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地球上にある課題を、繋がりとデザインで紐解く。 自然科学、人文科学、社会科学の統合を肝…

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地球上にある課題を、繋がりとデザインで紐解く。 自然科学、人文科学、社会科学の統合を肝に、認知科学と発達心理に焦点を置く。 現在は Circular Economy, Sustainable Design, Well-being, Creative Innovationを探究。

最近の記事

Design for ALL:ユニバーサルデザインを今一度知る、自然化していく社会に必要なSENSE WARE

今回は、Innovation Designについて、ユニバーサルデザイン総合研究所所長 赤池学氏にお話を伺った。 1)なぜユニバーサルデザインに惹かれたか?まず、赤池さんはこの問いに対して、様々な企業事例をもとに、継続的に新しい価値を生み出す仕組み・体制、イノベーションへのアプローチについて語ってくださった。デザインとは、名詞ではなく、動詞であるという。 ユニバーサルデザインは、「Design for ALL」を掲げている。 Design for ALL 70億人、そし

    • DESIGN × DISASTER、災害対応は自分の習ったことだけを落ち着いてやる。防災の意識を持つこと。デザインの役目。

      今回は、国士舘大学の教授であり、ミズノのコンサルをされている 佐伯潤氏に、災害対応の基礎について学ばせていただいた。 1)災害対応の基礎 災害対応は、災害が起きてから72時間における対応のことであり、防災は、事前に防ぐことだけでなく、災害対応、そして、復興までを含むとのこと。そして、佐伯先生のレクチャーは、クイックワーク(クイズ)から始まった。個人的な感想だが、こんな風に災害対応を学んだ経験は初めてだった。そして、デザイン出身ということもあり、プレゼン資料も綺麗で、むしろ楽

      • 文化が継承されるか、自然淘汰されるかは市場が決めること。でもだから、自然消滅する前に価値を顕在化させる。

        今回は、モノの取り扱いとモノづくり、情報(体験)の取り扱いを行なっている、地域文化商社うなぎの寝床 代表 白水高広氏に、地域文化とは何か、どうビジネス化して価値を編集していくのかについて、お話を伺った。 うなぎの寝床の方では、地域文化を顕在化し、既にある工芸品をりブランディングしたり、リメイクしたりして、土地性を紐解き、流通を担い、交流を生み、風景をつなぐ地域文化商社である。詳細は下記より。 UNAラボラトリーズは、九州の文化を深く探究し、訪れる人と共に九州の更なる魅力を

        • アフターデジタル時代のTECH×REALの融合と、忘れたくない何のために?という意味

          今回は、株式会社beBIT 東アジア営業責任者の藤井保文氏にお話を伺った。ビービットは、アフターデジタル社会に対応するためのUX志向のDX支援パートナーとしてコンサルティング及びUXのチーム定着支援を行っている。 1)サービスデザインをする際に読みたい著書藤井氏は、『アフターデジタル』『AFTER DEGITAL VER2』の著書として話題を集めているサービスデザイナー。藤井氏は、自らの中国駐在経験から今の日本に必要な論点を提示し、もともとUXの考えなどがあまりピンときてい

        Design for ALL:ユニバーサルデザインを今一度知る、自然化していく社会に必要なSENSE WARE

        • DESIGN × DISASTER、災害対応は自分の習ったことだけを落ち着いてやる。防災の意識を持つこと。デザインの役目。

        • 文化が継承されるか、自然淘汰されるかは市場が決めること。でもだから、自然消滅する前に価値を顕在化させる。

        • アフターデジタル時代のTECH×REALの融合と、忘れたくない何のために?という意味

          Contemporary Thought×Newest Technology:新しいカタチを創造し、体験を進化させ、手にした人の心を動かす「もの」の価値

          今回は、伝統と先端を掛け合わせてデザインしていくことについて、独自の道を歩まれている secca代表の上町達也氏にお話を伺った。 上町さんは、金沢美術工芸大学卒業後、「ニコン」のデザイン部を経て、上町達也・柳井友一・宮田人司の3名が中心となり活動するアーティスト集団、「secca inc(株式会社雪花)」を設立、代表取締役に就任した。先端3Dデジタル技術を基盤に、伝統技術を掛け合わせた独自のものづくりを展開されている。 新しいカタチを創造し、体験を進化させ、手にした人の心

          Contemporary Thought×Newest Technology:新しいカタチを創造し、体験を進化させ、手にした人の心を動かす「もの」の価値

          転機は時代屋、ひとりの熱狂者とデザインの力がゆるやかに笑顔を生んでいく

          今回は、建築やインテリアだけに留まらず、家具やプロダクトのデザイン、工房運営、そしてプロトタイプ展01-04などの展示会デレクションまで行う株式会社芦沢啓治建築設計事務所代表 芦沢啓治氏にお話を伺った。 芦沢さんは、横浜国立大学建築学科卒業後、1996年~architecture WORKSHOPに参加、2002年に家具製作工房 super robot に参加。そして2005年に芦沢啓治建築設計事務所を設立された。2011年には石巻工房を設立されている。多岐にわたるプロジェ

          転機は時代屋、ひとりの熱狂者とデザインの力がゆるやかに笑顔を生んでいく

          ちいさくて豊かなコミュニティーの創造は、文化人類学的な探求からはじまった

          今回は、小さい豊かなコミュニティーの創造について、浅草の呑める魚屋 魚草 店主の大橋磨州氏にお話を伺った。 冒頭、武蔵野美術大学 大学院の若杉教授から、江戸時代の在りようについて、コメントがあったのでそちらから紹介したい。 1)江戸時代のコミュニティー状況って?江戸時代に「コミュニティー」という言葉は馴染むほどに使われていなかったのだろう、と察するが、令和の時代に生きる私たちが見習うべき要素が多様にある。例えを挙げるとこんなところ・・・ ▶︎江戸時代のちいさくて豊かなコ

          ちいさくて豊かなコミュニティーの創造は、文化人類学的な探求からはじまった

          DESIGN DIALOGUE:Faculty of Creative Innovation, 経験経済時代の意味のイノベーション

          今回は、株式会社インフォバーン取締役 京都支社長 INFOBAHN DESIGN LAB(IDL)主管 デザインストラテジストの井登友一氏にお話を伺った。 井登さんは、デザインコンサルティング企業においてエクスペリエンスデザインの専門事業立ち上げに参画後、2011年にインフォバーンへ入社。京都支社を設立後、デザインイノベーション事業に特化した事業部(IDL)設立を行い、現在は京都支社長を勤めていらっしゃる。そのほか、日本プロジェクトマネジメント協会や人間中心設計推進機構、大

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          有機性と機械性のバランスを保つことで、工業化時代から抜け出す

          今回は、九州大学芸術工学研究院の古賀徹氏に「インダストリアル以後のデザインとリーダーシップ」についてお話を伺った。昨年に出版され話題の著書を呼んだ「デザインに哲学は必要か」にも執筆されている。 1)いまも残る工業会時代のデザイン思考 古賀さんは、いまも工業会時代のデザイン思考が残り続けるがゆえの弊害があるという。例えば、現存する例を挙げると下記だ。 ▶︎いまも残る工業会時代のデザイン思考 ・機械による大量複製を前提としたプロトタイプ制作 ・目的達成のための合理主義的機能主

          有機性と機械性のバランスを保つことで、工業化時代から抜け出す

          共創の原理:表現活動からシステム設計を経て、創造性の基盤を探り、創る。

          今回は、学生時代からメディアアーティストとして活動され、アルス・エレクトロニカで受賞されたり、日本未来科学館の「インターネット物理モデル」を手がけたり、インターネット黎明期から様々に活躍されている、産業技術総合研究所の江渡浩一郎氏にお話を伺った。 下記の著書で大変有名だが、江渡さんの一貫した関心と革新力は話を聴き飽きないほど。創造的な場を支える仕組みについて研究されている。そんな江渡さんの学生時代から現在までを振り返っていく。 1)大学時代のメディアアーティスト作品『We

          共創の原理:表現活動からシステム設計を経て、創造性の基盤を探り、創る。

          Design with Precision and Flexibility、ちょっとした造形が雰囲気や行動を変える

          今回は、数々の優れたインテリア用品から高級品、そして建設事業のデザインなど多岐にわたるデザインをされてきた、インダストリアルデザイナーの 川上元美氏にお話を伺った。 1)川上氏が手掛けてきたデザインの数々 デザイン性の優れた、気の利いた、日常生活の用品。 ソファやチェアから、テーブル、ベッド、ナイフ、などなど多数。詳しくは下記から参照されたい。 2)時代を超えて愛されるシンプルかつモダンな佇まい川上氏は、新ヤマハホールで使用されるホールチェアの依頼がきて、機能を最大限に生

          Design with Precision and Flexibility、ちょっとした造形が雰囲気や行動を変える

          執念のようなモノづくりにかける精神が、ストーリーを生み、ブランドとなる。

          今回は、soup stock tokyoの創業期から関わり、ブランディングから運営までのトータルプロデュースも手掛けられている、雨上株式會社の代表 平井俊旭氏にお話を伺った。 平井さんは、もともと武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科を卒業。その後、無印の旗艦店を手掛けるインテリアデザイン事務所の株式会社SUPER POTATOに勤務。その後、2001年に異職種の株式会社Smilesに入社、創業期より「Soup Stock Tokyo」のブランドづくりに携わる。 1)「So

          執念のようなモノづくりにかける精神が、ストーリーを生み、ブランドとなる。

          共創的な在り方が、未知のビジョンを生んでいく

          今回は、サービスデザインのアプローチで価値ある体験と社会の仕組みをつくるパートナーとして企業や学校とプロジェクトについて、株式会社グラグリッド 代表/ビジョンデザイナー 三澤直加氏にお話を伺った。 1)共創パートナーとしての専門性三澤氏は、デザインのアプローチで社会課題を解決する"共創パートナー"として、企業、自治体、学校と多岐に渡り連携して、アイデアが生まれる仕組みを作り、共創の場を活性化させる仕事をしていらっしゃる。具体的には、価値ある体験と社会の仕組みをつくるため下記

          共創的な在り方が、未知のビジョンを生んでいく

          中高生から学ぶイノベーション×地域活性について

          今回は、若者へのイノベーション教育の普及に従事する、一般社団法人i.club代表理事 / 東京大学 i.school アシスタント・ディレクター 小川悠氏にお話を伺った。 小川氏が手がける、イノベーション・クラブ活動 i.club(アイクラブ)は、高校生へのイノベーション教育と、そこから生まれたアイデアの事業創出を大人と目指すことによって、地域がイノベーションを起こすキッカケをつくることを目指している。 1)東日本大震災をきっかけにイノベーション教育を中高生へ届ける小川氏

          中高生から学ぶイノベーション×地域活性について

          ニッチでも強く射抜くこと、それが家具を超えたコトを生む

          今回は、家具デザイナーの藤森泰司氏にお話を伺った。 藤森氏は、空間との間で、家具だけで、何かを産もうとするのが長けている家具デザインに長けていらっしゃる。ささやかなところに意味を見出し、デザインしていくのが得意だ。3Dプリンターは楽だが、あえて使わず、模型を作る過程も考えながら、プロトタイピングすることもある。 目次 1)一番大切なことを解決してあげる、デザインの掟 2)「リ・デザイン」とは? 1)一番大切なことを解決してあげる、デザインの掟 ・どこでも応用効くような

          ニッチでも強く射抜くこと、それが家具を超えたコトを生む

          笑いとは、緊張と緩和で生まれるものだ

          今回は、サントリーデザイン部 部長 水口洋二氏にお話を伺った。 目次 1)「面白い」って何だろう 2)面白いサントリーデザイン 3)オモロイを創り出すデザイン戦略 1)「面白い」って何だろう 「面白い」とは、暗い世界からスッと明るくなること。 なので、暗い世界と明るい世界とどちらもあって、面白い。 水口氏は、そうした「緊張・緩和」が大切だと言う。 「笑いとは、緊張と緩和」 桂枝雀 面白いとは、緊張「不安な状態」を緩和「一気に解決」させること。 ビジネスに置き換え

          笑いとは、緊張と緩和で生まれるものだ