三菱UFJダイレクトの「現在ご利用いただけない状態」の意外な原因
気持ちはわかる。
でも、何とも言えないもどかしさを抱える身にもなってほしい。
「現在ご利用いただけない状態になっています。くわしくはインターネットバンキングヘルプデスクにお問い合わせください。」
何度ログインしなおしても同じメッセージが表示される、わたしのアプリ。
ただ待っているわけにもいかず、わたしは「インターネットバンキングヘルプデスク」とやらの番号に、電話をかけた。
なかなか電話がつながらないヘルプデスク
電話をかける時は、なんらかの理由が必要だ。
「一緒にごはんを食べに行きませんか？」
「質問があります。」
「…好きです。」
などなど。
でも、今回は自分から電話をかけているにもかかわらず、わたしには明確な「電話をかける理由」がない。
「現在ご利用いただけない状態」がどんな状態なのか、わたしは明確に知らない。
その理由を知っているのは、相手なのだ。
＊＊＊
三菱UFJダイレクトのヘルプデスクがいつも混みあっていて、人間がなかなか出てくれないのは有名な話で。
そのままお待ちくださいと機械音に言われるがまま、わたしは10分程度待った。
「はい、三菱UFJダイレクトヘルプデスクです。」
とりあえず人間だ。
…しばし、沈黙。え？人間…ですよね？
わたしはしょうがなく、わたしの身に今起きていることを、とりあえずそのまま伝えた。
「えっと、三菱UFJダイレクトにログインしようとしたらですね、変なエラー画面が出てですね、『現在ご利用いただけない状態』って出てるんですけど、特に心当たりがないんですね。お調べいただきたいんですけども…メンテナンスでもないですよね？」
こういう時の説明が、本当にニガテ。
焦ると、語尾が閉じれない。
そして、空白ができないよう、余計な質問を重ねてしまう。
「…承知しました。少々お待ちください」
そういって、ヘルプデスクの方は電話を置いた。そして、わたしはまた5分待った。
「お待たせしました。担当の者が確認して折り返します」
仕事中だから電話に出にくいんだけどなぁ…と思いつつ、銀行凍結をこれ以上このままにはしておけない。
わたしは「お願いします」とだけ、答えた。
実録！ヘルプデスク担当者との会話
担当の者からの電話は、案の定MTG中にかかってきて、なかなか出ることができず、何度かすれ違い電話を繰り返しながら、やっと本題について話すことができたのは、5時間後だった。
担当の者は、男の方で、少し怒っているようにも聞こえる低い声で言った。
「〇月〇日の〇時ごろ、◇◇に60万円を振り込みましたか？」
「いえ。あ、えーと、どうだったかな」
冤罪が、世の中で問題になっている意味がわかった。
あまりに意外な言葉だったので、とっさに否定してしまったけど、正直記憶がない。
「あのですね、このお答え次第でご案内の内容が大きく変わります。もう一度、しっかり思い出してください。」
取調官Aは、ちょっと怖い声でそういった。
なぜわたしは怒られているのだ。
急に広がる異空間。泣きたくなってきた。
確かに◇◇には、振り込んだけど、60万円じゃないような…50万円だったような…。
人の記憶とは曖昧なもので、尋問されると、緊張で視点がどんどん狭くなってしまう。
取調官Aは、細かい金額の違いはどうでもいいようだった。
「じゃあ、質問を変えます。いつかは正確ではなくていいので、◇◇に振り込んだ記憶はありますか？」
「あ、はい、それは振込みました。」
そこでやっと、取調官Aの声がやさしくなった。
「現在ご利用いただけない状態」の意外な原因
結局、メガバンクからそれなりに大きなお金でビットコインを買おうとしたことが原因で、「現在ご利用いただけない状態」を招いてしまったらしい。
ある意味、セキュリティ対策がしっかりしているともとれるが、正直かなりびっくりした。
結局、電話がなかなかつながらない問題はあるにせよ、電話さえつながってしまえばそんなに手間もなく、すぐに回復してくれたので、結果的にはよかった。
それだけ仮想通貨周りの事件が多いということだろうか？
それとも、やっぱりまだ、仮想通貨を買うことは、一般的ではないということなのだろうか？
＊＊＊
わたしと同じように、三菱UFJダイレクトにログインできなくなった人へ。
大丈夫。取調官は怖いけど、たぶん普通にいい人です。
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