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【第1回】こども食堂『ヘバナ料理教室』参加レポート

2024年6月8日(土)、八戸市立吹上小学校の家庭科室にて地域の人々と地域の味を楽しむ、こども食堂『ヘバナ料理教室』が開催されました。

今回はそんな第1回ヘバナ料理教室に参加した感想をレポートにしました。みなさんに当日の様子をお楽しみ頂く前に、ここで嬉しいご報告です!

【第2回】ヘバナ料理教室を開催します!

さっそく! ヘバナ料理教室の第2回を行うこととなりました!
今回は、りんごの品種や青森県のりんご栽培の歴史について知ることができるカードゲーム「あっぷるぱい(牌)」で遊ぶ時間も。

参加費はこども(大学生以下)無料、おとな500円。ボランティアスタッフの方々の見守りもあるため、こどものみ、お友達同士での参加も可能です。どうぞみなさんお気軽にご参加ください。

詳細は喫茶ヘバナInstagramにてご覧くださいませ!


こども食堂『ヘバナ料理教室』参加レポート

当日は参加者、そして地域の方々を中心としたボランティアスタッフ、約30名ほどが各グループに分かれて、カレーライス、サラダ、八戸地方・岩手県北地方で広く親しまれている「南部せんべい」を使ったオリジナルピザを作りました。

参加者にとって最初の挑戦はなんといってもお鍋で炊くご飯です。みなさんは鍋炊きに挑戦したことがありますか? 私にとっても初めての経験。当日まではネット上でレシピを調べてみて、楽しみ半分、不安も半分。一旦どんな炊きあがりになるんだろう……。「実はお鍋で炊くのは私も初めてで……」と話してみると、ボランティアスタッフの方々の中に「昔はそうやって炊いていたよ」という経験者が! 調理器具を並べながら、「これで炊くんだったらお米をとぐときはザルを使うといいかもね」などと、頼もしいアドバイスをいただき主催の私たちにとっても勉強になることばかりです。

各グループでの作業に分かれると、ボランティアの方々を中心にそれぞれスムーズに作業を進めてくれた参加者のみなさん。慣れない包丁にハラハラする場面もありましたが、そこは人生の先輩であるボランティアの方々に安全な野菜の切り方や、簡単な種の取り方など、生活の知恵を教えてもらいます。目をしょぼしょぼさせながら玉ねぎに苦戦している様子も見られました。

南部せんべいピザは、作るのも食べるのも初めてという方が多数!
ピザ職人になった気分でチーズやピーマン、それぞれ好きなソースをまぶしていきます。みなさん盛り付けがとっても上手!!

普段からお家でお手伝いしているという子も、料理は初めてという子もいたようですが、みなさん積極的に参加し、時間通りにおいしい昼食をお腹いっぱいに食べることができました!

各テーブルごとに撮った集合写真は、まるで家族写真のよう。すっかりと打ち解け合い、まるで食卓を囲むように自然な会話が生まれます。なかには、一緒に料理をした仲間たちに見守られながら、普段は嫌いだから食べないというトマトに挑戦する子もいたようです。ごはんを作った、という達成感が次の挑戦心に火をつけたのでしょうか。短い時間で成長を見せてくれるこどもたちの姿は頼もしく、片付ける頃には自分から仕事を見つけられるようになった子もいたようでした。

片付けまで終わったら、同地区内の金田菓子店とリーベシムラのお菓子でおやつタイム。やっぱりスイーツは別腹ですね。


ヘバナ料理教室について

こども食堂は、貧困家庭のこどもたちに、食事を無料で提供する場所というイメージが強くありますが、『ヘバナ料理教室』では、地域内のあらゆるこどもたちが自由に参加し、将来的な自立のための学びと、郷土料理や文化の継承を図ること、また高齢者、親世代や若者、こどもたちが相互にかかわりあい、気に掛け見守り合えるような地域コミュニティの形成を目的としております。そのため、地域住民を招き、世代を超えて一緒に食事を楽しむことを目的に開催されました。開催には、<ファミリーマート&むすびえ「こども食堂スタート応援助成プログラム」>を活用しております。

主催の一人である鈴木美朝さんが運営する、八戸市鍛冶町地区のコミュニティ喫茶<喫茶ヘバナ>の常連である地域高齢者のコミュニティと、同じ地区のこどもや親世代を繋げることで、さらに地域交流を深めていくことが、今回こども食堂『ヘバナ料理教室』立ち上げのきっかけに。そして、開催趣旨にご賛同いただいた八戸市立吹上小学校校長 川村洋先生よりチラシ配布等の周知はもちろんのこと、会場提供のご提案をいただき、家庭科室をお借りすることができました。また、株式会社フードコミュニケーション代表取締役なぎさなおこ様より食材の寄付をいただきました。ご協力本当にありがとうございました。

最後は全員で校長先生にお礼を。

当日集まってくださったボランティアの方々はほとんどが八戸市鍛冶町地区の人々。こどもたちにとっては地域のおじいさん、おばあさんです。参加者のみなさんより1時間早く来ていただき、準備と軽い打ち合わせをしただけだったのですが……さすがは人生の先輩方。料理教室が始まると、頼れるリーダーシップでグループの作業を進行し、こどもたちとも親世代の方々ともスムーズなコミュニケーションで楽しい空間をあっという間に作り出してくださいました。参加者に向けられるのは慈愛に満ちた笑顔……というと、大げさに感じられてしまう方もいるかもしれませんが、本当にわけへだてなく、本物の孫たちのように可愛がりながら、「料理」という生きるための力、そして生活の知恵が次世代に継承されていくのを目にした瞬間、私は『ヘバナ料理教室』の開催意義を心から感じることができました。

学校部活動の地域移行に伴って、こどもたちを見守る目が減ってしまうこと、こども同士のコミュニティの減少、保護者たちの負担の増加。こどもたちのサードプレイスといえる場所の確保が現在の地域課題のひとつではないかと個人的に考えているなかで、実施したこども食堂。参加してくださった方々の楽しそうな顔を見ることができてほっとしたとともに、地域の高齢者が持つ生きる力に圧倒された一日となりました。地域のこどもと親世代、高齢者が繋がることで互いの見守りに繋げられるような関係づくりの第一歩を鍛冶町地区が歩みだしたように感じました。

これを第二歩、第三歩と進めていくために必要なのは、やはり継続。このような支援が必要な人々にきちんと届くように、今回見た素晴らしい光景がいつか日常になるように、活動を続けていきたいと思います。ご参加くださったみなさま、ご協力、そしてご支援くださったみなさま、応援してくださったみなさま本当にありがとうございました。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。


ファミリーマート&むすびえ「こども食堂スタート応援助成プログラム」とは

各地でこども食堂を支える地域ネットワーク団体の支援等に取り組む「特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」と「ファミリーマート」が協働し、「ファミリーマート夢の掛け橋募金」(店頭募金)をもとに、こども食堂を新たに立ち上げる際に必要な費用を助成するプログラム。より多くの方が安心してこども食堂の立ち上げに取り組むことができるよう、こども食堂立ち上げ勉強会も実施され、私たちも参加しました。