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すすめ

ときに人生を振り返りることは誰にでもあるはずだ。
こういった場合、今よりも向上した生活や、若さゆえ勢いに任せ無茶した時代を懐かしむとか。
理由は様々だろう。

個人的に思い出は心の片隅に預け、現在を直視しつつ目の前の家族や恋人を大事にした方が懸命だと思う。

恐らく過去にこだわる人の殆どが今という日を充実していないのだろう。
そのため過去を懐かしむのだろう。
その中には他人には到底理解できない私的な事柄が脳裏を駆け巡り、克服できないまま苦しむ人も少なくないだろう。

てな訳で、このような戯言が直結するとは限らないが、「ONCE ダブリンの街角で」という作品を改めて鑑賞した。

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この作品は低予算ながらも高品質な出来栄えとなっている。
物語も至ってシンプル。

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路上を舞台とし活躍するミュージシャンの男性と、チェコから移民としてアイルランドにやってきた花を売る女性が織りなす交友を描いている。

この二人には共通した悩みを抱えていた。
形こそ違うが、それぞれ過去のわだかまりから解放できず、目に見えないもどかしさを引きずって生きていた。

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かつて男性には過去に交際していた女性との想いが壁となる。
そのため前へ進もうと努力をするが、自分が置かれている現状を考慮すると、父親と生活をする上で事実から逃れては駄目だと痛感する。

また以前に交際していた女性はロンドンへ移り淡い期待を秘め男性を待つ。

女性が抱く想いを汲み取っていたかは定かではないが、男性もいつか音楽で出世したいと考えていた。

一方の移民の女性は、祖国に恋人を残してきた。
恋人との愛の結晶である子供は予想外の出来事だったのは不明だが、女性は子供と共に海を渡り何らかの稼ぎが必要だったのだろうか。
もしくは、答えを見つけるからこそ不可欠だからだったのか……

こういった背景を背負いこの二人が出逢う。
ここで断っておくが、この物語は安易なラブストーリーではない。
むしろ自律を意識するヒューマンドラマだ。

ここでゴタクを並べると面白みがないので、興味がある方は是非ともDVDか配信サイトにて鑑賞して頂きたい♪

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で、この物語はハッピーかと思うと、そうではない。
それに出会いは「きっかけ」でしないといった要素を残しつつ、人間があるべき場所を知らせる小さな物語でもある。

何より、劇中に流れるこの曲が作品の要となっている♪

どのような場合でも過去は過ぎ去ったものでしかない。
良くも悪くも今を意識し大事にする必要があるはずだ。
すすんでナンボ。
なのだろう。

わーお!

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