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豊かに生きること(【読書記録】日々是好日 著:森下典子)

昨日読み終えたこの本

帰宅中の電車で耐えられなくて、本を閉じた。
これ以上読んだら涙が我慢できなくなりそうだったから。
しかし、耐えられなかったものは顔を伝っていった。
電車から降りて、バスを待つ間に少し時間があって、駅の建物内に居て続きを読んだ。ふと顔を上げると、数メートル先では男女が熱いキスの最中。かなりの時間キスしていたけれど、私は構わず本を読み続けた。そしてほろほろと泣いた。建物内で読み終え、バスに乗っても目は潤んだままだった。

年月を重ねるからこそわかる事がある

今の時代は、より「すぐにわかる」方に傾き、解って「はい、おわり」になる事が多い。「すぐにはわからない」ものは「すぐにわからない」から忘れられてしまう事が大半なような気がする。そしてすぐにわからないなら「もういい」ってなるかもしれない。最近では「すぐにわからない」ことも本やネットで調べると回答のようなものがあったりして。
「続ける」って事があまり無いのかな。本当は人生を続けているんだけど。
それは当たり前すぎて忘れているけれども。

いま続けているバドミントンだって、うまくなりたくて焦るけれど
「すぐにはわからない」ものの1つだ。練習して少しずつコツを掴む。私の場合はラケットとシャトルの当たる「音」だったり、打つ時のからだの感覚というか力がフッとそんなに使わなくてもきれいに飛ぶ瞬間ってあって、それをずっと探している最中。うまくなるとそれが日常的になるんだろうけれど。焦るといい事ってない。道具、飛んでくるシャトル、自分と丁寧に向き合うといいかも。

人は時間の流れの中で目を開き、自分の成長を折々に発見していくのだ。
だけど、余分なものを削ぎ落し、「自分では見えない自分の成長」を実感させてくれるのが「お茶」だ。最初は自分が何をしているのかさっぱりわけがわからない。ある日を境に突然、視野が広がるところが、人生と重なるのだ。
すぐにはわからない代わりに、小さなコップ、大きなコップ、特大のコップの水があふれ、世界が広がる瞬間の醍醐味を、何度も何度も味わわせてくれる。
    -森下典子著「日々是好日」より
気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること。
「学び」とは、そうやって、自分を育てることなのだ。
    -森下典子著「日々是好日」より

他にも素敵な言葉があったけれど。
本の中に出てくる言葉が優しく、包み込むような感覚になったりする。その文章自体がお茶会の流れのように感じる。

今までも沢山の「気づき」と「学び」があってこれからも続く。

まだまだ「楽しむ」ことまではいきついていないけれど。
きっと「楽しむ」ところに行ける気がする。

日々の生活の中で世界が広がる瞬間の醍醐味を味わいたい。

この本の感想だって、いつか「こういう表現をすればよかったのか!」と気づくかもしれない。そうできたら嬉しい。

この本の章立てのように生きれたらいいだろうな、って。

そういう人生を歩めるようになりたい。



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