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揺れ動く鼓動

ご存知の通り、世の中は緊迫した空気に包まれている。
こういった背景もあり、正直ここでの発言を自粛しようと考えていた。
理由の一つを挙げるならば、現実逃避した話題を持ちかける事で平和ボケしていると思われるからだ。
然し、悲劇と隣り合わせにある喜劇はこの様な時にこそ不可欠であるのだ。
個人の力など限られたものだが、多少なりとも緊迫した空気を和らげる効果があるとするならば…
いや、待てよ。
このまま話を進めると難しい課題へとまっしぐらだな。
そうそう、そうではなく、緊張を和らげるには箸休めが不可欠だな。
ホラ、いや、ホラ話ではなく、ほら、コッテリしたおかずばかりを食していると胃もたれや消化不良になりかねないからね。
そんな時にこそ箸休めの漬物や味気ないものが必要なんだよなぁ…

わーお!

てな具合で、害のないるろうな話を進めうかな♪

誰もが迷いと常に戦っている。
そもそも迷いがなければ全て旨く行く。
だが、迷いがあるからこそ大いに悩み苦しみ、そして考える。
人は考えることで大いに学ぶ。
もしくは何も学ぶことなく散っていくかもしれない。
そこに人生の醍醐味が詰まっているのだろう。

こういった事柄と直接関連するかはともかくとして、今回は「バグダッド・カフェ」という作品を紹介したい。

簡単なあらすじを説明すると、ドイツからアメリカのラスベガスを目指し観光に訪れる夫婦。
訳ありなのか、二人はお互い怪訝そうに振る舞う。
やがて二人は口論となり、妻を置いて夫は車のトランクから荷物を置き立ち去る。

荷物の中に黄色のポットもあったが、妻はその存在を知らずに前へ進む。
しばらくすると、男が乗った一台のトラックが妻に近付き行き先まで送ろうと声を掛ける。
妻は一瞬の間迷うが、断ってさらに前進する。

トラックが妻の場所から立ち去ろうとしたとき、荷台に見覚えのあるものを確認する。
それは黄色いポットだった。

トラックが行き着いた先はガソリンスタンドとモーテールが隣接するカフェだ。

男はトラックから降りると妻らしき女性が声を掛ける。
「コーヒーマシーンはどこ?」
その問い掛けに男は戸惑う。
女性は満足に用事を片付けることができない夫を罵る。
すると男は自尊心を傷付けられたことに腹を立て、感情に任せその場を去る。

女性はどうやら心ここに在らずといった様子で途方に暮れた。

しばらくすると、近所では見かけない女性が歩み寄って来る。

お互い知らない仲だ。
ドイツから観光に訪れた女性はモーテルに宿泊したいと尋ねる。
そしてもう一人の女性は宿泊を許すが、見慣れない女性をきな臭いと感じる。

ここから二人の女性を通じて物語が進む。

この作品はそれぞれのすれ違いを解消する内容となる。
ドイツから訪れた女性はジャスミン。
カフェとモーテルを切り盛りする女性はブレンダ。
二人は生い立ちも違えば価値観も違う。
だが、触れ合うことで共通点を見つける。
それは既に失った過去だ。
過去は決して帰ることはない。
何よりも二人に不可欠だったのは自己の解放だろう。

解放できなかったから現実に対し憤りを感じる。
その結果、周囲に対し無意味な攻撃をする。
残念なのがそういった真意に気付かないことだろう。
だから相手を受け入れず、勝手に壁を作り気に入らない相手に対し無条件に攻撃をする。
要するに悪循環の連鎖なのだ。

お互いを認めるには時間を要する。
じっくり話し合い認め合う必要があるからだ。

やがてジャスミンは周囲から認められる。
存在の意義を感じたジャスミンはよりこの場にいる人間から信頼を得たいと思う。

一方のブレンダも当初はジャスインを嫌っていたが実は偏見だと気づき始める。
その頃から二人の距離が縮まり関係性を意識する。

ジャスミンが持っていた荷物は夫のものだったのだ。
当然ながら私用品が違うので使い物にならない。
しかし、何やらジャスミンには理解できないものがその中に含まれていた。
それは手品の教材だったのだ。

これらを習得するとジャスミンはブレンダに手品の腕前を披露する。。
そして二人はこの小道具を使い店を繁盛させようと試みる。

ジャスミンの考えは見事的中する。
ブレンダもジャスミンとの交友を明確にした後、二人は次第に不可欠な関係となる。

もっとこの作品を知りたいと思ったら是非ともお勧めしたい映画だ。
特に若い世代の人にこの映画を鑑賞して頂きたい♪

改めてこの作品を鑑賞して痛感した事は、作品としての争いは無害となるが、現状は混沌とした有害なものでしかないという点だ。

戦争に限らず喧嘩も同様、仕掛けるのはとても容易だが、終わらせるにはどちららかが飽きるまで続くと云う無念さである…

終わり…

ではなく、

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