見出し画像

ライターよ、ペンを捨てジャケットを着よう!

こんにちは。編集プロダクション エディマート代表の鬼頭です。

コンテンツ制作を生業としている当社では、たくさんのライターさんの力を借り、「伝える」「伝わる」ことにこだわったアウトプットを行っています。

日々ライターさんとやり取りをするなかで、「このこだわりを捨てればもっとやりやすいのに」とか、「この知識や能力があればさらにお願いしたいことがあるのに」と思うことが少なくありません。

その想いを言語化してみたら、ややセンセーショナルなタイトルになってしまいました。決して喧嘩を売っているわけではなく、そうすることで広がる世界があることを、ぜひ知っていただきたいと思っています。

ポイントはズバリ「人間力」「適応力」「編集力」の3つ。

ライターが?なぜ?と一笑に付さないでくださいね。

こちらの記事や、これからアップするさまざまな記事で、しっかりと解説させていただきますので、ぜひお付き合いください。

1.文章力を磨く前にやるべきことが山ほどあった!

持論を述べる前に、私のプロフィールを簡単にご紹介させてください。

1973年、愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後に東京の出版社に入社し、そこで編集職の楽しさを知るも、急激な環境の変化についていけず早々に退職。名古屋に戻り、しばらくクリエイティブとは縁遠い生活をしていましたが、再び携わりたい想いがふつふつと湧き、拾っていただいた情報出版の会社で編集職を学びなおしました。
その後、同社のWEBディレクターを経て、2003年にエディマートの屋号で独立。フリーランスのライター、ディレクターとして活動し、2006年に法人化しました。

つまり私は、フリーのライター経験のある企業ディレクターというわけです。

フリーランス時代から3年で法人化したのには明確な理由があります。

それは、
「名指しで発注できるライターでなければ仕事は続かない」と痛感したことと、「文章力よりも別の力を磨いた結果、大きな仕事を動かすようになった」からです。

言葉を選ばずに言えば、ライターは「今日からやります」といえば、誰でもなれる仕事です。もちろん、文章が得意、人の話を聞くのが好きという個性を活かしてライターになる方もたくさんいますが、一方でプロと呼べないような人も混ざる有象無象の世界とも言えます。

そういった世界ということをクライアント側も知っているため、基本的に「仕事をあげている人(クライアント)」と「ありがたく仕事をいただいている人(ライター)」という関係性が多いような気がします。

私のフリーランス時代に話を戻すと、最初の頃は受注できる仕事は、自分じゃなくてもやれるものばかり。ギャランティも低額で、毎日心がささくれだっていました。じゃあ、先輩ライターは違ったかといえば、私の知る範囲では、独立して数年の自分と大きく違いがない。「これはよっぽど名前が売れなければ先がないぞ」と実感しました。

そこで私が、文章力を磨いたかと言えば違うのです。文章が上手くなっても、知られなければ仕事にはつながりませんから。

じつは私、独立してすぐに髪の毛を染め、ヒゲを生やしクリエイターを気取っていたのですが、そのことに気づいてからすぐに黒髪に戻し、ヒゲを剃り、靴と鞄、腕時計を買い直し、ジャケットを羽織るようにしました。

積極的に人と会い、気取りを捨て真摯に向き合いました。「こんなこともできる?」と聞かれれば、すぐに勉強して対応したり、それでも難しければできる人をアサインしたり。次第に企画の部分まで入らせていただくことが増え、組織を構えて期待に応えようと考えるようになったのです。

ここまでをまとめると、

文章力を磨くことより、他のやるべきことが山ほどあり、それを潰していったら自然と仕事が増えていった、ということです。

2.発注者である編集プロダクションとして感じること

現在、私は編集プロダクションの代表として、制作と営業を統括しながら、自らもライターとして、編集者として現場に立っています。

ライターさんへの発注者となることも多い私が、感じていることがあります。もっといえば、私のイズムが継承されている当社スタッフ全員が感じていること。それは、

「文章力で勝負しようとしているライターさんが多すぎる」ということ。

もちろん、それでもいいと思います。ただ、勝負ポイントをそこだけに置いており、他のやるべきことが全然できていない方が散見されるのです。

・書けるジャンルが偏っている
・簡単な撮影の対応ができない
・ラフが書けない、構成案が作れない
・修正を極端にこばむ
・現場での協調性がない、人当たりが悪い
・VIP対応の取材にカジュアルな格好で来る
・校了連絡前に請求書を送ってくる

上記は一例ですが、すべての内容の後ろに「だから発注できない」という言葉が続きます。言い換えれば、上記ができればお渡ししたい仕事があるということです。

それを集約すると、ライターが文章力を磨く前にやるべきことは、「人間力」「適応力」「編集力」だと考えます。これからアップする記事で、それぞれ詳しくご説明していきますが、上記の例を潰していくだけでも大きく変わるはずです。

3.ジャケットを着た先に見えるライターの未来

この記事を読んでいる方の多くがライターさんだとすれば、「ジャケットを着る」というのは、比喩表現だとお分かりでしょう。

さて、ライターが文章力を磨く前に、「人間力」「適応力」「編集力」を高めた先に、何があるのでしょうか。

逆説的に言えば、高めなければ先はないと思います。

素晴らしい文章を評価され、今仕事があったとしても、世の中のニーズが目まぐるしく変わる以上、ずっと発注が続く保証はありません。発注者が企業に所属しているのであれば、担当者の異動を機に発注が途絶える可能性もあるはずです。

Rimoの登場により、テープライティングはクラウドで簡単にできるようになりました。ライトな文章ならAIが作れる時代になりつつあります。「書けるだけ」では、どんどん仕事を機械に奪われていくことでしょう。

「人間力」「適応力」「編集力」を高めることについて、私は自社のスタッフに口酸っぱく言ってきましたが、これまでは「ないよりはあった方がいい」という感覚でした。

しかし今は違います。「人間力」「適応力」「編集力」はもはや必須。冒頭にも書きましたが、当社としても、よりリッチなコンテンツを数多くプロデュースするためには、それら能力を身に着けたライターさんの力が必要です。

少し説教臭くなりましたが、ライターの未来を案じてのこととご容赦ください。ぜひ当社とともに高めあっていきましょう!

これからアップしていく記事にもご期待くださいね。


この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?