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財前ぜんざい@オリジナル小説
2018年7月31日 19:58
「遅かったじゃん! おみおみ~!」 道場の真ん中で大きく手を振る赤毛の彼女は、先日と変わらず元気な様子だった。隣にいる晃は、申し訳なさそうにこちらへ頭を下げた。 彼らへと歩みを早める雅臣は、明らかに不機嫌そうだった。「俺たちよりも先に予約を取ったのは、お前らだったのか」 雅臣の口調は、もはや怒りに近かった。「そうよ。私たちが貸し切りで予約を取ったの。本当は晃と憑依時の確認をしよう
2018年7月8日 19:57
私は、ただ頭の中でぐるぐると考えるしかなかった。私の身に何が起こったのか。そして彼らの身に、今何が起きているのか。 考えれば考えるほど、分からなくなっていく。私はどうすればいいのだろう。私はこれからも、雅臣と一緒にいていいのだろうか。 雅臣はどう思っているのだろう。雅臣は、私に身体提供者になってほしいのだろうか。だから、私との手合せを引き受けてくれていたのか? もし身体提供者にな