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#医者
遅すぎるのは承知だが謝りたい
≪看護師さん、ごめんなさい≫
その看護師さんは、研修医時代からの知り合いで、若いころの写真はアイドルのようにポーズをとって笑っていた。機知に富み仕事もできた。同世代であり話も合った。40代で彼女は主任となり、ゆくゆくは師長となるはずだった。
自然気胸の患者さんに胸腔ドレーンを挿入することになり、彼女が介助についた。患者さんの脇にメスを入れるが、介助が一向にすすまない。彼女はうろうろ、おどおどする
患者さんはえらい、なぜできるのだ
≪尿検査≫
患者さんはえらいと思う。「じゃ、尿を取ってきてください」と言うと、たちどころに提出してくれる。
私の場合、「取れって言われてもなぁ」と、便座にすわり採尿のコップを握りしめて待つが、尿道括約筋は凛として引きしまる。人感センサーのついたトイレではライトが消えてしまうので、便座で手を振ったりしている。誰も見ていないからいいが。
心電図では看護師さんに何回も「力を抜いてください」と言われても
数学者に引き算をさせた医者
医学部の学生時代、医者は自分の専門とする病気で死ぬというジンクスを聞いた。循環器科は心筋梗塞、脳外科は脳卒中、消化器内科は腸の病気でという具合に。法医学の教授は「俺は殺されるということか」と憂鬱そうであった。
認知症の診断のための長谷川式認知症スケールを考案した長谷川医師は、晩年、自らも認知症となり、2021年冬に亡くなった。
認知症スケールの中に、「100から7を引いていく」という設問がある。1