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母親の甘い罠

先日、こんな記事を目にした。
「紅茶好きには遺伝子的な理由がある」 というものだ。


この遺伝子は東アジア人特有のもので、紅茶の本場イギリスにもないものだそうだ。


私は紅茶好きであるが、母親も姉もそうである。もしかしたらこの遺伝子が関係しているのかもしれない。

子どもの頃から家には 「日東紅茶」 が常備してあり、母親が飲むついでに私たちもよく淹れてもらっていた。


それこそ幼稚園の頃から淹れてもらっていたため、高校生になって友人とファミレスに行くようになるまで 「あること」 にまったく気が付かなかった。



母親が鬼のように砂糖を入れるのだ。


100 均などに売っている、スプーン付きの砂糖ケース。

↑ こんな感じの。


このようなスプーンで、毎回 「すりきり 2 杯」 入れていたような気がする。


大さじ小さじかで大分話が変わるが、おそらく大さじだったのではないか??

そうすると 200cc 程度のマグカップに、砂糖が約 20g も入っていた計算になる。

これを 1 日に複数回飲むこともあったのだ。
大変おそろしいことである。


姉は諸事情があって現在母親と暮しているのだが、

「自分では (砂糖の多さに) 罪悪感で淹れられないから、紅茶淹れて」

と、母に頼むことがあるそうだ。
そのとき、確か 「(砂糖を) 6 杯入れる」 みたいなことを言っていた。
これを、「はかるスプーンが小さじ (大さじの 1/3) になったため 6 杯になった」 のだと仮定すると、やはり 20g をイン! がデフォルトなのではないか。


なぜ私がこの異常さに気付いたのかというと、前述したように 「友達とファミレスに行ったとき」 のことである。

当時はみんなそんなにお金もないため、サイ〇リヤなどでゴハン & ドリンクバーを頼み、何時間も話に興じる。

私は食べ物より炭酸飲料が好きだが、何杯も何杯もおかわりすると飽きてくる。

そこで紅茶にも手を出す。


一般的に、コーヒーや紅茶などとともに供されるスティック シュガーは、基本的に 3g または 5g のものが多いように認識している。

その 3g だか 5g だかを 1 本入れて衝撃を受けた。


まったく甘くなっていないのである。


あれ? おかしいな?
と思って、さらにもう 1 本入れてみる。


やはり、全然甘くならない。


どうなってんだ?


これは本当に砂糖なのか? 実は間違って置かれた 「味の素」 なんじゃないか?


狐につままれた思いでいると、同じように紅茶かコーヒー系のドリンクとスティック シュガーを持ってきた友達が、1 本だけ入れて飲み始めた。

私はこれにも衝撃を受けた。


足りるんだ!!‎( ⊙⊙)!!


ここで 「どうやら (紅茶に対する) 自分の味覚はおかしいらしい」 ということを自覚し、

「外ではスティック シュガーは 1 本までしか入れてはならず、それで満足して紅茶を飲み干さねばならない」

という認識に至った。


それからというもの、やはり家庭科では 「砂糖は 1 日 25g ~ 30g まで」 と習ったことだし、ほかの食べ物でも意図せず砂糖は摂取してしまうことから、紅茶に入れる砂糖に関してよく考えるようになった。

紅茶はストレートよりも砂糖を入れた方がおいしい。
しかし 「これくらいなら摂取量的にも大丈夫かな」 と思える 6 ~ 10g 入れた程度では、実家の慣れ親しんだあの味には到底近づけまい。

よって私は 「砂糖を一切入れない」 という選択肢を取ることにした。
「どうせ入れても甘くないのだ」 と、暗示をかけている。

また、パンなどと一緒に砂糖入り紅茶を飲んだときも、不思議と (?) 紅茶が一切甘く感じなくなる。
ただの食パンでもそこそこ砂糖が入っているから、そのせいだろうか。


今でも大きなマグカップで紅茶を毎日 1 ~ 2 杯飲むが、牛乳だけ入れる。
10 年以上砂糖は入れていない。

ただし外食でのアイスティーに関してはガムシロップを入れている。

なぜならガムシロップは、1 個でもかなり甘くなるからだ。

スティック シュガー 1 本と、ガムシロップ 1 個の甘みの変化度合いが全然違うことにも正直驚きを隠せないが、よく分らないけど世の中はそんな風に回っているようなので、受け入れるしかない。


けれど冬の外出時に 「紅茶花伝 (ミルクティー)」 なんかを飲んでいると結構甘いように思うから、「スティック シュガー 1 本だけで足りる」 というのが幻想なのだろうか。

が、パートナーがエスプレッソなどに 3g のスティック シュガーを入れる際、「味変わる?」 と訊くと 「変わる」 と返ってくるので、やはり 3g でも味は変わるのだろうか。


何にせよ、母親が淹れる紅茶の異常性に遅まきながら気づいてよかった。
母親は決して 「太っている」 タイプではなかったため、特に疑問も抱かなかった。

しかし食事は 「ご飯と漬物」 みたいなものばかり食べていたため、そこでカロリーの採算が取れていたのかもしれない。

私のように白米好き & しょっちゅうアイスを食べている人間としては、不必要な糖分は摂らないに限る。



母親は意図的に罠をしかけたわけではもちろんないだろうが、あのまま突っ走っていたら肥満糖尿病高血圧等々のおそれは確実にあったであろう。

したがって特に若くて実家暮らしの方は、自分の 「あれ?」 という感覚は大事にしてほしいと思う。



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