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財前ぜんざい@オリジナル小説
2018年6月20日 22:49
突然、部屋中にブザーが鳴り響いた。身体が固まった。電話や玄関の呼び出し音ではない、明らかに警報音だった。どこで鳴っているのか目で追うと、パソコンの置いてあるデスクの奥に、小さな赤いライトが点滅する機械を見つけた。おそらく、その機械からブザーが鳴っている。 ソファーで眠っていた雅臣は、ブザーで目を覚まし、飛び起きた。掛けていた毛布が舞い上がるほどの勢いだった。ぼさぼさの前髪は目にかかり、表
2018年6月4日 22:51
「紅羽ちゃんが雅臣と初めて手合せをした時、俺は紅羽ちゃんの強さに驚いたんだ。雅臣が俺に憑依した時、攻撃は俺の意識が、防御は雅臣の意識が担ってる。その雅臣の守りを破って、君は勝ったんだ。それは、憑依者としての俺と雅臣に勝ったことと同じだ」 違う。私はただ雅臣と手合せをしただけ。ほとんどお遊びのような、ルールもろくにない、当事者たちだけが満足する手合せだった。そこには彼らの世界の、憑依者や身体