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完全犯罪

我が家にはテレビがないので、昔の記憶を辿るしかないのだが、今も火曜サスペンス劇場をはじめとした二時間枠のサスペンス番組は放映されているのだろうか?

今でこそサスペンスというジャンルは当たり前に存在するが、やはり元祖といえば、ルイ・マル監督初の長編映画、邦題「死刑台のエレベーター」だろう。

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日本国内でもリメイク作が以前に放映されたので、おおよその物語はお判り頂けるだろう。
単純に説明すると、この作品は「不倫」「完全犯罪」「密室」を織り交ぜた作品となっている。
ざっくりと概要を説明すると、ジャンヌ・モロー演じる社長夫人のフロランスとモーリス・ロネ演じるジュリアンは愛し合っていた。
先ほどの説明にもある様に、この二人の関係は健全な関係とは程遠い不倫なのだ。

この二人は愛し合うあまり大胆な計画を立てる。
それは邪魔者のフロランスの夫を殺害する事だった。

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建物の外から社長室に入り、拳銃で殺害後、ジュリアンは拳銃を夫に握らせ自殺と見せかける。
すぐにその場を出たジュリアンだが、社長室に入る際にバルコニーの手すりに縛ったロープを忘れた事に気付く。

証拠隠滅も成功し、無事に事が済むはずだったのだが、エレベーターに乗り込みフロランスが待つ場所へ向かおうとしたのだが、建物の管理人が帰る際に電源を落としてしまったのだ。
エレベーターは当然動かない。
このアクシデントにジュリアンの気持ちは焦るばかり。

また、ジュエリアンを待つフロランスも帰りが遅い事を心配し、もしや失敗したのではないか…などとジュリアンが置かれた状況を知らずに違う焦りを見せるのであった。

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エレベーターという密室に閉じ込められたジュリアンは脱出方法を考える。
だが、時が経つに連れて苛立ちと不安が交差する。

まだ鑑賞していない方々のために、これ以上は話しません。
さて、これからは個人的にこの映画の優れた点を紹介する。
先ず、この映画のサントラで使われた音源はマイルス・デイヴィスが担当している。
因みに映画音楽で初めてジャズが起用されたのがこの「死刑台のエレベーター」なのだ。
スリルとサスペンスが相まって、ジャズ特有の即興音楽が見事に画面上のシーンを引き締めている。

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もう一つ、ややネタバレになってしまうが、この映画でフロランスとジュリアンは愛し合っているにも関わらず、電話での会話しか共演がないのだ。
そして最後のシーンで、二人が並ぶ写真が現れる。
しかも、二人が幸せそうに映る写真は燃やされて終わっていくのだ。

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ある意味、ロマンチックな終わり方だと思う。
愛するのに代償はないが、愛し方を誤ると報いを受けなくてはならないといった暗示なのかも知れない。

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それにしても、この当時のジャンヌ・モローは素敵だよな〜♪
他のヌーヴェル・ヴァーグ作品に比べると観やすい映画だと思います。

気になった方々は、すぐにでもレンタル店へ、レッツ!郷ひろみだ♪

きゃっ☆

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