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欲望は肥大化する哀しいお話し

随分前に、と言っても二十台の頃なので大昔と称しても過言ではないが、ある人生の先輩に『人の欲望は誰もが同じ度合いな訳で、大きいか小さいかの違いでしかない』と語った事が印象深い。

例えば憧れのブランド品が存在する。
ボキの様な低所得者であれば、購入できる範囲の価格帯を選ぶ。
反対に高給取りの人も購入できる価格帯を選ぶ。
即ち、憧れる対象物は同じでも価格帯に開きがあるのだ。
片や五万円、片や百万円となる。
ご理解して頂けただろうか?

それにしても人が抱く欲望というのは尽きないものだ。
食欲然り、性欲も然り、物欲も然りとキリがない。

これらに直接直結するのかは人の判断に任せるとして、この絵本と出会ってから人の欲深さを垣間見れ、反面教師となったのも事実である。

タイトル 『おおきな木』

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現在の翻訳は村上春樹氏が担当している様だ。
ボキの手元にあるのは、ほんだ きんいちろう氏のものである。

最近の翻訳は読んではいないが、さほど変わりはないと思われるのでどちらを読んでもこの絵本の良さは伝わるはずだ。

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少年はおおきな木と出会い最初は無邪気に遊んでいた。
しかし少年が成長を遂げると、次第におおきな木と遊ばなくなり様々なものを要求する。
最初は枝にある果実を求め、挙句に家を建てるから犠牲になれと要求する。
それでもおおきな木は少年の要求を無条件に飲むのだ。

ここまで説明すると切ない内容として捉えるだろうが、まさにそのままなのだ。


読み進めると必ず何かを感じるはず。
間違いなく大人の方が心の奥底に響くのではないかと思う。

それにしても、仮にボキだったら、おおきな木の様に無条件に相手の要求に応じられるだろうか…
いや、無理だね。
だって、間違いなく見返りを求めると思う。
残念ながら人として失格かもしれないが、先ず人として欲望が根付いているから。

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