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シリコンバレーで働くのに必要な英語力(2)在住日本人の英語力-4タイプ

シリコンバレーで20年以上働いて、色々な日本出身者と会う機会があった。彼らの英語について、自分の体験をもとに(独断と偏見で)タイプ分けをしてみたい

1.真のバイリンガル --- 日英両語の読み書きが完璧な人々。ただできる、というのではなく「知的労働者」としての用に足るという意味だ。極々少数だが、日英両方でメール、プレゼン、会議進行とQ&A、立食パーティー、どの場面でも適切な語彙を使い、アクセントなく話す。一人思い出すのは、高校生まで日本のインターナショナルスクールに通った男性。大学から英語圏に移り、日米両方の会社で勤務経験がある。もう一人は、米国育ちの日本人(両親は日本人)。教育はすべて米国だが、家庭では日本語のみ、日本語補習校に行き、日本の祖父母に(日本語の)手紙を書き続けた。日本企業でインターン経験を積んだ後、米国企業の役員となっている。もう一人は、帰国子女として日本に高校時に帰国して、大学は日本で大学院は米国、そのまま米国企業で働いている女性。彼女も米国企業のマネージャーだ。このような真のバイリンガル達は、適切な時期に両言語を学べた幸運はあるものの、両語に対し常に努力してきた人々だ。

2.英語上級者の日本語ネイティブ — 筆者もこの括りに入ると思っている。高校や大学からの英語圏留学経験があり、日米両方の企業での勤務経験があるという人々。TOEFLで600点以上、TOEICで900点以上のレベル。細かい発音ミスや綴りのミスはあるが、ほぼ正確な読み書きができる。英語での会議、メールやチャットもOKで、映画も字幕なしで大丈夫。しかし、正式なプレゼン等は少し準備が必要。人によっては即興で難しいトピックを話すことや、パーティートークを苦手としている人もいる(筆者だけか?)。

3.中級と上級の境目の日本語ネイティブ英語圏の人と結婚してそのまま現地に住み、勤務している人などに多いタイプ。または、大学院以降の留学や研修で初めて英語圏に来た人々。前者は日常的な場面ではほぼ問題がなく、スラングや慣用句も使いこなす。ただ、高度な語彙力にやや欠けている人が多いような気がする。後者は、日本での学歴・職歴も申し分ない人々。日本語で話す時と英語でのギャップが激しい。アクセントの強いブロークンな英語で話したりプレゼンをして、周りがあまり外国人に理解があるタイプではないと、スルーされてしまうことがある(内容が非常に良かったとしても)。

4. 中級英語でバリバリ仕事をする(日本語ネイティブ)”エンジニア” — 技術力が文句なく高いので、英語力は問われないタイプ。日本語訛りあり、文法の間違いもあり、だが説得力があり皆聞き入ってしまう。メールでも簡潔にポイントを突いてくるので、多少のスペルミスもご愛嬌となる。「ケンカ英語」とでもいうのだろうか。このタイプの日本人エンジニアと他の外国生まれエンジニア(例:インド系)とのやり取りを見ると、人間のコミュニケーション能力の無限の可能性を感じてしまう。

外国生まれの人が過半数のシリコンバレーでも、日本人は少数グループだ。インド系や中国系、ロシア系やラテンアメリカ諸国出身者と比べるとごく僅か。そしてそうした日本人達のバックグラウンドや米国に来た経緯も様々だ。

しかし、共通しているのは、皆英語と毎日「おつきあい(人によっては格闘)」しているということ。真のバイリンガルの人々でさえ、両語を常に鍛えていなければ、どちらかが錆びついてしまうという。焦らず、慢心せずに日々英語を楽しみながら磨くことが、この地で暮らし働いていく為には必須のような気がする。

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