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財前ぜんざい@オリジナル小説
2017年5月27日 00:14
彼と河川敷へ夕日を見に行ったのは、たった一度きりだった。のちに私は彼から別れを告げられる。 私は彼を忘れるために、彼の好きだった茶色の髪を黒く染めた。彼の好みに合うよう、今まで髪を染めていたのだ。自分の茶色の髪を見ていると、彼の理想に近づきたいと努力していた自分が、容易に思い出された。 だから髪を真っ黒に染めた。塗りつぶすように。 着飾ることもやめた。彼の隣で輝くという目的を失った私は、