これが江戸時代の新築祝いリストだ!
いらっしゃいませ!
我が家に代々伝わってきた江戸時代の普請帳の中身を、令和の事務員がエクセルで紐解く話。第14話目(全15話)です。■初めから読む
いよいよ、新築祝いリストです。
江戸時代って何を頂くんでしょうね!?
この普請帳の最後を飾りますのは、「頂きもの」の記録です。
A4サイズに換算すると、約4ページ分あります。実際のサイズ(半紙の半分)ですと、19ページあります。
屋根の材料は、村人たちから貰う
頂きものは、大きく分けて2つに分類できます。
ひとつは、屋根の材料(茅葺き)。もうひとつは、新築祝いです。
縄を沢山いただいていますが、茅葺きの屋根には必須アイテムです。
ご近所さんのために、1本1本綯ってくださるって、なんて尊い( ;∀;)
【縄の綯い方(←かなりざっくり)】
①イネの穂を干す
②茎以外の部分を取り除く
③叩いて柔らかくする
④引っ張って芯を取り出す
⑤また叩いて芯を柔らかくする
⑥手の腹で撚って縄にする
ご自身の仕事もあったでしょうに、この面倒な作業をしてくださったと思うと(しかも大飢饉の真っ只中)、本当にありがたいなーと思います。
それでは、本題のリストです。
スマホの方は、人差し指のご準備をお願いします(`・ω・´)ゞ
米にも「白米」と「米」が・・・
よーーーく見ますと、「白米」と「米」で標記が分かれています。
そりゃ、銀シャリは別格ですよね(*'ω'*)
原田屋さんは、気前よく「白米」を2俵もくださいました。
1俵=2~5斗(地域・時代によって異なる)
米1斗の質量は約15 kg
幕府基準(1俵=3斗5升)で計算すると、2俵で700合に相当します。
やっぱり呑みすぎですって
松の木をドーンとタダでくださった田渕やさんは、お酒(2樽+2升)とお餅をくださいました。2樽とありますが、樽酒には1斗樽(18リットル・150合)、2斗樽(36リットル・300合)、4斗樽(72リットル・600合)があります。
いずれにしても、呑みすぎであることには間違いないと思います(←自分のことは棚に上げる)。
誰かがそっと置いてくれた!?
と書かれている箇所があります。
「外ニ」って。
誰かがそっと置いてくれたのでしょうか?
しかもお酒を・・・壱斗も・・・(重かったでしょう!?)。
どなたか存じませんが、ありがとうございました!
最後に、「貰っておきながら、いやらしいな」と思われるかもしれませんが、ランキングを出したいと思います。
第1位 田ふちや(田淵屋)さん💛
気前の良さと言えば、田淵屋さん!
酒2樽、餅2鉢、かや2荷×3=6荷、酒2升(←最初の酒2樽とは別で)をご提供いただきました!
記載も、「田ふちや」から「又田ふちや」と途中で変わるくらい、沢山いただきました。
本当にありがとうございました!
第2位 西光寺💛伝兵衛さん💛和七さん💛兵五郎さん💛兵三郎さん💛
西光寺からはお餅、白米、お酒など、伝兵衛さん・和七さん・兵五郎さん・兵三郎さんからは、屋根の材料やお米をいただきました。
皆様、ありがとうございました!
第3位 宇三郎さん💛林之助さん💛為蔵さん💛忠次さん💛十兵衛さん💛
屋根の材料や、よろこびもらい大吉日でお祝いを沢山いただきました。
ありがとうございました!
<おまけ>いただいたお米とお酒の合計
お米の合計(白米含む)
298.5kg(1,990合)
お酒の合計
149.4リットル(1升瓶 83本分)
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