ニッチでも強く射抜くこと、それが家具を超えたコトを生む
今回は、家具デザイナーの藤森泰司氏にお話を伺った。
藤森氏は、空間との間で、家具だけで、何かを産もうとするのが長けている家具デザインに長けていらっしゃる。ささやかなところに意味を見出し、デザインしていくのが得意だ。3Dプリンターは楽だが、あえて使わず、模型を作る過程も考えながら、プロトタイピングすることもある。
目次
1)一番大切なことを解決してあげる、デザインの掟
2)「リ・デザイン」とは?
1)一番大切なことを解決してあげる、デザインの掟
・どこでも応用効くようなユニバーサル的なデザインだと、ふわっとしてしまう。ニッチだとしてもいい。大事なのは、一番大切なことを解決してあげること(ひとつのことを探求する)の方が、よほど価値あるものとなる。そのほうがユニバーサルになる。
・行為の途中をしっかりと支えるような道具
キッチンなど色々あってもいいし、一つだけあってもいい。
2)「リ・デザイン」とは?
・リ・デザインとは、過去の形式を表面的に模倣することではない。
作られた時代の感受性を、今の視点で追体験し、新たな形(かたち)として発見すること。つまりは、継承と進化のプロセスそのものなのである。
・椅子は後ろ姿が全て、空間の中で座っているときにどう見えるかが大事。
・単なる収納家具でなく、箱物としての収納家具が好き。
・鍵という振る舞いがいい、大切なものを入れたくなるし、何を入れようかと考えられる感じがいい。
・形からヒントを受けて、それぞれがそれぞれの使い方を探す。
収納家具だと、ただ片付けるだけになってしまう。それは寂しい。
・家具も床面とどっしり設置しているような感じか、動かして欲しいなら、もっと高いものにしたり。
作成イメージ
・「地域産材で自分で組み立てるつくえ」
吉野の地域でも、木を使っていない。
学校の家具は長い時間ともにする大切なものだが、お金をかけていない。
子どもたちがどうしたら簡単に作れるかを考えていく。
机を作るというただのそのくらいのことだが、子供達にとってはとても大きなこと。
その子にとって価値観とかが変わるような経験にもなる。
卒業したら持って帰れる。
デザインが接着剤になるようなデザインの在り方
情報元:
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第16回 藤森泰司氏 2019/10/23