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指示や要望を深読みしていたら、対応できることが広がった話。

こんにちは。エディマート代表の鬼頭です。

以前の記事で、「ライターは文章力を磨くのはやめて、別の“力”を身に着けた方が良い」と書きました。

その別の“力”というのが「人間力」「適応力」「編集力」であり、今回の記事では「適応力」を磨くことにつながった、私自身の経験をまとめてみますね。

結論を先に述べると、クライアントやディレクターから来る指示や要望を深く読み解くこと。「指示や要望なんて、あるだけ面倒くさいし、それより原稿の手離れが早いほうがいい」なんて声も聞こえてきそうですが……。

1.指示や要望は、学びの宝庫

ライターとして仕事にあたる際、どんな案件でも「指示」がありますよね。

たとえばこんな感じです。

[基本情報]
・媒体は◯◯新聞
・テーマはSDGs
・読者は中小企業の経営者で、SDGsへの理解が浅い層
・先行してSDGsに取り組む企業を取材し、過程や効果を聞き取りまとめる
・掲載日は◯月◯日(◯)

[仕様に関する指示]
・文字量は3,000文字
・小見出し20文字を適度に挿入
・文体は常体
・統一表記表は別途
・修正は3回程度

[日程に関する情報]
・取材は◯月◯日(◯)00:00から◯◯◯◯にて
・当日は弊社ディレクター2名同行(ジャケット着用でお願いします)
・納期は取材から1週間後

[制作費に関する情報]
・ギャランティは取材、原稿一式で◯万円(税別)
・請求は原稿掲載月の末締め

もっと情報が簡素な場合もありますが、ライターのみなさんは上記「指示」のどこに注目されますか?

おそらく仕事内容や納期、ギャランティを真っ先に見ることでしょう。
「この仕事、納期ならできそう」「このギャラなら割に合う」といった感じでしょうか。

もちろん、それで受注の可否を判断していいと思います。ただ、もう少し読みといておくと良いかもしれません。

例えば、「ディレクター2名同行」という情報から、企画に対するサポートの手厚さ、もしくは発注企業の規模感がわかります。「ジャケット着用」ということは、フォーマルな対応を求められていますよね。
最初から修正回数を明記している点や、統一表記表を準備している点からは、発注者の丁寧さや、高い品質を求めていることが受け取れます。

このように、「指示」には内容や納期、ギャラ以外にも大切な情報が含まれており、それを深読みすることで、業界や発注者の傾向がわかるようになってくるはずです。

2.修正に腹を立てず、真摯に向き合ってみる

取材を経て原稿を納めたら、次にやってくるのは「修正」です。

発注者であるディレクターからの修正指示だけでなく、その先にいるクライアントからの修正指示が入ることもあります。

基本的に、修正って嫌ですよね。
文章のプロとして魂を込めて書いた文章ですから、直されるのは苦痛です。

明確な修正指示もあれば、質問形式で投げ返されることも。何度も何度も修正をしているうちに、自分の原稿はどこへ行った?ということもあるでしょう(笑)。

実は、この修正指示にも「適応力」を広げるチャンスが潜んでいます。

多くのクライアントは、原稿が手元にないゼロの状態では、要望を伝えることができません。裸の人に向かってファッションのアドバイスをできないのと同じです。

着ている服を見てファッションの指摘ができるように、原稿を見て初めて「もっとこうしたい」と思うのは普通のこと。
そして、クライアントからムクムクと湧いた「こうしたい」という要望こそ、しっかりととらえておきたいのです。

そこをしっかりと押さえておけば、次に同じクライアントや業界の仕事が来た際にスムーズに対応できるはずです。

3.求められていることを考えずに原稿を書くのは無駄

ビジネスで原稿を書いている以上、一つの原稿に対するコストパフォーマンスを考えるのは当然です。

ただし、コストパフォーマンスだけを仕事の受発注の基準にするのは、絶対にやめたほうがいいと思います。

言われた通りに書いて、言われた通りに修正することほど、楽なことはありません。コスパの面でもきっと良いことでしょう。

しかしそういった仕事は、他の誰でも変わることができるため、簡単に無くなってしまうのも事実。わざわざ断る必要はありませんが、自身の成長や対応の幅を広げる点においては、無駄な時間を消費していると、危機感をもつべきかもしれません。

あえて指示や要望が多い仕事を選ぶことも、適応力を広げるためにはおすすめです。そして、自分に求められていることを深読みする癖をつけてみてください。

私自身「また修正か〜!」と声に出してしまうことはありますが、「期待されているからこそ要望が出てくるんだ」と自分を納得させています。

エディマートのスタッフにもそういう習慣が根づいた結果、硬軟問わずさまざまなコンテンツにかかわることができるようになりました。
ぜひライターのみなさんも参考にしてみてくださいね。


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