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令和の日本型学校教育~ICT活用学習「誰一人取り残さない」学び

「令和の日本型学校教育」と題された学校教育の在り方は、新型コロナウイルス感染症拡大および長期化により<多様な子供たち一人一人が自立した学習者として学び続けていけるようになっているか>が改めて焦点化されることとなった。

令和3年1月26日、『第127回中央教育審議会総会』が開催された。
その中で、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~(答申)」が取りまとめられ、文部科学省は、令和の日本型学校教育の実現、教育の質の向上、学校におけるICTの活用、少人数学級の計画的な実施、教師による対面指導と遠隔オンライン教育とのハイブリッド化など関連する取組を全力で進めていくとした。

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しかし、新型コロナウイルス感染症による学校の臨時休業期間の実際の教育現場では、「全ての家庭にICT環境が整っていないので学びの保障のためにICTは活用しない」や、「域内の一部の学校がICTを活用した取組を実施しようとしたが、他の学校が対応できず、域内全体としてICTの活用を控えてしまった」という事例も一部において報告されている。

本来であれば、このような消極的な配慮でなく「ICT 環境が整っている家庭・学校等を対象にまず実施し、そうでない家庭・学校等をどう支援するか考える」等、積極的な配慮を行うことで教育水準の向上に向けた機会均等であるべきである。(*もちろんそのような対策をスピーディーに実施した自治体や学校もある。)
また、教育水準を下げる方向で均等を図るのではなく、教育水準を上げる方向での均等の実現が求められている。

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引用元:文部科学省「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」について
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm

そして、来年度以降のGIGAスクール整備後を考えると、学校現場ではICTを「すぐにでも」「どの教科でも」「誰でも」活用できる環境を整える為、日常的に使用することで児童生徒がICTを「文房具」として自由な発想で扱えるよう取り組んでいくことが必要だ。

また、学習履歴(スタディ・ログ)など教育データを活用した個別最適な学びの充実、学習診断などができるプラットフォームの構築、デジタル教科書・教材の普及促進などは学校教育の質と多様性、包摂性を高め、教育の機会均等の実現が期待されている。

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引用元:文部科学省 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/06/24/1418387_01.pdf

そのために経産省も文部科学省も実践アイディアの収集と共有を積極的に行なっており、経産省ではSTEAMライブラリ、文科省ではStuDXが公開され、さまざまな観点での情報共有の機会と場が用意され始めていることは喜ばしい。

さらに、学校には十分な人的配置を実現し、ICTの活用や関係機関との連携を含め1人1台端末や先端技術を活用しつつ、学校教育に馴染めないでいる子供、不登校児童生徒、障害のある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒、通常の学級に在籍する発達障害のある児童生徒、また、離島・中山間地域等の地理的条件、子供の貧困の問題など、多様化する子供たちの環境にかかわらず、教育の質と機会均等を確保し学びの機会を保障していくとともに個別最適な学びを実現しながら、学校の多様性と包摂性を高めることが必要である。

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引用元:文部科学省 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/06/24/1418387_01.pdf


ICTを活用した学びを充実するためには、教育現場や学校事務、教育委員会においても、ICT技術や活用に知見を有するGIGAスクールサポーター、ICT支援員といったICT人材の確保を促進するべきである。

とりわけ、ICT支援員は、学校における教員のICT活用(授業・校務・教員研修等)をサポートすることを想定しており、教師と連携できる多様な知識・経験を有する外部人材による教職員組織の構成等が重要である。ICT支援員の業務内容は、教員がICT環境に慣れることで年々見直されるべきだが、導入期であっても決して備品の準備係であってはならない。優秀な人材を確保し、継続的に雇用するための工夫も必要だ。


また、採用の際には、企業や大学とも連携し、地方公共団体がICT人材を確保しやすい仕組みを構築するとともに、遠隔によるサポートも含めた活用の事例を収集して全国に展開することが望まれる。GIGAスクールが全国同時展開されている中で、残念ながら経験豊富な優良な人材は限られている。全国的なノウハウの共有とともに支援の方法も賢く行う必要がある。

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引用元:文部科学省 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/06/24/1418387_01.pdf

そして、今後さらに検討を要する事項とされた教職員の養成・採用・研修等の在り方について、「令和の日本型学校教育」を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部が立ち上げられ、質の高い教師の確保に向けて中長期的な実効性のある方策を検討されている。

ICTを通じた質の高い学習活動を実施するためには、教師が地域のICT環境の整備状況等に応じ、ICTを活用した指導力の向上に努めることが必要とされ、時代の変化に対応して求められる資質・能力を身に付けることが求められている。

その為、教師は養成段階に身に付けた知識・技能だけで教職生涯を過ごすのではなく、ひとりひとりが、求められる知識・技能が変わっていくことを意識して継続的に新しい知識・技能を学び続けていくことが重要となる。

勿論、ICT環境の整備が進んだとしても、教師としての基本的な役割が変わるものではない。

教師に求められる資質・能力は、「使命感や責任感、教育的愛情、教科や教職に関する専門的知識、実践的指導力、総合的人間力、コミュニケーション能力、ファシリテーション能力」などが挙げられ、また近年では、教育職員の養成段階での特別支援教育の充実やアクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善、ICTを用いた指導法等が新たに教職課程に加えられた。(平成 28(2016)年に教育職員免許法の改正及び平成 29(2017)年に教育職員免許法施行規則の改正)

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そのほかにも、以下のような環境整備が進んでいる。

・情報端末・教科書・ノート等の教材・教具を常時活用できる教室用机(新JIS規格110)
・充電保管庫等の整備
・遠隔会議システム
・統合型校務支援システムの導入
・「1人1台端末」や遠隔・オンライン教育に適合した教室環境や教師のためのICT環境の整備、
・学校図書館の図書の充実を含む環境整備
・特別教室等への空調設備の設置促進などの「新しい生活様式」
・健やかに学習できる衛生環境の整備
・障害のある子どもの学びの環境のバリアフリー化促進

多くの変化を一斉に取り組むことになる。教育現場内外問わず、令和の日本型学校教育~ICT活用学習「誰一人取り残さない」学びに関する環境整備はまだまだ始まったばかりである。

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