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五、書くこと。 それは、 自閉症スペクトラムの私を助けてくれるはず。

 私はNHKのあさイチを見た。 その日の特集は「コロナ禍で深刻化?大人の発達障害」。コロナ禍と大人の発達障害?どのような関連があるのだろうかと注視していると、それはパートナー側からの問題提起だった。おうち時間が増え、パートナーの理解できない言動にストレスを感じる人が、 昨今増えているのだという。

 私は四十歳のときに、広汎性発達障害と診断された。いまでは自閉症スペクトラム(通称ASD)と呼ばれている。コロナ禍であろうとなかろうと、 大人の発達障害は「深刻化」ではなく、常に深刻だ。 私は連れ合いの支えで穏やかな日常を過ごしているが、事ある毎に衝突し、連れ合いはその都度戸惑いを感じていたのではないだろうか。

話すことが、とにかく苦手

 私が自閉症スペクトラムで困っていることは、コミュニケーションが苦手なことだ。とりわけ話すのが不得手だ。 一対多のスピーチはもとより、 一対一の会話も不得意だ。 会話は決して嫌いではないのだが、失敗が後を立たない。

 おそらく、話を瞬時に理解して返答しなければならないことが、重圧に感じるのだろう。返す言葉に窮し、詰まってしまうのだ。 言葉が出てこなくなってしまうのだ。想定外の方向に議論が進んでしまうと、会話についていけず、どうして良いのか分からなくなってしまうのだ。

 社会人になって日が浅い頃だった。思いもよらない批判を受けた私は、パニックに陥った。ショックの余り、自分の正当性を主張できなかった。悔しい経験だ。 運よく自分の意見を言えたとしても、舌戦になると大抵は言い負かされる。

 そもそもなぜ舌戦になってしまうのか。それは私が予定調和をブチ壊してきたからだ。 だが、それは純粋に物事を深く理解しようとした結果であり、私に悪意は全くなかった。だからこそ悲しい。

 そんな私だが、書くことに関しては、少しだけ自信がある。学齢期に市から表彰されたこともあったが、今は一番近くにいる連れ合いが、

「ミホは文章がうまい。」 

と褒めてくれる。 

ならば書いてみよう

 書くこと、つまり文章化は、不要になったA4用紙を裏返し、鉛筆を持つところから始まる。頭の中のゴチャゴチャした思考を書き出す。その際に、脳内のメモリを空けることをイメージする。

 書き出すうちに自然と図表が生まれる。丸や四角でで囲んだものがキーワードになる。作業を進めているうちに収束される。テーマが見つかり、ロードマップが見えてくる。

 書き出す作業を続けていくと、取り消し線で見えにくくなる。再びA4用紙を裏返して書き直す。この作業を続けていくうちに、図表が箇条書きへと変わっていく。あとは画像アプリで文字を読み込むなり、音声入力アプリで読み上げて入力するなり、文字テキストにする。そして体裁を整えれば、文章が出来上がる。

 出来上がった文章は、ひたすらPDCAサイクルにかける。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返す品質管理の代表的な手法だが、ひたすらCからA 、つまりチェックと修正を繰り返す。 フルモデルチェンジが必要だと思ったら、Pへ立ち戻って大幅に書き換える。そして、このサイクルを止めたとき、私の意思を表すであろう文章が完成する。

 私にとって、書くことのメリットは三つある。一つ目は、書き出しすと、自分の思考を可視化できることだ。脳内のメモリが空く実感が湧き、快感を得られるのだ。二つ目は、時間をかけて考えをまとめられることだ。時間に追われるプレッシャーが軽減されると、時間管理が苦手な私は大きな安心感を得られるのだ。三つ目は、言葉に対するるこだわりが、良い方向へ作用する点だ。私の主張が伝わっているだろうか。読み手にストレスを与えていないだろうか。一つひとつの問いかけが、文章への探究心を深め、向上心につながるのだ。

書くチカラをつけたい

 目指すは、「書くチカラを伸ばす」 ことだ。話すチカラが劣っている分を、書くチカラで補いたい。コミュニケーション手段として書くチカラを磨いて、活路を見出していきたい。そのためには、二つのスキルが必要だ。一つは、聴くチカラをつけること。二つ目は、文章を書き続けること。

 書きたい、創りたい人々が集うnoteに身を置くことを、私は望んでいる。この刺激的なプラットフォームで。切磋琢磨して。そして、創作活動に励みたい。

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