「それっぽい」が活きる事もある

”従順である事”が会社でも学校でも一定の評価を得られるのは事実だろう。
もちろん、日本の学校である。他国の学校はよくわからないので、言及しないことにする。
「テストで点を取る」「授業中に真面目な態度にしている」といった目に見えたもので評価されるのはこのシリーズの冒頭でも述べた通りだ。

「真面目な子だった、そんなことをするようには見えなかった」

と、何かの事件を起こした犯人を周囲の人が評すニュース番組のシーンを一度はご覧になったことがあるのではないだろうか?人の評価というのは確かに、一定の価値や評判を築き上げるものにはなる。が、とてもではないが正確なものではない。

現に、「真面目な子」として見られていた私の心の中は「居残りが嫌なだけ」だった。これは高校の時の話だが、新人の先生がやっていた生物の授業中にはみんなにゲーム機を持ってこさせて、通信対戦をやっていた。首謀者は私である。数学の授業では女の子と机を合わせてとても口外できるような内容ではない会話を50分続けていたりしたことは恐らく担任の先生は知らない。それでも私に対する評価は「真面目で勉強を頑張っている子」だった。もっとも、手抜きをするために点がとれない授業の担当の先生はそう思っていなかっただろうが。

(もしかすると、そういうのも全部見抜かれていたかもしれないけど・・)

難しい事を考える倫理の授業は好きだったのだが、一緒に専攻していた女の子が「出会い系サイト」で稼ぐタイプで、これまた書けないような話をずっとしてるので授業どころではなかったのも記憶している。ある意味彼女たちも手を抜きまくっている。今彼女たちはどうしているのだろうか。正直名前もほとんど覚えていないが、元気にしていれば幸いだ。また話が脱線した。手を抜くのが上手な人間を見ると、語りたくなる。

私の容姿の話をしてみる。
背が高くて華奢。メガネをかけており、物静かで知己に富んだ発言をする。
こんなキャラクターがアニメなり漫画なりにいれば、どういう立場の人を思い描くだろうか。
みなさんの想像に誰が浮かんだかはわからないが、私の周囲は私を勝手に「頭がいい系」と思っていた。「知将」という渾名をつけられたこともあるし、体育祭や文化祭で先生に他の生徒には相談しないようなことを相談されたこともあった。職場でもいつの間にか、「いいアイデアがあったら言ってくれ」とアイデアの提案を期待されたりしている。自分からPRしたわけでないのに、周りが勝手に「頭が良い参謀キャラ」だと勝手に認識して動き始める。なんの実績も出していないし、そこまでお互い知っているわけではないのに、それっぽいことをいうと「流石ですね!」と言われる。何が「流石」なのか私にはさっぱりわからないが、とにかく「それっぽい」のだろう。賢そうなのだ。そのイメージと言う事やる事が一致する瞬間を見られると、「実力者」だと周りは勝手に思う。実は裏で全然真面目にやってなくてもだ。というと私が真面目に働いていないみたいだが、決してそんなことはないので一応弁解しておく。

自分がどういう「イメージ」「感覚」で捉えられているか、というのを知って、そのイメージ通りの行動や言動をする。体育会系のタイプで捉えられているなら、無理難題でもとりあえず力強く「任せとけ!」と言っておけば、有能とはいかないまでも「憎めないキャラ」としてのポジションを確立できるかもしれない。「ズバッと言ってくれるキャラ」なのであれば、みんなが理不尽な目にあってる中「それは違うだろ」と誰かに面と向かっていうことで、周りは慕ってくるかもしれない。「優しいキャラ」なのであれば、自然に手を差し伸べることを意識していたら、これまた評価されるだろう。前の記事で述べた「ポジション取り」をうまくやる人は、「その人のイメージ」と「イメージ通りの行動や言動」を恐らくセットにして生活している。

ポジションをどうとるか、どうすれば確立できるか、という自分なりの考えに触れてきた。
しかし、「イメージ」と「行動・言動」を一致させて、それを人に見てもらって云々、という話なんてのは、時に自分にとって多大なストレスとなる。「体育会系」と見られているが「実は頭を使うタイプ」だったら全く見当違いの期待をされる、という具合にだ。ひとつのアプローチとして、イメージと動きをシンクロさせて周囲からの立ち位置を確立するという方法はあるが、無理にする必要は全くないというのもまた一つの正解だ。どちらかというと、上記の内容はビジネス的だ。恋愛や人間関係では、むしろ

「イメージと異なる言動や行動」

の方が受けがいいかもしれない。ギャップ萌え、と言う言葉は今でも有効かわからないが、ギャップに惹かれるという人は一定数いる。正直ここまで書いておいてなんだが、恋愛なんかはこういう理屈はぬきにして考えたほうがいいと思っている。理詰め人間の私が言うのもなんだが、異性との関係であんまり理屈を前に出されるのは面倒くさい。このシリーズは私の経験をもとに「一つの社会の乗り切り方」を書いている。だから、全て私の持論だ。

「あなたはそういう考えなんだね」

くらいの軽い感じで思っていただけた方がいい。大事な事を書くのを忘れたが、「自分のイメージはどうやって知ればいいのか」という疑問があると思う。親がいれば、親に聞いてみるのがいい。親友がいれば、親友に聞いてみるのもいい。SNSのフォロワーに聞くこともできる。「漫画のキャラで言ったら?」「歴史上の人物で言ったら誰?」といった巧みな聞きだし方もあるだろう。カクヨムで私と繋がれば、私が抱いたイメージをその方にお伝えできる。もちろん、イメージはポジティブな方のイメージがいい。人とのかかわりは、どういう形であれ持っていて損はなさそうだ。

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