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アドラーさんがいちばん言いたかったこと~「幸せになる勇気」を読んだ~

以前読破した「嫌われる勇気」の続編「幸せになる勇気」をようやく手に入れて、さっそく読んだ。前作の「嫌われる勇気」を概説&基礎編とするならば、今作の「幸せになる勇気」は、実践&応用編という感じ。


あれから3年経ち、青年は教師に転身したものの、壁にぶつかり再び哲人のもとを訪ねるところから始まる。教育に端を発した議論は、仕事、友情、ついには愛にまで及ぶ。

アドラーの思想を実際に社会の現場でどう生かすべきか、より具体的に提示されている。ただ、一回読んでみてもまだモヤモヤして少々納得いかない点もある。特に「ほめてはいけない」という部分。べた褒めは確かによくないと思うが、相手の良い所をちゃんと認めてあげるべきだと思うんだけどな。

共感できるところもある。自分だけでなく、相手のことも真っ先に信じること。確かにこれは勇気のいることかもしれない。しかし、自分から信じるということをしなければ、友情も愛も生まれてこないのではないかと思う。要するに自ずと動いていかないとダメなんだな。4章と5章を読んでようやく哲人(アドラー心理学)が一番言いたいことが見えてきた気がする。お互いに信じあえることができれば、自分の周りだけでなく世界も平和になれそうな気がするんだけどな。

こうして、「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」を合わせて読み終えたわけだが、人間関係の作り方に一石を投じる、まさに目からうろこの考え方だと思う。

「嫌われる勇気」を読んだ時にも書いたんだが、アドラーの考えは、心理学なのか哲学なのかカテゴリーがあやふやなところはある。けれど、「過去や他人にとらわれず、自分や周りの存在を信じ、自分から幸せを作る勇気を持て」という、とても分かりやすい指針であることは理解できた。

高校の時、倫理の授業を受けたことがあるのだが、哲学やら心理学やら複雑に絡み合って何を言いたいのか、さっぱりわからずにそれらから遠ざかっていた。青年と哲人のやり取りを通して、これまでの概念を覆した全く新しい心理学があることに、倫理の授業が分からなくてもすんなりと入り込めたことに、新たな発見を感じた。続きを読んでやっぱりよかった。

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