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48.11:29 味噌汁は複雑

友人からビーチで夏を満喫している写真が送られてきた。
うらやましいかといったら、そうでもない自分がいる。
もう、夏!青い海!砂浜!水着!青春!みたいな時代はとっくに過ぎているので、友人の充実した夏を垣間見てもうらやましがる気は起きない。
それよりも、友人の体型の方がうらやましい。
どうやったら、あんな水着が着られる体になるのか…
後で聞いてみようと思う。


8月もほぼ半分が過ぎた。
夏も終わりが見えてきたようだ。
8月の目標を立てたが、進捗状況はというと…。

②の英語が進んでいない。
アプリ勉強は相変わらず毎日きっちり出来ているが、それだけで終わっている。
英語集中月間にするつもりが、出来ずにもう半月。
別にいいかな、という気持ちが出てきている始末。

がしかし、そんな私に喝を入れる出来事があった。
近所のドラッグストアで買い出しをしていると、不意に
「Excuse me.」
と声をかけられた。
私が住んでいるところは、海外からの観光客が多い。
よく行くスーパーなどでも買い物をしている外国の方をよく見るのだ。

「Yes.」
と振り向くと、外国人の女性がいた。
そして、
「I’m looking for MIZU soup.」
と言って、困っているようだった。
水スープ??
さっぱりわからないけれど、とにかく助けなければ!
そう本能が言うので、一緒に探すことにした。

まずは水スープが何か聞かなければと思い、
「What is MIZU soup?」
と聞いてみた。
彼女が答えるよりも先に、一緒にいた私の家族が気づいた。
「味噌汁じゃない?」
それで彼女に確認すると、そうだという。

そこで食品コーナーに連れていき、即席味噌汁をいくつか教えた。
これで、役目は終わったかと思ったら、自分の英語力が試されるのはここからだった。

何と彼女はベジタリアンだったのだ。
「No meat.」
そういって心配そうな顔をした。
味噌汁は具にアサリやシジミなどの貝が入っているものもある。
まずそれを説明したかったが、貝=「shellfish」が出てこなかった。
そこでとにかくseafoodが入っていると伝えたかったのだが、うまく文章にできなかった。
しかし、seafoodという単語を伝えることで、彼女は何となく理解してくれた。
彼女とパッケージを一緒に見ながら、具に貝が含まれているものをまず除外することが出来た。

だが問題は出汁なのだ。
大体の味噌汁はカツオなどの出汁を使っている。
厳格なベジタリアンの方は無理だろうと思い、出汁についても伝えたかった。
出汁が「broth」だということはすぐ思いだしたので、その単語を伝えてみた。
しかし通じない。
発音の問題かもしれないが、それまでのやり取りで彼女も英語話者ではないようだったので、知らない単語だったのかもしれない。
「出汁に鰹が使われていますよ。」
これが私には上手く文章にできない。
鰹ってなんていうんだっけ?
いや、鰹は何とかfishでいけるが、出汁の概念が伝えられない。
困った。
どうすれば。

しばし逡巡したが、とにかくパッケージをよく見て鰹出汁と書いていない、おそらく昆布出汁の味噌汁を見つけることにした。

あった!
具も野菜で昆布出汁のものが。
彼女にこれは大丈夫だと言って、見つけた味噌汁を渡した。
心配だったので「probably」を連呼しながら。

彼女は笑顔で
「Thank you.」
と言ってくれた。

私は汗をかきながら、
「You're welcome。」
と何とか笑顔を返した。

どっと疲れた。
そして、かなりの自己嫌悪に陥った。
どうしてこんなに英会話が出来ないのか…。
言いたいことのほとんどが言えず、単語を伝えることしかできなかった。
毎日のアプリ学習は何だったのだ、と。

帰り道でしばらく落ち込んだ。
昔の私なら、この経験を「失敗」として英語からこのまま遠ざかることだろう。
しかし今の私は、昔とは違うのだ。
これではいけないと思った。
英語を頑張りたいという気持ちは本物なのだ。
私の英語に足りないのは「会話」の能力であり、「英作文」の能力であると気づいた。
いや気づいていたが、まだ良いかと先延ばしにしていた部分だった。
そこで、私は決意した。
足りない部分を伸ばす努力をしようと。
まずは英作文に取り組もう。
そしてオンライン英会話。
やってみようと思う。

帰って調べたら、出汁は「Dashi」でも通じるようだ。
まあ、それも学べたので、今回のことは本当にいい経験になった。
これから出会う外国の方々!
私がお助けしますからね!
と決意新たに、英語学習に取り組みます。

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