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オリジナル小説「アスタラビスタ」

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人を殺めようとした紅羽を止めたのは、憑依者と呼ばれる特殊体質の男だった。キャラが憑依し合うヴィジュアル小説!
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2016年12月の記事一覧

アスタラビスタ 3話 part8 3話完結

アスタラビスタ 3話 part8 3話完結

 準備体操を終え、道場の隅で防具を付け始めた私は、既に顔から血の気が引いていた。少し身体を動かしただけで、動悸と冷や汗が止まらない。道場の床に座っているというのに、地面が揺れ動いているように感じた。こんな状態で、本当にできるのか。不安が大きく私の心を支配していく。

「そうだ! 雅臣が言ってた『剣道の防具じゃ足りない』って、一体何が足りないんだよ!」

 道場の真ん中にいた圭は、私にではなく向かい

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アスタラビスタ 3話 part7

アスタラビスタ 3話 part7

 稽古着に着替えて戻ってくると、圭が道場の中を裸足で意味もなく走り回って遊んでいた。その様子は、到底同い年とは思えないものだった。

「お! 紅羽が戻って来た!」

 圭が走り回っているスピードのまま、私のところへ駆け寄って来た。

「それが薙刀の道着かぁ! 袖、剣道の道着に比べて短いんだな!」

 指摘され、私は自分の腕に目をやる。半袖の道着にはゴムが入っており、二の腕で自由に調節できる。

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アスタラビスタ 3話 part6

アスタラビスタ 3話 part6

「ここは区営体育館だ。武道場は地下一階。第一武道場は畳だから、俺たちは板張りの第二武道場を一般公開で使う」

 雅臣と私が訪れたのは、彼らのマンションからほど近いところにある区営体育館だった。とても新しいとは言えず、外壁は所々剥がれていたが、温水プールもあり、設備は充分整えられているようだった。

「い、一般公開ってなんですか?」

「要するに団体貸し切りじゃないってことだ。この券売機で券を買えば

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アスタラビスタ 3話 part5

アスタラビスタ 3話 part5

 手に持っていた書類を机に置き、立ち上がった雅臣は清水を見下ろして言った。

「清水。疲れてるところ悪いが、圭と一緒に組織まで行って、薙刀と防具を持って来てくれないか?」

 頼まれた清水は口を開けたまま「う、うん」と頷いた。しかし、返事はしたものの首を傾げ、雅臣が何を考えているのか理解しきれていないようだった。

 私も何が起きているのか分からなかった。突然で脈絡もなく、察することもできない。す

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アスタラビスタ 3話 part4

アスタラビスタ 3話 part4

「ただいま。紅羽連れてきたぞ!」

 結局私は彼らのマンションへと来てしまった。

 圭は履いていたスニーカーを乱暴に脱ぎ捨て、部屋の中へと入って行った。私も続いて靴を脱ぐ。屈んで自分の靴を揃えると、脱ぎ捨てた圭のスニーカーが目に入った。靴が玄関に散らばっているのを知っていて、このまま部屋の中へ入っては、私の品格が問われるような気がした。仕方なく奴の靴に手を伸ばす。触ると生温かかった。

 気持ち

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