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思わぬ誤解、思わぬ怒りを買ってしまいました~事実の「切り取り方」について

今回は、
興味深い出来事をみなさんに
シェアしたいと思いまして・・。

その前提知識として、

僕の妻はスタッフを10人弱抱えている
学習塾を経営しています。
年少さんから年長さんまでの幼稚園児から、
小学生が大半、
数はぐっと減りますが中学生や高校生もいます。
生徒数はざっと100人くらいでしょうか。
地元密着型のこじんまりした補習型学習塾です。

また、自分たちには2人の娘(小学生)がいて、
2人とも妻の塾に通わせています。

つい昨日の話なんですけどね、
妻が、幼稚園児さんたちを対象に、
クリスマス会を開いたのです。

簡単なクイズやゲームをして、
会の終わりにはお菓子やジュースをふるまいます。
園児を対象にした塾や
コミュニティーならよくあるイベントですよね。
お菓子やジュースはすべてこちら負担でした。

そのクリスマス会は、
あくまで幼児のみが対象です。
小学生たちが通う「前」の時間帯で行いました。

クリスマス会が終了。
幼児が帰宅すると、入れ違いに小学生がやってきます。
僕たちの娘も来ました。

それで、
先ほどのクリスマス会のお菓子が余っていたので、
スタッフの1人が、
僕たちの娘に
「これ、あげるよー。どっちがいい?」
と配っていたみたいなんですね。
もとはといえば、
妻が自腹で買っているお菓子ですから。
スタッフとしても、当たり前の感じで
娘たちに手渡していました。

ここが、
まあ、いわば
「僕たち目線」のものの見方です。

その夜、
塾に通う小学生の保護者さまから
お叱りのメールが届きました。
以下、その内容になります
(一部、修正加工しています)

 ↓  ↓  ↓
今日、うちの子が、
塾でずるいなって思うことがあった・・・
と切り出して、事情を聴きました。

普通に算数をしていたときの出来事のようでした。

スタッフの先生が、
枝瀬先生のお子さんの
〇〇ちゃんと●●ちゃんに声をかけて、
どっちがいい?って言ってクリスマスプレゼントを渡していた

と。

目の前で・・。
他の子も「え!?」という感じで見ていたそうです。

私たちにはないのかなって思ったけど、
〇〇ちゃんと●●ちゃんだけだったんだよ。
これくらいのクリスマスプレゼントだった
(手を広げて大きさを教えてくれました)

結局、スタッフの先生から
他のみんなにはプレゼントはなかったと
寂しそうに話していました。

学校で、
先生が生徒たちの目の前で
特定の2人の生徒に声をかけて、
2人にどっちがいい?と
プレゼントを渡すことは絶対にないことです。

そのスタッフの先生が、
特定の2人(特に枝瀬先生のお子さん)にだけ
プレゼントを渡すことはどうなんでしょうか?

スタッフの先生は、
どうして、こんな無神経なことをしたんだと
思います。

枝瀬先生側からすれば、
行き当たりばったりな行動をされて、
受け身側なので
正直、もらい事故なのはわかりますが・・。

今後は個人的なプレゼントを渡すことなどは、
生徒たちがいないところでしてほしいです。
よろしくお願いします。

 ↑  ↑  ↑

妻と二人で、お叱りのメールを読んで、
なるほどなあ、と思いました。

もちろん、非はこちら側にあります。
すぐにお電話をして謝罪しました。
スタッフの先生をはじめ、
我々の配慮が行き届かなかったことは事実です。
次回以降は気をつけます、とお話ししました。

メールをくださった保護者の方も
常識的な方でしたので、すぐに誤解はとけ、
わだかまりもなく許しを得られたと思っています。

それでも、その夜
こういうことって起こりうるよなーーと
妻と二人、腕を組んで考えこみました。

おそらく、
ここには大きな誤解があるのです。

スタッフの先生は、
枝瀬の子どもたち「だけ」にプレゼントを買って配った

という思い込みです。
生徒たちにもそう見えたのでしょう。
生徒たちの一部には、枝瀬の子どもたちだけが
「ひいき」されているように映ったのかもしれません。

だとしたら、それは事実ではなく、

(枝瀬が)自腹で買ったお菓子が余ったから、
スタッフが、それを枝瀬の子どもに配ってくれたのです。

でも、そうは見えなかったのでしょう。
実際、見えるわけがありません。

だから、

「切り取り方」で見える世界は全然変わってしまう

という話です。

本当に、これは怖い、おそろしい現象です。
ちょっとの配慮不足で、
相手から誤解をうけ、怒りを買う可能性まで含んでいる。
「ずるい」と思わせてしまった生徒さんには、
本当に配慮の足りないことをしてしまいました。

今回のお話は、その中でも軽微な出来事で
すぐに誤解も解けたし許しも得られたので、
ここで気軽にシェアできていますが、
実際、学校現場にいると、
「どうして、こんなことになった??」
と思うほど、切り取られ方による誤解やすれ違いによって、
大きなトラブルにまで発生することは珍しくありません。

本当にかわいそうで、
ここでは書けないような経験を何度もしてきました。

だから、余計に思うのです。

たくさんの目を集めよう。

と。

1つの出来事に対して、
切り口や捉え方は無数にあります。
僕には、正直、え、それどうなの??と
首をかしげたくなるような意見もあります。
でも、その人にとっては、「切り口」によって、
本当にそう見えて、そう思えることってあると思うのです。

常々、高校生にも話すし、
僕自身も戒めているのは、
「正解」「不正解」なんてない、ということ。

合っている、間違っている、
という単純な二項対立で、
有象無象の人間社会を
うまく渡りきることなんてできっこないです。

だから、
たくさんの「目」を集めて、
たくさんの人と「対話」して、
少なくとも、
そのコミュニティー内の方向性については、
みんなの合意形成ができているように。
ここは丁寧に仕事をしたいところです。

逆の言い方をするなら、

1人で仕事を抱え込むことほどマズいことはない

なんです。

だって、目線が1つしかないですからね。
そんな狭い切り取り方で世界を見ていたら
ミスコミュニケーションの連続になってしまいます。


ちなみに僕も妻も、
その日起きたトラブルを
水に流すことは天才的にうまい方なので。

強烈なクレームを受けたことも
度々ありますけどね、
あんまり真に受けて深刻にとらえたところで、
深刻であればあるほど、
うまくいかなくなっちゃいますから。

そして、誤解からクレームを受けることにも
メリットはあって、
僕たちの「寛容度合い」がグッと高まることです。

まあ、たいていのことは
許せますね。
だって、きっとその人にはその人なりの
事情があるでしょうから。

人のミスや失敗は許す。

自分がやっちまったことは
潔く、すみませんでしたー、と謝って、
ネガティブ感情は水に流す。
そこは、「業の肯定」。

で、明日、がんばる、です。

学校の先生方は今日で終業式の人が大半でしょうか。
2学期、本当におつかれさまでした。

今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これを読んでくださった
あなたの少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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