポートしていただけるのは嬉しいです。

めちゃくちゃ慣れた手つきで次男の洋服を脱がして、お風呂場に行って体をきれいにしてくれます。

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奈良さんは産科で看護師をされた経験があるので、沐浴指導も行っていました。初回サポートのときに僕は奈良さんから沐浴の指導を受けて、赤ちゃんの体の洗い方を丁寧に教わりました。

約3年ぶりの新生児の沐浴に僕はドギマギしていて、久しぶりに次男を沐浴させた時は完全にやり方を忘れていました…。

でも奈良さんから沐浴の指導を受けたおかげで、今ではかなりスムーズに次男の沐浴ができるようになったんだ。嬉しい!!

料理

料理は、買い物、下ごしらえ、調理、盛り付け、後片付けみたいに工程が多い家事です。

火の通りにくいものからゆでるとか、野菜は献立に適した形でカットするなど、いつも頭を使っているのだけど、バタバタしているときは疲れてしまうんだよね…。だから代わりにやってもらえるのはありがたい!

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面倒だからといって、食事を適当にするのは僕は嫌なんだ!

妻はほとんど母乳で次男を育てているのですが、授乳にはなかなかにカロリーを消費します。

つまりそれだけ多くの体力を消耗するわけだから、妻には栄養があって、美味しい食事をとって欲しい。

母乳は血液から作られます。血液の状態は何を食べるかに左右されるから、バランスの悪い食事を続けてとれば、母乳にも影響があるはず。次男の栄養にも響いてくる。

もちろん時間がないときはあるし、そういうときはお惣菜を使うんだけれども、僕としては可能な限り妻が好きな料理を手作りして、妻に食事の時間を楽しんでもらいたいんだよ。

もともと僕らは手料理を一緒に食べる時間が好きで結婚したいなと思ったので、一緒に食卓を囲むのはとっても大切なんだよね。

かといって僕が料理につきっきりになると仕事の時間が取れないし、次男のお世話もしにくくなってしまうので、奈良さんに料理を手伝ってもらえるのは本当に助かる!

僕が主菜と副菜を1品ずつつくっておき、奈良さんに副菜2品と汁物をお願いする形が最近は多いです。

ここで奈良さん自慢の素晴らしい料理を紹介するね。

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うおー!美味しそう!

これは奈良さん自慢の「肉団子のトマト煮込み」です。

鶏肉で肉団子をつくり、トマトベースのスープで煮込んだ一品です。クミンの香りが食欲をそそります。

得意料理とあってか、奈良さんはいつになく料理に気合いが入っているように感じられましたよ^ ^

それ以外にも、ジャガイモのガレットやオムレツ、サツマイモとレーズンの煮物など素晴らしい料理を作ってくれて、奈良さんのサポート時には食事が楽しみです!

家事

食器の片付けのほか、お風呂やトイレといった水回りの掃除をお願いしています。

特に水回りの家事はなかなか手が回らない…。というより、僕は水回りの掃除が壊滅的にできません。

お風呂、トイレ、洗面台がピカピカだと生活をしていて気持ちがいい。勝手なもんだよね。自分じゃ掃除が全くできないくせに、綺麗にされていると心地よいんだからさ。

そのほか掃除機かけや洗濯物たたみもお願いするときがあります!

これら以外にも次男がぐずったときに抱っこしてもらったり、粉ミルクをあげてもらったりもします。

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たったひとりでこれだけのことができるなんて、奈良さんはすごい!

ベビーシッターと家事代行をそれぞれ手配していたら、けっこうな手間になります。それぞれに希望を伝えてサポート日時を決めないといけないし、初回はある程度の時間をとってお願いしたいことを説明する必要があります。

でも奈良さんはベビーシッターと家事代行の両方をひとりでできるから、依頼する方としては、かなり楽なんだよね!

奈良さんのサポートを受けて一番嬉しいのは、「この日のこの時間は絶対に休める」「絶対に仕事ができる」というふうに、確実に自分の時間を持てることです。

「赤ちゃんが泣くのではないか…」と思いながらだと、料理も掃除も仕事も集中しきれませんからね。

そうそう、12月8日のサポートでは、奈良さんに次男を見てもらっている間に妻とふたりで夕食をとることができました!楽しかったー!!
子どもたちと一緒はもちろん好きだけど、夫婦だけでの食事だって同じくらい大切なんだ。

こんな感じで、奈良さんには12月まで薗部夫妻のサポートをお願いしています。

「今日は奈良さんのサポート日だ」

そう思える安心感の強さよ!

この安心感が、ナーシングドゥーラさんを頼ることで得た最高のメリットだなと僕は思う。

育児では分からないことがたくさんあるし、母体の状態は日々変化して不調が出るときもあります。

そんなときに不安を話したり、分からないことを相談したり、育児や家事を手伝ってもらったりしてくれる人がそばにいることで、パパとママは安心して過ごせるんだ。

奈良さんに助けていただけるようになってから、妻は「気持ちのゆとりができた」と喜んでいます。

奈良さんにお願いしてよかった…。

奈良さんがいつも言っていたことが、何よりも嬉しかった。

「陽花(妻の名前)さんは、いつも笑っているよね!」と言っていたんだよ。

妻がニコニコする時間が増えていることが、僕の望みだったから。

お読みくださり、ありがとうございました。

薗部雄一
charoma0701@gmail.com

執筆を担当した本『ゼロからわかる 認可系保育園をつくって成功する方法』(TAC出版)が1月20日に販売されました。

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■妻との馴れ初めはブログに全24話で書いています!



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