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「意味づけ」こそ教育の最高のソリューションである~やわらぎメンマ編

同僚(特に後輩職員)から
よく質問されることがあります。

「なぜ、枝瀬先生の授業のとき、生徒たちはあんなに自主的に活動できるんですか?特に枝瀬先生が出張等で、自習になることもあるけど、そこで(生徒たちが)しっかり取り組めているのが信じられない。秘訣はなんですか?」と。

確かに、僕は授業中、ほとんど教えることをしません。発言そのものが少ないかもしれない。
1つか2つ、今日の授業の目的と課題を話したら、あとはグループ活動が基本です。
僕は周囲をうろうろしているだけ。
生徒が話している内容に、なんとなく聞き耳を立てるだけでアドバイスは一切行いません。

だから、僕がいてもいなくても、生徒がやることは同じといえば同じなんです。
僕が不在で、自習時間になっても生徒たちはいつも通り、グループ活動を続けます。

なにもやらないからラク・・・だから、
そうしているのではありません。
このやり方こそ、
最も生徒の学習効果の高い「仕組み」だと
経験則上、確信しているからです。

実際、このやり方で
勉強面なら、難関国公立大学に進学する生徒多数だし、
部活動なら、個人種目の優勝、入賞が続発しているし、
委員会でも、生徒たちが勝手に行事を盛り上げてくれます。

高いレベルでの相互作用が働き、
お互いに刺激を与えあうことで、
集団全体のパフォーマンスが上がっていく、
そういうシステムの作り方が
わかるようになってから、
僕は本当の教育のおもしろさがわかったし、
ますます勉強に精を出すようになったし、
視野が広がれば広がるほど、
相関するように、
生徒たちの自主的な活動が
活発になってきました。

でも、表面上は
僕が生徒を放ったらかしにしているようにしか
見えない。
それが同僚には不思議なんですね。

このカラクリは
本質的なところがわかってしまえば、
極めてシンプルな法則に従っています。
が、若い頃は自分も全く理解できていなかったです。
尊敬するメンターの教えや実践を学び、失敗を繰り返す中で、ようやく僕にもその境地が見えてきた、というのが本音です。

(放ったらかしでも)生徒たちが猛烈に自主的に頑張ってくれる仕組み。
この仕組みをなるべく、わかりやすく言語化してみたいと思います。

プラシーボ効果ってありますよね?
ニセ薬でも、「効果がある!」と思い込めば、
実際に症状が改善されることがあるといいます。

いかにもうさん臭い話ですが、
僕自身の体験を振り返っても、
「こういうことって、起こりうるよなあ」と思っています。

病は気から、という言葉の通り、
メンタルが肉体に及ぼす影響って大きいですから、有効化学成分が全くなくてもメンタル成分だけで治っちゃうのですね。(万能ではないでしょうが)

なにが言いたいのか、というと、

「意味があると思えばある!!!」

これが秘訣なのです。

詳しく説明します。

勉強する、勉強しない、
あるいは
部活動を熱心にする、しない、
この二つを分かつものは、
そこにどれだけ強い「意味づけ」があるかどうか?です。

ボーっとして、いつもゲームばかりしている男子が、高3の11月ころから一念発起して猛勉強し、難関大学に合格する。
そんなことって、高校教師をやっていると何回も見ているのですが、「受験」という強い意味付けが、その子の中で、はっきり「スイッチオン」できた瞬間、行動できてしまうのです。
これは、もう第三者が関わる以前のお話。

意味付けが弱かったり、
他人から説明される一方では、
結局、その子の中で「意味づけ」ができません。
納得できないから「スイッチオン」になかなかできず、第三者が押したり引っ張ったりを繰り返すのですが、それって本来の教育の在り方とズレているような気がします。
もちろん、母性的な関わりとして、その子に関わることは大事ですが、なんでもかんでも干渉しようとすると、その子の「スイッチ」がどんどん入りづらくなるので注意してください。

大切なのは、
あなたにとっての「意味」を
押し付けるのではなく、
その子にとっての「意味」を
尊重することなんです。

たとえば、ある高校生男子がいます。
その子は、勉強できる、スポーツできる、
よりも何よりも「モテたい」を
最優先事項にしていました(苦笑)

そしたら、その「モテたい」という
動機づけ、意味づけを尊重してあげればいい、
それだけなんです。

それを「モテたい」なんて
よこしまな動機ではなく、
真っ当な考え方で・・・云々、
生徒の価値観に、
大人の価値観を押し付けようとするから、
話がややこしくなってしまう。

ある時期、不純な動機で寄り道してもいいじゃないですか!!
「モテたい」も極めれば、立派な成人男性への道です。

生徒が心から大切にしたいと思っている価値観を尊重してあげる。

生徒が「意味がある!」と言うなら、
それは誰がなんと言おうと
「意味がある!」なんです。

そして、あとは簡単。
生徒の価値観を尊重した上で、
学校生活の活動に、
「意味づけ」を加えるのです。
それだけで、見違えるほど、
生徒たちは自主的に活動するようになります。

桃屋の「やわらぎメンマ」ってありますよね。
僕はあれだけで、ごはんを何杯も食せるのですが、意味付けは、これに似ています。

みなさんも
生徒が今から取り組む活動に、
おいしい「意味づけ」をトッピングしてあげてください。

そのための最適な練習相手は「あなた」自身です。
自分が最もモチベーションの高まる「意味づけ」を自分に与えてみてください。
その効果が一発で体感できますよ。

今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
このコラムが少しでもあなたのお役に立てたら嬉しいです。

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