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テリーの頭の中って?!

本当、よくもまぁ、こんな(良い意味で)作品を作るよなぁ!と、毎度驚かされる映画監督の一人と言えば、個人的にはテリー・ギリアムは外せない。
その理由の一つに、若い頃「モンティ・パイソン」の洗礼を受けたからだ。
特に「モンティ・パイソ」で学んだ事はユーモアと皮肉である。
これらを織り交ぜると陰険な性格を連想されがちだが、確かにその通りだ♪
だが、最も重要なのはユーモアと皮肉の使い方である。
これらが上手く噛み合わさるとセンス(感性)に直結する。
即ち、「面白い!」「センスがいいね!」となる。
また「モンティ・パイソン」の笑いはアメリカを代表する「サタデー・ナイト・ライブ」の様な、「ドッカーン!」と笑わせるお笑いと比べ、どちらかと言うと、「…クスクス」と判る人だけを引っ張る笑いが殆どである。
ここまで話すと「差別」に繋がりかねないが、「モンティ・パイソン」は「差別」から逃げるのではなく、むしろ受け入れる事で誤解を招き、見る側に嫌悪感を与える事も珍しくない。
「モンティ・パイソン」を語り過ぎると長文になるため、今回は「モンティ・パイソン」唯一のアメリカ人であるテリー・ギリアムに限定させて頂く。

で、テリー・ギリアムもまた誤解を招く映画監督でもある。
人によって「つまらない」「面白くない」「訳がわからない」といった三拍子が揃う理解不能としても名高いの確かだ。
反対に、「何これ!?」「わーお!」「おいおい、ちょっと!頭わるくね?!」などと三拍子どころか、玉川カルテットの芸並みに規則正しい反響もある天才と称えられる映画監督でもあるのだ!

なんのこっちゃ

まぁ、オタクな空気の読めない子者並みのゴタクはこの辺にしておき、テリー・ギリアム監督が描いた作品の中から今回は邦題「バンデッドQ」を紹介したい。


この作品も世間一般常識からすると「ぶっ飛んでいる!」部類に入るが、こちらの作品はテリー・ギリアム監督が描く初めての子供向けの映画となる。

主人公のケヴィンは歴史が好きな少年だ。
両親と三人で暮らしているのだが、両親はケヴィンよりも家電やステイタスに関心がある様だ。


そういった空気を読むケヴィンは家族と暮らしながらも孤立感を覚える。
そんな中、突如ケヴィンのクローゼットから6人の小人が現れる!
しかも小人たちは創造主(神)から盗んだ時空を自由に操れる地図を手に、あらゆる時代へ行き来し、財宝をくすねるコソ泥でもあった。


だが創造主は指を加え小人らを許す訳がない。



小人らは逃げ出すのだが、なぜかケヴィンまでも巻き添えとなり、あらゆる時代へと旅する事となる。

小人らは創造主から逃げられたと思っていたのだが、実は地図を狙う別の者が小人らを見張っていた。


その正体は悪魔であった!
しかも悪魔は小人らを追跡しつつも、天候を左右したり、怪物に襲われるかの様に見せかけたりと、冒険させておきながら自身が居る場所に誘導をしていた強かな頭脳を持っていたのだ。

更に小人らは歴史上で活躍するナポレオンや、ロビンフッドとアガメムノン王とも出会うから驚きだ!
更にタイタニック号まで出現し、マクドナルドのバリューセット以上のてんこ盛りで出血大サービスとなる!

わーお!


しかもナポレオンは、自身の身長の低さを常々ご不満の様子。
そのせいか、長身の部下に囲まれるのをとても嫌がる。
恐らく、イメージ的に↓こんな感じだからなのか?!


ナポレオンは自身と同等の背丈である小人らを受け入れた。
また小人らは調子に乗り、親切に振る舞うナポレオンを酒で酔わし、隙を見て財宝を盗み違う時代にタイムスリップする。

成功したかと思いきや、次なる時代に小人らは盗賊に襲われる。
しかも苦労して手に入れた財宝をあろう事か、ロビンフッドに没収されるのだ!

またもわーお!

現実ではあり得ない事柄が交差する。
美術セットも独創的でテリー・ギリアム・ワールドが満載なのもこの映画の醍醐味である!


しかもアガメムノン王をショーン・コネリーが演じている!


出演時間は短いのだが、テリー・ギリアムの映画に出演している時点で夢のコラボじゃね?

一時はケヴィンと小人らははぐれ、ケヴィンはたまたまアガメムノン王が巨人と戦っている場所に出会す。
また、偶然にも二人が戦っている真上からケヴィンが落ち、アガメムノン王を助ける形で巨人に勝利するのだ。

それを喜ぶアガメムノン王はケヴィンを養子に迎えるのだ。
ケヴィンも満更ではなかった。
現実では両親から愛されず常に孤独だったからかも知れない。
ここで骨を埋める覚悟を持ったケヴィンだが、小人らはそう易々と思い通りにはさせてくれなかったのだ。



それだけではない。
虎視眈々と地図を狙う魔の手が小人らを襲う。



危機に立たされる小人らとケヴィンの運命は如何に!

他の作品と同様、テリー・ギリアムの作品を語る上で物語よりも全体の世界像、演出、役者から放たれる印象深い台詞など、細かな点を意識すると個人的には楽しめると思う。


当然だが、この作品は時代的にCGが存在しない。
そう考えると、セットが絵画の様に忠実に再現されている部分を見るだけでも凄さがより感じられる。


悪魔に豚に変えられる小人の一人とケヴィン。

やっぱ、笑いの原点は「モンティ・パイソン」にある様で、ユーモアもまた格別である♪


因みに、この作品の制作総指揮はビートルズのジョージ・ハリスンだ。
テリー・ギリアム監督作品ではないが、同じく「モンティ・パイソン」のメンバーであるテリー・ジョーンズが手掛けた「ライフ・オブ・ブライアン」もジョージ・ハリスンが制作総指揮を手掛けている。
機会があれば紹介したい作品の一つだ♪
それにしても、この作品の最後に流れるBGMがまたいいんだよな〜!


♪Always Look on the Bright Side of Life〜♪
♪ピュピュ、ピュピュ、ピュ、ピュ、ピュ、ピュピュ〜♪




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