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虚弱体質の生存戦略

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弱者には弱者の戦略がある。ということで、身体の弱い私の独特の世渡り術と、過去に出会った世渡りの巧者たちを取り上げ、この忙しい時代にどう「力を抜いていくか」を一緒に考えたい、という…
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「貫く」って、かっこいい。

ここまで世渡り上手な人間を紹介したり、巧妙に世を渡り抜いてきた方法だったりを紹介して来た。だが、当然そういう技術は全員が持ち合わせている者ではない。読者の中には、自分は不器用で身の振り方が下手だ、という方もおられるだろう。それで苦しい思いをされているなら、このマガジンに書いてある事は若干の参考になるかもしれない。そのようにして他人のやり方を真似る、盗むというのは世渡りに限らず時に役立つ技術になる。 だが、中には敢えて身を振らないという人もいる。かくいう私も、実を言うと学校な

「やりたいこと」と「できること」

「やりたいこと」と「できること」は時に違う事がある― それがこの回のテーマだ。 偉そうなことを言ってきたが、私はまだ24歳と余裕で若者というくくりの中に入る人間だ。当然、改良すべき点や失敗も多い。 最近、新しいアルバイトの女の子が入ってきた。だが、そこまで早くなく、指示も聞いているのだが実行に移せない。そこで「あの子は使えないのではないか」という声が、パートさんから入ってきた。一理ある。だが、前述した通り今の職場では割とボス扱いされている私はずっと彼女を観察していて、その癖

「偶然」の強さには勝てない

一期一会という言葉はお好きだろうか? このシリーズを一通り読まれた方の中には、これがそれなりにビジネス書のような内容になっていると思われただろうか。それとも、駄文だと思われただろうか。恐らく、駄文と思われた方はここまで来ていない。ここに来ているのは、「最後だけ見てみよう」という気持ちで来てくれた人か、最初からか途中からかは別としてたとえ暇つぶしであったとしても何らかの価値を見出してついてきてくれた読者の方だろうと思う。 まさに、「それっぽい」シリーズとなった。例に挙げた世

目的さえあれば無能ではなくなる

ここまで、三人の世渡り上手を紹介してみた。 筆者も世渡り上手にカウントしていただけるなら、四人だ。 もっとも、私が出会ってきた中での話なので、皆さんの中にも「あの人は本当に世渡り上手だ」とおもえる人が一人はいるかもしれない。 全員、目的は違っただろう。「生きていける立ち位置の確保」「人気を保つ」「世間体を保つ」「別の道を切り開く」「アイドルの応援をする」といった具合に、進路も皆バラバラだ。しかし、全員がまず大前提として生きることを目的としている。その上で、どう生きていくかとい

突き抜けた短所は短所と言わない

再び、高校の時の話に戻る。 高校三年間は全てクラス替えがあったが、そのうち二年を共にした「久保田君(仮名)」という人物がいる。男性で、アイドルオタクだった。 この人物は、はっきり言って前項で紹介した中村、大村とは異なり、「巧さ」の点ではかなり劣った。口は軽いし、行動も軽かった。私たちが高校時代だった2011年~2014年は、AKBの全盛時代ともいえる時代で、前田敦子や大島優子といった今言うとレジェンドに相当するような人達がまだ現役だった。久保田君はこのAKBにのめりこんでおり

上手い人は目立たなかったりする

もう一人、アルバイト先で知り合った女の子もまた巧みに世を渡る子だったのを記憶している。こちらも仮名で、「大村さん」とでもしておこう。 もっとも、その大村さんにさえ私は「なかなかいない感じの人」と評されてはいたが、上手だな、と感じた。大村さんは、 「何もしたくない」 と常日頃言っていた。趣味を聞いても特にない、という。いわゆる「さとり世代」というやつかもしれない。 休日にはダラダラと動画を見たりしているらしい。やりたいこともなく、就職活動も嫌だと言っていた。ある日、何気なく

世渡りの天才と共に過ごした一年

高校時代の話をしてみよう。 高校三年生の頃、「中村君(仮名)」という男の子と私は仲が良かった。というか、私が中村君の側近、家臣のようなポジションだった。肥満体型の子で、私とは真反対の体格をしている。もう何年も会ってないので、今はわからない。 私は別に一人でも生きていけるタイプだが、中村君は違った。基本的に、誰かを伴っておきたい人だった。しかし、高校三年の頃のクラスには元々繋がりの深い男子が集まっており、たちまちグループを形成した。もっとも、文系のクラスだったので男子は9人し

「それっぽい」が活きる事もある

”従順である事”が会社でも学校でも一定の評価を得られるのは事実だろう。 もちろん、日本の学校である。他国の学校はよくわからないので、言及しないことにする。 「テストで点を取る」「授業中に真面目な態度にしている」といった目に見えたもので評価されるのはこのシリーズの冒頭でも述べた通りだ。 「真面目な子だった、そんなことをするようには見えなかった」 と、何かの事件を起こした犯人を周囲の人が評すニュース番組のシーンを一度はご覧になったことがあるのではないだろうか?人の評価というの

隙間を見つけて

これまた突然だが、私はハリウッドザコシショウというお笑い芸人が大好きである。 その名の通り「ザコ」の「シショウ」らしく、彼のまとめあげている(?)「ハリウッド軍団」には、多くの売れない芸人がいる。事務所も、大手の松竹や吉本ではなく、ソニーであり、明らかに「王道」の芸能人ではない。芸風も、「わかる人にしかわからない」ネタが多い。なので、滑ることも多い。好き嫌いがはっきりするので、少しエゴサーチすれば「嫌い」という人も多いのがわかる。 ただ、彼の凄まじいところの一つは、ここ10年

全ては居残り回避のために

今、これを書いている2020年3月は、コロナウイルスの報道で持ち切りだ。 学校が休みになったりと日常に巨大なイレギュラーが発生している。 「学校なんて行かなくていい」と声高に叫ぶ人達もおられる。これも、私は別に否定するつもりはない。最初の頃はそんな馬鹿な事を、と思っていた時期もあったが、自分が大概変人なのだから、人様の意見を否定してどうする、と反省した。 学校については色々語りたいことはあるのだが、全てを語ると脱線するので部分的に語ろう。 私は小学生の頃から居残りが大嫌いだ

くろうさぎ

名前をくろうさぎというその男は、見た目からして薄命な人物、という印象を誰もが受けるような人物だった。 目が悪く度のきつい眼鏡をかけており、華奢な体格に似合う女性がごとき細い指の先には、乾燥肌の影響かささくれができている。普段は穏やかに読書をし、気が向けば土をいじり、近所を歩き、野草を観察する。そんな人物であった。しかし、その見た目が故に、内実勇猛果敢な面があるくろうさぎは頭脳派とみられるのが常だった。 もっとも、中身が勇猛といえども、体力が追いつかないのに勇猛果敢な挑戦を

私、雑草の生き方好きなんですよ。

私はただのアルバイトである。それ以上でもそれ以下でもない。理由は単純、フルで働く体力がないからだ。だったら、体力をつければいい、と誰もが思うだろうが、そんな簡単な話ではない。ジムに行ったり食事を工夫したりしたが、体重は増えもしないし減りもしない。身長が178センチあるのに対し体重は50キロに満たないほどである。これでは持久力がないのも当然だ。 さらに言えば、能力もそんなにない。プログラムができるわけでも、ずば抜けて教養があるわけでも、何か別の言語を習得しているわけでもない。