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後悔

人は幾度となく後悔する生き物でありながらも、同時に失敗を学ばない生き物でもある。
恐らく、その背景に潜むヒントには刺激を求めている欲求が隠されているかも知れない。

個人的には全てを学ぶ必要はないと思う。
それに全てを学ぶことは不可能であるからだ。
言い訳がましく聞こえるだろうが、失敗は最大の教訓だと思う。
また失敗から学ぶことは沢山ある。
そして何を学んだかにより感受性が問われる。

ちと難しい解釈かな?
まぁ、いいか。
解釈自体に正解などないからね。

うっふ〜ん♪

で、こういった事柄を交差すると楽しめる映画を紹介したい。
「アメリカン・アニマルズ」という作品だ。

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この作品の冒頭に「実話に基づいた作品ではない…」という後に、「事実である…」と繰り返される。

最初に物語を説明すると、退屈しのぎに大学生四人組が希少価値の高い図書館にあるジョン・ジェームズ・オーデュボンの「アメリカの鳥類」を盗み出そうと計画する内容だ。

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彼らは慎重に計画を練り犯行に手を染めようとするのだが、最初は入念な変装をし、それぞれのアリバイを完璧に仕立てたつもりで実行に及ぶのだが、本来であれば管理人が一人しかいない部屋に四人いたことで学生らは怯み、計画を断念し出直すことにした。

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何事にも言えることだが、全てがシナリオ通りには行かない。

次に考えた計画は二人が「アメリカの鳥類」が展示されている部屋に入り、一人が管理人をスタンガンで襲い、次に体をを押さえ込みもう一人がガラスケースに入った「アメリカの鳥類」を出し、裏口から逃げる予定であった。

他の二人のうちの一人が車で待機し、もう一人が周囲を観察する役割だ。

本来であれば誰も傷つけずに事を済ませるはずだったのだが、結果的に人を傷つけ事態が大きく膨らんでしまう。

この物語の醍醐味を語るならば、実在の本人と再現映像で演じた役者が交差しながらドキュメンタリーとノンフィクションが混じり合う構成となっている点だ。

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向かって左側が役者で右側の人物が本人だ。

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こちらも同じく向かって左側が役者で右側の人物が本人である。

映画なので実際に起った出来事を脚色しながらも、事実に接する仕上げとなっている様だ。

実験的な映像といえばそれまでだが、背景が事実なので映像を追う毎に緊迫したシーンが連発する。

ややネタバレとなるのかなぁ…
その後、実在の人物四人は実刑で刑務所に7年間過ごした。
それぞれが思い出すかの様に語りながら役者が演じる。

過ちを反省しているからこそ、この作品が成り立っているのだろう。
何より彼らは失敗から学んだから映画製作に協力したのだろう。
それ故に冒頭で「事実」と語られているのだと感じた。

後悔はその場しのぎでしかない。
本当に過ちを認めるのであれば誠意を尽くすしか方法がないのだろう。
いくら言葉を重ねても事実は変えられない。

要するに消しゴムで消し去るものとそうでないものがこの世に存在するということなのかも知れない。

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