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作詞集・太陽と龍の追憶

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昔、バンドを組んでいた時に作詞したものや、新しく書いたものも含め こちらにて公開しております。 歌ってくれる人、使ってくれる人募集中です 詳しくはメッセージか、ツイッターのDMで… もっと読む
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#鬱

ささやかな限界

言葉にするのは
まだ少し早いようだ
投げ出すことはしたくない
だけどこれ以上 見届ける勇気もない

騒がしい毎日を
まだ少しつづけるけど
投げ出すことに変わりはない
だけどこれ以上 見守るつもりもない

愛おしくてたまらなかった
だけどもう昔の話
どこまでの祝福を
どれだけの幸福を
彼らの為に願っただろう
これが私の ささやかな限界

口に出したら
すぐにでも終わるだろう
投げ出したって構わない

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煮沸

すっかり焦げ付いた片手鍋で
綺麗なままの思い出を
いつまでも
ぐつぐつ煮詰めているような

手に馴染んだ毎日を
このまま続けるのか

すっかり染みついた片手鍋の
綺麗に見える思い出を
いつの日か
じわじわ焦がしていく時を

手に入れた幸せの形を
抱えて生きてゆけるのか

家に帰りたくない
台所に立ちたくない
もう何も作れない
もう何も食べれない
煮込んで煮込んで
ぐずぐずになる

手放した生活の感

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心に名前を付けてくれ

さよなら不器用な友達
短い間だったけれど
君に会えてよかったよ
何も答えて欲しくなかった
何かを聞いて欲しかった
君の事を忘れないよ

心に名前を付けてくれ
コレでよかったと言ってくれ
出会わなければ良かったなんて
お願いだから言わないで
遠くの空で生きていて

病気の事も知らなくて
不意の便りを喜んだ
俺の事を許してくれ
誰も側に居なかった
誰か其処に居て欲しかった
俺も君が好きだったよ

心に

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桜木町から関内よりも 近くて遠いヘイヴンを君に

毎日毎日夕焼けで
コバルトの空が西の方から
地平線燃え尽きるまで
夜が来て胸に抱いた
ただ一つの夢が星になるまで

空飛ぶサソリを見上げたら
ゆっくり回るレコード盤
ぐにゃりと曲がるレコード盤
空飛ぶサソリが笑ってる
自分で自分に突き刺した
針から漏れた毒が虹
拈華微笑の巨仏は電気仕掛けの夏になる
朝日の差し込む白い白い京浜東北線
桜木町から関内よりも
近くて遠いヘイヴンを君に

Cumulonimbo

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の向こうに
広がる入道雲
寝ぼけたままの木立をぬうように
白いクルマが走ってく

よく晴れた夏の朝
渡る人もない信号機越し
膨らむ積乱雲
沈んだままの道路をぬうように
僕のクルマは泳いでく

濃密な朝、濃密な時間、濃密な夏曜日
もう仕事も休みもカンケーない
何の心配もない夏曜日
渋滞も信号無視も
コンビニの角を抜けてくバカも気にならない

ある晴れた夏の朝
薄暗い街の片隅

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よくはれたあの日がなつかしいね

いつの間に終わったんだろう
僕は乗りたくもない車に乗って
進みたくも帰りたくもない道で
渋滞の中にいる
進むなら進んでくれ
止まるなら止まっててくれ

嫌いになる事が出来るほども
あなたを知らない自分が憎い

空っぽだけ詰まってる
贈り物だけ積もってる

好きでいるから生きていられた
嫌いになれたらもっとラクかな

いつの間に変わったんだろう
僕は好きでもない人を養って
燃やしたくも出ていきたくも

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がらくたのメリーゴーランド

秋晴れのバカみたいな青空の下で
がたぴし回る
がらくたのメリーゴーランド
すっかりくすんだオルゴールが
悲しそうに笑う

午後2時のバカみたいな陽射しの下で
がたぴし軋む
がらくたのメリーゴーランド
すっかり疲れた顔をした
悲しそうな俺がいる

全部終わりだよ、と
汚れきった鏡を見て
みるみるひび割れてゆくのを
振り返らず歩き出す

バカみたいに広い秋晴れの海と
がたぴし回る
がらくたのメリーゴー

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